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知っ得コーナー(令和元年6月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】夏に強いスタミナ野菜 モロヘイヤ

園芸研究家 ●成松次郎

 

モロヘイヤは、暑いほど生育が旺盛な野菜。別名「シマツナソ」「タイワンツナソ」とも呼ばれるアオイ科の1年生植物で、主にエジプトを中心に北アフリカ、中近東で栽培されています。古代エジプトの王が病気になり、医師がモロヘイヤスープを飲ませるとたちまち全快したことから、「王様の野菜」と呼ばれていたそうです。カルシウム、β-カロテン、ビタミンBなどが豊富な野菜です。葉を刻むと粘りが出ます。ただし、子実には有毒物質を含むため、さやの付いた茎葉は食べてはいけません。
[品種]日本に導入されている品種は同系統と思われ、品種分化は見られません。「モロヘイヤ」として販売されています。
[栽培期間]じかまきでは、5月下旬から6月中旬に種まきし、収穫最盛期は7~9月です。
[畑の準備]畑に1平方m当たり苦土石灰100gを散布し、種まきの1週間前には化成肥料(N-P-K=10-10-10%)100gと堆肥1kgを施し、幅90cmの栽培床(ベッド)を作ります。
[種まき]発芽の適温は30度程度と高温のため、早まきしないこと。準備した栽培床に2条、条間50cm、株間30cmとして、1カ所4~5粒の点まきにします。なお、セルトレイで苗を作り、本葉4~5枚の苗を植え付けても良いでしょう。
[管理]間引きは2回に分けて行い、本葉4~5枚までに1本にします。草丈が60~70cmのとき、地面から40~50cmの高さで摘芯します。追肥は2~3週間置きに1平方m当たり化成肥料50g程度を施用します。茎が赤みを帯びてきたら肥料の不足です。また、十分に灌水(かんすい)すれば、柔らかい葉が収穫できます。
[収穫]収穫方法は、側枝に2~3節を残して、20cmくらいの先端葉を切り取ります。盛夏には2週間置きに収穫できます。なお、花は9月ごろから開花し、10月には結実(さや)します。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【ベランダでできるキッチンガーデン】リーフレタス(キク科アキノノゲシ属)

土壌医●藤巻久志

 

レタスが日本で本格的に栽培されるようになったのは、戦後の1946年に進駐軍が東京都調布に礫耕(れきこう:水耕栽培の一種)施設を作ってからです。当時の日本人は葉物を生で食べる習慣はありませんでした。下肥で栽培した葉物は非常に不衛生なので、化学肥料が普及するようになりました。化学肥料はお金で買うことから金肥ともいい、それで栽培された野菜は清浄野菜と呼ばれました。
レタスが一般家庭に普及した契機は、1964年の東京オリンピックです。映画『エデンの東』で見たレタスが、日本でも千葉県館山などに産地ができ、食卓に上るようになりました。1970年代になるとレタスを挟んだハンバーガーを食べるようになりました。
レタスは玉レタス、リーフレタス、コスレタス、茎レタスの四つに大きく分類されます。キッチンガーデンにはじかまきができ、病虫害にも強く生育が早いリーフレタスがお薦め。
日当たりの良いベランダに深さ15cm以上のプランターを置き、市販の培養土を入れます。条間15cmの筋まきをします。好光性種子なので覆土はごく薄くし軽く鎮圧します。種が流れないように、発芽するまでは霧吹きなどで優しく水やりします。
発芽したら細い物や徒長した物などを間引き、株間を15cmにします。水やりは朝にし、夕に土の表面が乾く程度に。追肥は1週間置きに1000倍の液肥を施します。
本葉10枚以上になったら、株ごと抜いて収穫するか、下葉からはさみで切り取りながら利用します。
リーフレタスは玉レタスより栄養価が高く、カロテンを多く含んでいます。生のままサラダにして食べるのが一般的ですが、炒め物、スープやみそ汁の具、チャーハンなどにしてもおいしいです。
リーフレタスはグリーンとレッドの品種があります。どちらも照りがあり美しく、波打つ葉形が面白いので、観賞用としても楽しめます。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

トウガン - 暑さをしのぐヘルシーな夏野菜

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

おふくろの味とは

食育インストラクター●岡村麻純

先日、私の友人が住むシンガポールへ遊びに行きました。4歳と1歳の子どもたちにとっては初めての海外です。そんな中一番不安だったことが子どもたちの食事です。友人によると、シンガポールの食事は特に癖もなく、日本人好みの物が多いとのこと。確かに、しょうゆで鶏肉を煮込んだ物や、焼きそばのような物など、日本食に似ていて食べやすい。それでも、子どもたちにとっては日本食とは違ったようで、あまり食べず、友人が自宅で作ってくれたおにぎりやパン、煮物などを食べていました。
そもそも人がおいしいと感じる要因にはその食べ物の味やにおいの他に、その個人が経験してきた特性や食べるときの環境も含まれることが分かっています。つまり、初めての海外旅行で外国の方に囲まれて食べる緊張感や、初めて食べる料理だという先入観がおいしいと感じる力を弱めてしまっている可能性があります。
しかしながら、日本のおにぎりや煮物を食べたがる子どもたちを見て、1歳の娘に関してはまだ離乳食を開始して1年ほどしかたっていないにもかかわらず、すでに食べ慣れている味、おふくろの味というものが確立しているのだなと感心しました。
このおふくろの味。何となく懐かしい味、ほっとする味にこの言葉が使われます。これは、幼い時期に自分が守られ、安心して食事をしていたときに食べた味に対して感じるといわれています。母乳に含まれるうま味成分ではないかとの話もありますが、日本においては、離乳食を開始した頃、おかゆや野菜のペースト、そしてそれをおだしで溶いた物をあげるのが一般的です。なので、やはりおふくろの味の正体は、おだしなのではと思います。
最終日にはかけうどんが食べたいと言いだした息子。毎日食べている昆布とかつおの混合だしがおふくろの味として身に付いているのだなと少しうれしくなりました。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2019年6号

 

 

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