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知っ得コーナー(令和4年8月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】チンゲンサイ シャキシャキとした歯触りを楽しむ

園芸研究家 ●成松次郎

 

チンゲンサイ(青梗菜)は代表的な中国野菜で、ビタミンやミネラルを豊富に含みます。日本の野菜では「体菜」に似ています。中間地では冬を除き、春から秋まで栽培ができます。

[品種]
「青帝」(サカタのタネ)、「ニイハオ新1号」(渡辺農事)などがあり、「長陽」(タキイ種苗)、「夏賞味」(武蔵野種苗園)は、暑さに強い夏向きの品種です。「シャオパオ」(サカタのタネ)は、小さいので丸ごと料理に使えます。

[畑の準備]
種まきの2週間前までに1平方m当たり苦土石灰100gをまき、酸度を矯正しておきます。1週間前までに堆肥1kgと化成肥料(NPK各成分10%)100gを施し、土とよく混ぜておきます(図1)。次に、幅1m程度、高さ5cm程度の栽培床を作ります。

[種まき]
一般にはじかまきします。高温期の春夏まきでは条間20cm、株間20cm、秋まきでは条間15cm、株間15cmに1カ所4、5粒を点まきします(図2)。発芽まで土が乾かない程度に灌水(かんすい)をし、発芽後は土が乾いたら水をたっぷり与えます。なお、ポリマルチを使うと、生育の促進に加え、土が葉の間に入るのを防ぐ効果があります。
苗作りをするには、小型ポットや連結ポットで本葉3、4枚の苗に仕立てます(図3)。
種まき(植え付け)後は防虫ネットでトンネルを作り、害虫から保護します。また、べたがけは発芽促進と害虫の防止になるため、1カ月程度被覆するのも良いでしょう。

[間引き]
1回目は発芽ぞろい後、込み合っている株を除き、2回目は本葉2、3枚の頃に2本、3回目は本葉5、6枚で1本にします(図4)。

[病害虫防除]
基本は防虫ネットで害虫防除をしますが、農薬では、アブラムシには粘着くん液剤など、アオムシ、ヨトウムシにはトアロー水和剤CTなどのBT剤を使用します。長雨のときは、べと病や白さび病が発生しやすいので、株間を少し広めに取ります。

[収穫]
草丈15~20cmくらい、尻が張り始めた頃に、地際から切り取って収穫を始めます(図5)。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【野菜もの知り百科】ツルムラサキ(ツルムラサキ科ツルムラサキ属)

土壌医●藤巻久志

 

化学合成農薬は日本では第2次世界大戦後から広く使われるようになり、食糧難を克服するのに大きく貢献しました。しかし、1962年にレイチェル・カーソン著『沈黙の春』が刊行されると、農薬の毒性や残留性などが大きな問題となりました。
今は天然物由来の有効成分で有機栽培にも使用できる農薬も開発されていますが、できる限り無農薬栽培をしたいものです。そのためには耕種的防除という病害虫が発生しにくい栽培技術を用います。適期適作や輪作、有機物施用の土づくり、抵抗性品種の使用などです。
ウイルス病やアオムシなどの病害虫が発生しやすい時期には、被害がほとんどないツルムラサキを栽培するのも一つの方法です。ツルムラサキは名前のようにつるが紫と思われがちですが、つるが緑色の青茎種と紫色の赤茎種があります。両種とも葉の付け根に濃い紫色の実がなることから、ツルムラサキの名前が付きました。
青茎種は江戸時代初期、赤茎種は明治時代に渡来しました。青茎種の花は白色、赤茎種は薄紫色です。青茎種は食用に、赤茎種は観賞用に使われることが多いです。
温暖地では4月下旬に種まきすると11月まで長期間収穫することができます。短日性で秋になると花穂を付けますが、茎葉が堅くならないうちは食べられます。
熱帯アジア原産で暑さに強く、青物が少ない夏場に重宝します。骨を作るカルシウムをホウレンソウの3倍以上含み、疲労回復に効果があるビタミン類も豊富です。
葉が肉厚で柔らかく、生でサラダにもできますが、少々土臭さがあります。加熱すると粘りが出て、土臭さも気にならなくなります。おひたしやあえ物、炒め物などに利用できます。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

栗 - 秋を告げる木の実

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

お水を飲んでいますか

食育インストラクター●岡村麻純

暑い日が続くこの時期、子どもたちが水を飲む機会を増やすようにしています。人の体重の約60%が水分です。子どもですと、さらに割合が多くなります。人が一日に必要な水の量は、その人の運動量や代謝にもよりますが、平均して体重の4%、体重50kgの人なら2Lとなります。体内水分量の多い子どもは、幼児期で体重(kg)×100mlとされます。時々、家族それぞれの必要な水分量を計算して、意識するようにしています。
一日を振り返ってみるとこの水分、どんな飲み物で取っていますか?例えば朝、子どもは牛乳、親はコーヒー、おやつの時間はジュースなど、大人はカフェイン飲料の割合が、子どもは甘い飲み物の頻度がつい多くなってしまいます。しかし、汗を多くかくこの時期に一日の水分量を満たす量を水以外で摂取すると、明らかにカフェインや糖類の取り過ぎになってしまいます。コーヒーを飲む前に水を1杯飲むなど、水分摂取の半分でもいいので水を取り入れてみてはいかがでしょうか。お茶も魅力的ですが、それに併せて、最も体に浸透しやすい水を飲むことも大切にしています。
運動するときの水分もできるだけ水にしています。体内の筋肉には70%以上の水分を含んでいます。運動中に水分が不足すると、筋肉の細胞内の水分が出され、血流が悪くなり、足がつるなどのトラブルも起こしてしまいます。胃の弱い子どもは運動後一気に水を飲むと、吐き戻してしまうこともあります。運動中の水分は刺激が少ない水を小まめに飲むように伝えています。
暑い夏、30分のお散歩をしただけでも、コップ半分の水分補給は必要になります。朝起きたとき、帰宅後、おやつの後、お風呂上がりなど、軽く1杯水を飲むだけでも一日の水の摂取量は増やすことができます。喉が渇いたと感じる前に、小まめに水を飲むことを習慣にしたいと思います。


岡村麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2022年8月号

 

 

令和4年7月号

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