JA鈴鹿

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知っ得コーナー(令和5年3月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】キクイモ 生育旺盛な健康野菜

園芸研究家 ●成松次郎

 

キクイモは、北米原産のキク科ヒマワリ属の多年生植物です。やや冷涼な気候に適し、生育期間は中間地では4~10月で、10月ころに開花し、収穫期は茎葉が枯れる11月からで、ショウガに似た塊茎を収穫します。キクイモにはイヌリンという水溶性食物繊維が含まれ、血糖値の上昇を穏やかにし、中性脂肪を下げる効果があるといわれている成分です。

[品種]
塊茎の表皮が白色と紫色の系統があり、紫種がやや大型です。

[畑の準備]
植え付け2週間前に1平方m当たり苦土石灰100gを施しよく耕します。1週間前に畝間90cm、深さ20cmの溝を掘り、畝1m当たり化成肥料(NPK各成分10%)100gと堆肥1kg程度を施し、土を戻してよく混ぜておきます(図1)。

[植え付け]
種芋(塊茎)は重さ20g程度に切り分け、深さ10cm程度に、株間50~60cm間隔で植え付けます(図2)。

[管理]
どんな土でもよく育ちますが、過湿を嫌うため、やや乾燥気味に管理します。塊茎から多くの芽が出るときは、芽かきをして、2、3本に整理します。

[支柱立て・摘心]
草丈が3mにも伸びて倒れやすくなるので、十分に土寄せをし、1・5m程度の支柱を立て株の周囲にひもを巡らせ倒伏を防ぎます(図3)。さらに、草丈が支柱の高さの頃、茎の先端を摘心します。10月ころからヒマワリに似た黄色の花が開花します(図4)。日持ちの良い切り花としても観賞できます。

[病害虫の防除]
強健で病害虫の被害は少ない野菜ですが、生育後半にはうどんこ病が発生することがあります。気になるときは、カリグリーンなど野菜類の登録農薬で防除します。

[収穫]
茎葉が枯れてきたら、地際から茎葉を刈り取って、塊茎を収穫します。掘り上げた塊茎はしなびやすいため、3月までは土中に置いて必要に応じて収穫しましょう(図5)。収穫後はポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保管します。なお、畑に残した塊茎は野生化してはびこるので、全て掘り上げます。

 

 

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【野菜もの知り百科】ミツバ(セリ科ミツバ属)

土壌医●藤巻久志

 

学名にjaponicaと入っているように、ミツバの原産地は日本です。中国や朝鮮半島などにも分布し、日陰に自生しています。1本の茎に小さな葉が3枚ずつ付くことから「三つ葉」の名前が付きました。
日本では古くから野草として食されてきましたが、栽培化されたのは比較的新しく江戸時代初期です。中期に江戸郊外の葛飾で軟化栽培が始まり、後期には踏み込み温床を利用し促成栽培が行われるようになりました。
葉も茎も根も利用し、とても良い香りがあり、吸い物や卵とじなどの日本料理には欠かせないものになっています。切りミツバ、根ミツバ、糸ミツバの3種類があります。
切りミツバは根株を養生して軟化栽培し、根を切り取ったものです。主に関東地方で消費され、冬から春にかけて多く出荷されます。茎が白っぽいので白ミツバともいいます。あくがなく柔らかいので、生のままサラダにも使えます。
根ミツバは軟化栽培したものを根付きのまま洗浄して出荷します。露地ミツバともいい、野生種に近く、香りが強いです。根はきんぴらなどに利用されます。
糸ミツバは青ミツバともいい、密植栽培して軟弱に伸長させたものです。関西地方で多く消費されてきましたが、水耕栽培の普及により全国のスーパーの店頭に並ぶようになりました。水耕栽培のものはスポンジが付いたまま販売されているので、調理後残した根の部分を水に挿せばリボベジ(リボーンベジタブル=再生野菜)になります。
ベータカロテンやビタミン類を多く含み、特有の香りは料理の味を引き立てます。香りの成分には鎮静作用があり、ストレスを解消します。抗酸化作用も有し、がんを抑制するといわれています。
回転ずしで茶わん蒸しにミツバが入っていると、その香りと姿をめでられる日本人で良かったと思います。香りと緑色の食欲増進効果で、その後は何皿も食べてしまいます。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

マンゴー - 栄養価の高い世界三大美果の1つ

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

子どもと緑茶

食育インストラクター●岡村麻純

娘の幼稚園で、自分で作ったお茶わんでお茶会をするというイベントがありました。そのとき初めて飲んだお抹茶が、娘にとっては苦いながらも大人の味に感じてうれしかったようで、持ち帰ったお茶わんとともに、これからは家でもお茶を飲みたいと張り切っていました。
日本の緑茶は、お茶の葉を生のまま短時間で蒸したものです。一方、ウーロン茶や紅茶はお茶の葉を発酵させてから作るお茶です。緑茶は葉をそのまま使うこともあって、5月ごろのシーズン最初に摘んだ、栄養たっぷりの生葉で作る新茶が好まれます。
また緑茶の中でも、玉露や抹茶は新芽のうちに葉を覆い、光を遮って栽培された柔らかい葉で作られます。他にも葉をほうじて作るほうじ茶もあります。せっかく日本が誇るおいしいお茶に興味を持ってくれたので、娘には、抹茶に煎茶、ほうじ茶などいろいろなお茶を楽しんでもらいました。
子どもにお茶を出すとき、気になるのがカフェインです。カフェインには利尿作用や、眠りを妨げる作用があるため、わが家でも子どもたちができる限りカフェインを摂取しないよう心がけています。緑茶にもカフェインは含まれています。お茶類100ml当たりのカフェイン量を見てみると、コーヒーが60mg、紅茶が30mg、煎茶やほうじ茶は20mg、玉露では160mgが含まれています。日本では発表されていませんが、海外では子どものカフェインの摂取量の目安を出しているところもあり、5歳の娘ですと1日45mg以下に抑えることが推奨されています。ほうじ茶でも約2杯分。そこでわが家では1日1杯のお約束にしました。
とはいっても、緑茶にはビタミンCが多く含まれ、抗酸化作用のあるカテキンなど体に良い成分もたくさんあります。これからの新茶の季節、子どもと一緒に、1杯のお茶をじっくり味わって楽しみたいと思います。


岡村麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2023年3月号

 

 

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