JA鈴鹿

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知っ得コーナー(平成31年3月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】形・色が多彩で楽しみ多いズッキーニ

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

ズッキーニはカボチャの仲間の「ペポ種」の一つで、つるなしカボチャの別名もあります。他に日本種、西洋種があります。近年消費が急速に伸びて知名度も高まり、今やすっかりおなじみの野菜となりました。主にはキュウリほどの大きさで若取りします。ゴルフボール大のかわいい球形果の品種もあり、バリエーションが豊富です。
種まきの適期は3月下旬からですが、種子は早めに準備しておきましょう。
苗作りは普通のカボチャに準じて、3号のポリ鉢に2粒まきし、本葉出始めの頃間引いて1本立てとし、本葉3~4枚になった頃に畑に植え出します。元肥に堆肥、なたね油かす、化成肥料を施し、畝間130~150cm、株間70cmぐらいに植え付けます。
雌花は短縮した茎に多く付き、開花後の肥大は早いのが特徴です。長形種は20cmぐらいになったら遅れずに収穫しましょう。通常開花後3~6日くらいで収穫しましょう。
多湿を嫌うので、畑の排水を良くするために、図のように短い支柱を、つるを挟むように交差させて立て、固定しましょう。
主な品種としては、長形緑色果の「ダイナー」(タキイ種苗)、「グリーントスカ」(サカタのタネ)、黄色果の「オーラム」(タキイ種苗)、「ゴールドトスカ」(サカタのタネ)、卵形果の「グリーン・エッグ」「ゴールディー」「ブラック・エッグ」(神田育種農場)などがあります。
炒め物、揚げ物、煮物など、さまざまな調理に向くズッキーニ。収穫遅れで大果になり過ぎた場合は、バーベキューにするとおいしくいただけます。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【ベランダでできるキッチンガーデン】バジル(シソ科メボウキ属)

土壌医●藤巻久志

 

ハーブという言葉が日本で多く使われるようになったのは、世界各国のレストランが大阪万博(1970年)に出店した頃からです。代表的ハーブのバジルもその頃から普及するようになりました。最もポピュラーなのは光沢のある葉のスイートバジルです。属名や和名のメボウキ(目箒)は、種を目に入れると寒天のような物質が出て目のごみを取り去るからだといわれています。
「イタ飯ブーム」(1990年ころ)の際、葉の緑色がイタリア国旗を象徴していると話題になりました。白色はチーズ、赤色はトマトのマルゲリータピザやカプレーゼサラダなどです。
熱帯アジア原産の多年草のバジルは、日本では越冬できないので一年草として扱われます。発芽適温も生育適温も20~25度ですから、種まきは遅霜の心配がない4月中旬以降です。畑がなくても、日当たりの良いベランダで栽培できます。
深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、20cm間隔で種を4~5粒ずつ点まきをします。好光性種子なので覆土はごく薄くし、十分水やりします。本葉2枚の頃に健全な苗を残して1本立てします。追肥は1000倍の液肥を1週間置きに施します。
本葉10枚ぐらいになったら、摘芯して脇芽を伸ばします。摘芯することによって、葉が多く出るようになります。
短日植物なので、7月中旬からシソに似た白い花を付けます。花が咲くと株が老化しやすいので、花穂は早めに摘み取ります。
順次葉を摘み取り収穫します。多めに収穫したときは乾燥や冷凍、ペーストにして保存し、香りを一年中楽しみます。
イタリア語ではバジリコ。ゆでたてのスパゲティに生のバジルの葉を刻んであえればバジリコスパゲティになります。さらにトマトを加えれば緑・白・赤のイタリアンカラーになります。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

フキ - 春を告げる香りと苦味

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

おやつはやっぱり干し芋、干し柿

食育インストラクター●岡村麻純

息子は幼稚園に入ってからさまざまなお菓子デビューをしました。その結果、おやつへの執着が強くなり、夕食をあまり食べなかったり好き嫌いをしたり、心配事が増えました。また、兄が食べていれば妹も同じものを欲しがります。しかし、1歳児にはまだ控えてもらいたい物もちらほら。そこで、家でのおやつの時間は干し芋や干し柿にすることに決めました。これならば、子どもも喜ぶ上に兄妹そろって楽しめます。
日本の伝統の干し芋、干し柿。干し芋は江戸時代から、干し柿は平安時代からあるといわれ、干し芋はサツマイモを蒸した物を、干し柿は渋柿を干して作られます。では、干すことで栄養は変わるのでしょうか。
干し芋も干し柿も、もともとは水分を多く含む野菜や果物です。その水分を干すことで2~3割にしています。水分がなくなると、水に溶けやすいビタミンCなどは減少してしまいますが、水に溶け出さない脂溶性のビタミンAやビタミンE、カリウム、食物繊維、鉄分などは、干して小さくなることで栄養も凝縮します。干し芋は、抗酸化作用があり生活習慣病や老化を防いでくれるビタミンEが豊富で、食物繊維の100g当たりの含有量は生のサツマイモの2倍近く、鉄分は3倍も多く含まれます。干し柿も、目や皮膚の粘膜を守るとされるビタミンAが生の柿の約3倍、食物繊維は9倍近く多く含まれます。
干すことで甘味も凝縮されるので、おやつにぴったりです。また干した物の魅力の一つにかみ応えがあるという点もあります。現代はかむ力の弱い子どもが増えているといわれますが、おいしいおやつならば一生懸命かんでくれます。よくかんでくれるので、少しの量で満たされてくれるのも魅力です。干し芋、干し柿の他にも、無添加のドライフルーツにすることもあり、「かめばかむほどおいしい味が出るよ」と子どもたちはうれしそうに食べています。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2019年3号

 

 

平成31年2月号

平成31年4月号

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