JA鈴鹿

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知っ得コーナー(平成31年4月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】新鮮な味がたくさん取れるサヤエンドウ

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

栽培管理が楽で失敗も少ないサヤエンドウ。店頭では得られない新鮮さが魅力。家庭菜園にはぜひ取り入れたい野菜です。
カロテン含有量が多く、分類は緑黄色野菜。ビタミンC、食物繊維も豊富。使い道はサラダや汁の実、煮物にと広く、飽きずに重宝します。
育て方のポイントを列挙すると次の通りです。
(1)連作畑を避ける
(2)まきどきを誤らない
(3)冬に株が風で振り回されるのを防ぐ
(4)伸び出したつるがよく絡み付くようしっかりした支柱を立てる
サヤエンドウは野菜の中でも特に連作を嫌う性質があります。4~5年はエンドウを作ったことのない畑を選びます。
種まきの適期は10月20日前後を目安とします。寒い地域で早まきすると、大きく育ってから厳しい寒さに遭うことになるため、寒害を受けやすくなります。種袋の説明と地域の慣行をよく調べて決めます。
サヤエンドウは茎葉が柔らかく、越冬中に株が風に振り回され、茎が折れたり枯死したりしやすいので、草丈が15~20cmに伸びたら短い支柱を交差させて立て、株を固定したり、畝に沿って稲わらを半折りにし下方を土に埋め、簡易の風よけを作ったり、べた掛け資材で覆ったりして寒風から守ってやります。
越冬後草丈が20~25cmぐらいになる頃には巻きひげも出るので早めに支柱を立て、これに絡ませるよう、つるを誘引してやりましょう。
支柱材としては、細枝がたくさんつくササや、小枝がよく付いた木の枝が最適ですが、入手できない場合は木くいに横竹を渡し、所々に細わらをつるす方法、それらがなければ果菜用の支柱材を立て、横に3段ほどプラスチックひもを渡したり、キュウリの誘引ネット(網目15cm)を取り付けるなど、いろいろ工夫してみましょう。
肥料分は多くは必要ないので、前作に野菜を育てた畑なら、越冬前に畝に沿って軽く溝を作り、1株当たり化成肥料大さじ2杯ぐらい、本支柱を立てた後に、畝の反対側に同量を施し、土を盛り上げて畝を形作る程度で足りるでしょう。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【ベランダでできるキッチンガーデン】バジル(シソ科メボウキ属)

土壌医●藤巻久志

 

緑のピーマンは熟してくるとトウガラシのように赤くなります。赤いピーマンは青臭さが消え、甘くなり、栄養価も増します。
しかしなぜ、農家は赤いピーマンを出荷しないのでしょうか。それは熟すのに日数がかかり、青果は日持ちしないからです。緑のピーマンは開花後15~20日で収穫できますが、ピーマンが熟して赤くなるには60日くらいかかり、株への負担も大きくなります。パプリカ(大型ピーマン)のように肉厚ではないので、熟すとしなびやすくなります。
経済性よりも育てる楽しみを優先するキッチンガーデンでは、数個のピーマンを赤くしてサラダなどの彩りにしてもよいでしょう。子どもにも食べやすく、親子の会話も弾みます。畑でなくても、日当たりの良いベランダなら栽培できます。
熱帯アメリカ原産のピーマンはナス科でも最も高温性で、発芽適温も生育適温も25~30度です。キッチンガーデンでは発芽と育苗の高温を確保するのは難しいので、5月に苗を購入するのが一般的です。
10号(30cm)以上の鉢に市販の培養土を入れます。深植えにならないように苗を植え、倒れないように仮支柱を立てて軽くひもで縛っておきます。追肥は1週間に1度、1000倍の液肥を施します。
活着(根付くこと)すると1番花が咲き始め、側枝が伸びてきます。主枝と1番花のすぐ下から出てくる側枝2本を残し、他はかき取ります。仮支柱を50~60cmの支柱に換え、各枝を誘引します。果実が次々となるので、肥料切れにならないようにします。乾燥に弱いので、株元にわらやピートモスなどを敷いて、水やりを毎日します。
収穫ははさみで切り取ります。開花後20日を過ぎても外観は変化がないので、取り遅れないように注意します。ピーマンの和名は甘唐辛子で、トウガラシやシシトウも仲間。栽培方法も同じですが、肉詰めやみそ炒めに適しているのはピーマンです。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

ニンニク - 香りのパワーで疲労回復

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

おうちで楽しくドレッシング作り

食育インストラクター●岡村麻純

野菜好きのわが家の大人は、塩、こしょう、オリーブ油さえあればサラダは大満足。しかし、子どもは生野菜が苦手です。そこで、子どもにも生野菜を食べてもらいたいと、ドレッシング作りを始めました。
ドレッシングは、お酢と油を混ぜ合わせ、とろりとした状態です。このお酢と油をベースに、とっても簡単にさまざまな味のドレッシングを作ることができます。おしょうゆとおだしで和風味にしたり、梅干しを加えたり、かんきつ類の果汁を入れてフルーツのドレッシングにしたり、ショウガやニンジン、タマネギをすりおろして加えたり、砂糖や蜂蜜で甘味を足したり、大人用には、ゆずごしょうやワサビ、七味、マスタードなどを加えてぴりっとさせてもおいしくなります。使うお酢も、米酢やリンゴ酢、ワインビネガー、黒酢など、油も、オリーブ油にごま油、米油などいろいろな組み合わせができます。作り方も簡単。材料を容器に加えてシャカシャカ混ぜるだけ。このシャカシャカを子どもたちにやってもらえば、自分で作ったという気持ちも生まれて、喜んで野菜に掛けてくれます。
普段混ざり合わないお酢と油が混ざり合うことを乳化といいます。ドレッシングの場合は、しばらくするとまた水と油が分離してしまうので、食べる直前によく混ぜる必要があります。しかし、お酢と油を乳化させたマヨネーズは時間がたっても分離しません。これは、マヨネーズの中の卵黄が水と油が混ざり合うのを助ける役割をしているからです。マスタードにも同じように乳化を助ける力があります。マスタードを使い、油を最後に少しずつ加えて作る方法でクリームのようなドレッシングを作ることもできます。
ドレッシングを手作りすれば毎日違う味が楽しめます。そして何より、一緒に作ることで子どもたちもサラダに興味を示してくれることがうれしいです。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2019年4号

 

 

平成31年3月号

令和元年5月号

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