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知っ得コーナー(令和元年5月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】取れたてが甘くておいしいスイートコーン

園芸研究家 ●成松次郎

 

スイートコーンは温暖で強い日光を好む強健な野菜です。雄花が雌花より先に咲き受粉のタイミングがずれやすいため、集団で育てることが実入りを充実させるポイントです。
[品種]「みわくのコーンゴールドラッシュ」(サカタのタネ)、「おひさまコーン」(タキイ種苗)やバイカラーと呼ばれ黄色と白色が混じっている「ゆめのコーン」(サカタのタネ)などがあります。
[栽培時期]遅霜の心配のない4月下旬~5月中旬が種まき期で、寒冷地では5月中旬~6月中旬です。
[土作り]畑1平方m当たり苦土石灰100gをあらかじめ散布しておきます。次に、畝幅80~90cmを取り、深さ20cm程度の溝を切ります。この溝1m当たり化成肥料(N-P-K=10-10-10%)150gと堆肥1kgを施し、土とよく混ぜておきます。2条まきでは、幅90~100cmのベッドを作り、1平方m当たり化成肥料200gと堆肥2kgとを全面に施し、土とよく混ぜておきます。そして、ベッドを平らにならした後、早まきではポリマルチをします(図土作り)。
[種まき]株間30cm程度1カ所3~4粒の点まきします。ハトに食べられないように、寒冷しゃや不織布のべた掛けをしましょう。なお、1~2株の栽培や1列だけでは、花粉が不足しやすいので10株以上、または2列以上の集団で栽培してください。
[管理]草丈10~15cmで間引く苗を切り取り、1本立てにします。追肥は草丈50~60cmの頃、畝1m当たり化成肥料50gを列の片側に与え(ベッドでは1平方m当たり100gをベッドの両側)、株元へ土寄せします(図追肥・土寄せ)。そして、上の雌穂を残し、下に付く穂を全て除き、1本1穂にすれば大きい穂になります。なお、脇芽は特に取り除く必要はありません(図雌穂のかき取り)。
[病害虫防除]雄花がつき始めたころにアワノメイガが葉裏に産卵し、大きくなった幼虫は雄穂や雌穂(子実)に食入します。茎や子実に入り込んだ幼虫を防除するのは困難なので、雄穂が伸びだす頃に殺虫剤を散布します。
[収穫]絹糸が出てから3週間ほどたち、絹糸が褐変して先端の子実が乳白色に着色した頃です。早朝に収穫し、収穫後は急速に甘味が減少するため、早めに冷蔵庫に入れましょう。もちろん、すぐにゆで上げて食べるのが一番です。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

 

成松次郎(なりまつじろう)
神奈川県農業技術センター等で野菜の研究と技術指導に従事後、(一社)日本施設園芸協会で施設園芸及び加工・業務用野菜の生産・流通振興に携わる。現在、園芸研究家。

【ベランダでできるキッチンガーデン】ワケギ(ヒガンバナ科ネギ属)

土壌医●藤巻久志

 

新聞や雑誌は常用漢字の使用が多いので、胡瓜(キュウリ)や人参(ニンジン)、蚕豆(ソラマメ)などの漢字表記を目にすることが少なくなりました。野菜の漢字は、品種と同様に長い歴史と文化があるので、後世にきちんと伝えたいものです。
ワケギは漢字では分葱と書きますが、ワケネギと読んでしまう人も多いです。ワケギはネギ(葱)やタマネギ(玉葱)、ラッキョウ(辣韮)、アサツキ(浅葱)などの仲間です。ネギやタマネギは種から栽培しますが、ワケギはラッキョウやアサツキと同じように種球から増やします。
種球からの栽培は手間のかかる育苗が不要なのでとても簡単です。ワケギは畑でなくても日当たりの良いベランダなら栽培できます。
種球は7~8月にホームセンターなどで購入します。8月下旬~9月下旬に種球を半日ほど日に当てて乾かし、外皮を丁寧に剥がし、先端の枯れている部分をはさみで切り取ります。
深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、株間10cmで2~3球ずつ上部が少し出るように植え付けます。過湿と過乾にならないように、土の表面が乾いたら水やりします。草丈が10cmくらいになったら、1週間置きに1000倍の液肥を施します。
草丈が20cmくらいになったら、株元を2~3cm残し、切り取り収穫します。再び葉が伸びてくるので、2~3回収穫できます。
次回の種球を取る株は、球根を肥大させるために葉は収穫しないで伸ばしたままにします。5月に葉が枯れて倒伏したら、種球を掘り上げます。1個の球根が10~20個以上になります。風通しの良い場所で貯蔵します。
ワケギはネギやニラのような刺激性の臭いはありません。穏やかな香りと風味を楽しんでください。酢みそあえや卵とじにするだけでなく、ナムルやチヂミにして韓国の食文化を味わうのも良いでしょう。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

シソ - すがすがしい香り。和のハーブ

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

食育とは何だろう

食育インストラクター●岡村麻純

大学の卒業論文のテーマは食育。食育について普通よりは勉強してきたはずの私ですが、母親になり、子どもたちの食事を毎日作っていると悩むことばかりです。硬いと言って息子がお肉を食べないとき、夫に「かむ力が足りないと体にも脳にも良くないぞ。もっと硬い物を食べさせないと」と注意されると、「そんなことは私がよく知っている!」とけんかになることもあります。厳しい夫に、「何より楽しく食事をすることが大切だよ」と諭すこともあります。そこでふと、そもそも食育とは何だろう、私は何を学んでほしいのだろうと考えることがあります。
政府は、食育とは「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる力を育むことと記しています。健全な食生活とは、主に、栄養バランスの良い食事、リズムの整った食生活といえます。この生きる上で必要な基本的なことをわざわざ学ばなければならないのは、食べ物があふれる裕福な暮らしになったからです。生きていくのにぎりぎりの食べ物しか手に入らなければ、食べ物を選択することすらできません。食べ物がなければ、そもそも決まった回数食事をすることもできません。
そんなふうに考えていたら、私が子どもたちに学んでほしいことはただ一つ。食べられるということへの感謝です。現在も世界には飢餓で亡くなる子どもたちがたくさんいます。それを思うと、お菓子ばかり食べて夕食を廃棄するなんてできるはずもありません。好き嫌いはしないでと言うのも、食事中に肘は突かないで、と怒るのも、全ては食を大切にする心を身に付けてほしいからです。この飽食時代の子どもたちに食べ物の大切さを伝えることはとても難しいことです。まずは大人が食への感謝を忘れなければ、「これ食べたくないからあれ買って」、そんな子どもの言葉につられそうになっても、踏みとどまることができるのではないでしょうか。そこから食育が始まります。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2019年5号

 

 

平成31年4月号

令和元年6月号

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