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知っ得コーナー(令和5年2月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】シソ – さまざまな用途を楽しむ

園芸研究家 ●成松次郎

 

青ジソの若葉は大葉と呼ばれ薬味や精進揚げに、赤ジソの葉は梅漬けに利用されます。シソの発芽適温は20~25度、生育適温は20~23度で、低温には弱いが高温には強い野菜です。また、シソは短日期(昼の時間が夜の時間より短い季節)に花を付ける性質があり、9月ごろから穂が出てきます。シソは生育に応じて収穫方法が変わり、子葉、若葉、花穂、未熟果はそれぞれ芽ジソ、大葉、穂ジソ、実ジソと呼んでいます。これを、シソの七変化といいます。

 

 

 

[栽培時期]
中間地では4、5月が種まきの適期で、収穫期は6~10月です。

[品種]
大葉の品種は、葉色が鮮緑色で広卵形をして大きく、葉縁の欠刻が深く、葉面に細かい縮みがある「青しそ」「青ちりめん」があります。赤ジソの葉取り用は「赤ちりめん」など葉色が赤紫色で葉形の大きい品種を用います。

[苗作り]
直径7・5~9cmの小型ポリポットに4、5粒の種をまきます。セルトレーでは72穴のトレーを使い、2、3粒まきます(図1)。発芽後2回に分けて間引き、1回目は本葉が開く頃に、成長の遅れた株、密になっている所の株を抜き取ります。2回目は本葉3枚の頃に1本にします。

[畑の準備]
幅70~80cm幅のベッド(栽培床)で栽培する場合には、事前に1平方m当たり苦土石灰150gを菜園全体に散布して耕しておきます。その後、堆肥2kgと化成肥料(NPK各成分10%)200gを施します(図2)。

[植え付け・追肥]
本葉5、6枚になったら、条間40cm、株間30cmに植え付けます(図3)。その後2週間おきに1平方m当たり30g程度の化成肥料を条間にまき、根元に軽く土寄せします。

[病害虫の防除]
病気はほとんどありませんが、害虫ではハダニ、ハスモンヨトウなどがあり、アファーム乳剤などの登録農薬で防除をします。

[収穫]
葉が10枚以上になってから、下の方の葉の付け根からもぎ取るように摘み取ります。収穫するとしおれが早いので、水に挿しておきましょう。穂ジソの収穫期は先端の花穂が5、6輪開花している頃に穂先から15~20cmで切り取ります(図4)。赤ジソは紫、青ジソには白い花が付きます。

 

 

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【野菜もの知り百科】タカナ(アブラナ科アブラナ属)

土壌医●藤巻久志

 

種袋の裏面は情報の宝庫です。品種特性、原産地、発芽適温、生育適温、種まき時期、株間、収穫日数などが記載されています。種苗法では業者名、種類と品種、生産地、採種年月または有効期限、発芽率、数量の表示が義務付けられています。
昭和時代の野菜種子の生産地はアスパラガスやビートなどの洋菜以外は国内でしたが、今はほとんどが海外です。国内採種農家の減少、異常気象による危険の分散、生産コストなどが要因です。採種年月の表示はなくなり、有効期限になりました。
春まく種は春種、秋まく種は秋種といいます。国内ではダイコンやハクサイなどのアブラナ科野菜の種は初夏に採れ、種苗店の店頭には「新ダネ入荷」ののぼりが立ったものです。野菜が周年栽培されるようになり、春種と秋種の区分は少なくなりました。
タカナは昔も今も秋種です。春にまくととう立ちしてしまいます。アブラナ科野菜の多くは低温に遭うととう立ちしますが、タカナは低温には左右されずに、長日によってとう立ちします。
タカナはカラシナの一種で、一般に株が大型、葉が多肉のものをいいます。福岡県の「三池タカナ」や長崎県の「雲仙コブタカナ」などが有名です。低温伸長性があり、作りやすい葉菜です。
タカナは「野沢菜」「広島菜」と並んで日本三大漬け菜の一つです。主に古漬けしますが、浅漬けもできます。古漬けを材料にした刻み高菜漬けは、高菜ご飯や油炒めなど和風、洋風、中華に幅広く利用されています。特に高菜漬けチャーハンがおいしいです。
中国料理に欠かせないザーサイもタカナの仲間で、茎タカナともいいます。茎の下の方の葉の付け根部分が5~8cmのこぶ状に肥大し、その多肉の塊を食します。家庭菜園で栽培すると、周りの人々は「これがザーサイ!?」と驚きます。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

キウイフルーツ - 1個で1日分のビタミンC

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

おいしさの要因

食育インストラクター●岡村麻純

先日、娘が幼稚園のお泊まり保育へ行ってきました。初めて親と離れての寝泊まりでしたが、笑顔で帰ってきました。そして、普段カレーが苦手な娘が「ホテルで食べたカレーはすごくおいしかった。お代わりしたよ」と本人も驚いて教えてくれました。確かにホテルのカレーはおいしいですが、娘にとっておいしかったのは、その味だけでなく、友達ときれいな景色を見ながら食べたというシチュエーションも関係しているように思います。そもそもおいしさとは、人それぞれ違う、主観的なものです。そして、おいしいと感じるには、「食物の特性」「人の特性」「環境要因」の三つが影響しています。
まず「食物の特性」とは、その食べ物が持つ特徴、つまり、匂い、味、見た目や歯応えなどのことです。一見、この「食物の特性」がおいしさの全てを決めているように感じますが、それだけではありません。
もう一つは「人の特性」です。年齢やその人の健康状態、空腹の程度などもおいしさに大きく影響します。おなかを空かせて食べたものが何よりもおいしかったという経験があるかと思います。他にも、緊張している場ではおいしさを感じづらい、逆に親しい友人と楽しく過ごしながらの食事はおいしく感じるというのも、この「人の特性」です。
そして最後の「環境要因」とは食べるときの環境のことです。暑い夏に食べるそうめん、おしゃれなカフェで食べるパンケーキ、これらがおいしく感じるのも「環境要因」がプラスされていると考えられます。また、きれいな食卓で食べるのと、汚れて荒れ果てた食卓で食べるのとでもおいしさは変わってきます。
このように、おいしいと感じるのは食べ物の持つ特性だけではありません。毎日、湖の近くのホテルのような特別な環境をつくることはできませんが、わが家の食卓が温かく楽しい空間であればと思います。その環境がおいしさの要因となり、好きなものが増えてくれることを願い食事の時間を過ごしています。


岡村麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2023年2月号

 

 

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