JA鈴鹿

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知っ得コーナー(令和5年6月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】トレビス 苗作りは十分な灌水を

園芸研究家 ●成松次郎

 

赤キャベツに似ていますが、レタスの仲間で結球レタスを小ぶりにした形です。特有の苦みと鮮やかな赤紫で、サラダに彩りを添えます。発芽と成長の適温は15~20度なので、夏と冬の生育は困難です。中間地では、種まき適期は8月で、収穫期は11、12月です。

[品種]
「ヴェネチア」(トキタ種苗)、「イノセント」(タキイ種苗)などがあります。

[苗作り]
小型ポットかセルトレーに1穴当たりに4、5粒ずつ種をまき、種まき後は新聞紙をかけ、強い日差しを避けるようにします(図1)。暑い時期で蒸散が盛んなため、たっぷり灌水(かんすい)します。本葉2枚までに1本になるように間引きます。本葉3、4枚までしっかりした苗を作ります。育苗中は、日よけのトンネルやよしずをかけて強い日差しを避けます。

[畑の準備]
畑1平方m当たり苦土石灰100gをまき、土とよく混ぜておきます。次に、植え付け1週間前に、幅90cm程度の栽培床(ベッド)に、元肥として化成肥料(NPK各成分10%)200g程度と堆肥2、3kgを施します(図2)。

[植え付け]
栽培床を平らにし、水分保持と雑草を抑えるためマルチフィルムを張ります(図3)。条間30cmでは3条、条間40cmでは2条とし、株間30cmに植え付けます(図4)。

[追肥]
1回目は植え付けの2、3週間後、2回目は球が巻き始めた頃に、それぞれ1平方m当たり30g程度の化成肥料を施し、株元に土を寄せておきます。マルチ栽培では1回目はマルチ穴に、2回目は栽培床の両側に施し、土を寄せておきます。

[病害虫の防除]
高温期にアブラムシなどが発生しますが、比較的病害虫は少ない野菜です。発生の多いときはモスピラン顆粒水溶剤を用います。

[収穫]
秋が深まり寒くなると、赤色が鮮やかになってきます。頭部を押さえて球が固く巻いてきたら、株元に包丁を入れて切り取ります。再度、包丁を入れて下葉を落として結球部を調製します(図5)。

 

 

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【野菜もの知り百科】ササゲ(マメ科ササゲ属)

土壌医●藤巻久志

 

ササゲとインゲンはよく似ていて栽培方法も同じですが、ササゲはマメ科ササゲ属で原産地はアフリカ、インゲンはインゲンマメ属で原産地は中南米です。ササゲの花は上を向いて咲き、インゲンの花は下を向いて咲きます。ササゲはインゲンよりも暑さと乾燥に強いので、盛夏に重宝されてきた野菜です。
ササゲの語源は、さやが最初は上を向いて、ささげ物をする手に似ているからという説が有力です。漢字では豆が少し角張っているので「大角豆」と書きますが、豆はそんなに大きくはなく、小豆と同じくらいの大きさの品種が多いです。
小豆もササゲ属で、あんこや汁粉などに利用されます。小豆は煮ると皮が破れやすく、腹が切れることは切腹に通じ、江戸時代の武士には忌み嫌われ、赤飯には皮が破れないササゲが使われました。現在でも関東地方では赤飯には小豆よりササゲを入れることの方が多いです。
小豆は子実を利用するので食用作物に分類されます。ササゲも子実を利用する場合は食用作物、若さやを利用する場合は園芸作物の野菜になります。大豆が食用作物、未熟な大豆であるエダマメは野菜、というのと同じです。
野菜のササゲの品種には、さやの長さが90cmにもなる「三尺ササゲ」や、豆が16個入る「十六ササゲ」などがあります。インゲンと同様に、つるあり種とつるなし種、丸さや種と平さや種があります。
調理方法もインゲンと同じで、煮物、炒め物、あえ物、みそ汁の具など幅広く利用します。野菜としてはタンパク質が多く、ビタミン類や食物繊維も豊富で整腸作用があり、コレステロール値を低下させます。
ササゲは平安時代に渡来して長い間栽培されてきましたが、野菜のササゲはスーパーでは見かけなくなりました。つるあり種を緑のカーテンで栽培すれば、食べることもでき、省エネにもなります。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

ブルーベリー - 抗酸化成分「ポリフェノール」の宝庫

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

元気な子どもに タンパク質をしっかりと

食育インストラクター●岡村麻純

わが家の子どもたちも小学生になりました。毎日走り回り元気いっぱいな小学生は、食べる量も大人顔負けです。実は、そんな運動大好きな小学生が不足しがちな栄養素として、一番に挙げられるのはタンパク質です。タンパク質は運動量によって摂取の推奨量が大きく変わる栄養素の一つで、スポーツをする子どもは意識的に摂取しなければ不足気味になってしまいます。
タンパク質はアミノ酸が集まってできた化合物ですが、このアミノ酸の中で、体内では生成できず食事から摂取しなければならないものを必須アミノ酸と呼びます。よく良質なタンパク質という言葉を耳にしますが、この良質とは必須アミノ酸がバランス良く含まれていることを表しています。必須アミノ酸が多く含まれる食品には卵、肉、魚が挙げられます。これらは動物性タンパク質ですが、同様に取りたいのが植物性タンパク質です。
植物性タンパク質は主に大豆製品に含まれますが、中でもわが家で大活躍しているのが、高野豆腐です。高野豆腐は必須アミノ酸をバランス良く含む上に、鉄分もカルシウムも多く子どもにぴったり。しかし、私は大好きですが、子どもたちは高野豆腐の煮物はあまり食べてくれません。そこで利用しているのが高野豆腐の粉末タイプです。この粉末タイプ、ハンバーグやつくねに混ぜたり、小麦粉の代わりに衣に使ったり、子どもたちが気付かないところにもたくさん利用できます。わが子のアレルギーがひどく、小麦粉を控えた際に使い始めた高野豆腐の粉末ですが、今では大切なタンパク質源として活躍してくれています。
子どもが必要なエネルギーのうち、おおよそ58%は糖質から、17%はタンパク質、残りを脂質から取るのが望ましいとされていますが、一般的に糖質、脂質からの割合が増えてしまいがちです。おなかをすかせたわが子が求める炭水化物だけでなく、タンパク質量も増やしていきたいと思います。


岡村麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2023年6月号

 

 

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