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知っ得コーナー(令和3年10月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】鳥獣害から菜園を守る

園芸研究家 ●成松次郎

 

サル、シカ、イノシシをはじめ、都市近郊の菜園でも、アライグマやハクビシンの被害が増えています。また、カラス、ハト、ヒヨドリなどの鳥害も日常的に起きています。


[防鳥ネットとテグス]

網目が小さいほど防鳥効果が高く、ヒヨドリでは30mm以下、カラスでは75mm以下を用います。被害を受けやすい野菜にはトンネル状や浮き掛け状に覆うのが効果的です。また、防虫用のネット資材(寒冷紗〈しゃ〉など)を流用するのも有効です。
カラスは翼が障害物に触れるのを嫌うためテグスを縦横に張り巡らします。カラスの翼長(両方の翼を開いたときの長さ)は1m程度になるので、これより狭く張ります。

[べた掛けで種を守る]
豆類などの大きい種はカラスやハトの格好の餌になり、種まき後、本葉が出るまでが被害に遭いやすいので注意が必要です。べた掛け資材は本来の発芽促進、虫害の予防などに加えて防鳥効果も期待できます。

[ネットや柵で目隠しをする]
イノシシには餌になる野菜が見えないようにトタンなどの柵で菜園を目隠しします。高さ1m程度の柵では簡単に跳び越えてしまいますが、柵の前にネットなど足に絡む物を配置して、踏み切り位置を遠くすると良いでしょう。

[電気柵の利用]
電気柵には高電圧の電気が流れ、これに触れた獣類はショックを受けて退散します。ハクビシンは小型のため、電線の下をくぐり抜けないよう、できるだけ低く張ります。電気柵の漏電を防ぐために、除草するなど定期的な管理が大切です。

【野菜もの知り百科】シカクマメ(マメ科シカクマメ属)

土壌医●藤巻久志

 

30年前の日本では、沖縄県民以外のほとんどはシカクマメの存在を知りませんでした。近年は秋になると直売所に不思議なサヤのシカクマメが並ぶようになりました。
シカクマメといっても豆が四角形なのではなく、サヤの断面が四角形なのです。サヤの四方に翼状のひだが付いているので、英名はウイングドビーンです。沖縄ではうりずん豆といいます。うりずんは春分から立夏までの新緑の季節を意味します。
原産地はパプアニューギニア説と東アフリカ説があります。熱帯地方原産で短日性なので、寒冷地で夏秋の日が長い北海道や東北地方での栽培は難しいです。
本州で栽培されているシカクマメは短日性が強い品種が多く、それらは10月にならないと本格的に開花結実しません。シカクマメと同じ5月に種まきしたインゲンマメはとっくのとうに収穫を終えています。今は日長に鈍感な品種も普及するようになりました。
サヤを利用するのが一般的ですが、南太平洋や東南アジアの国々では地下部の芋も食べます。芋を太らせるために、サヤが付かないよう花も摘んで食べてしまう地域もあります。
マメ科野菜はソラマメやササゲなど花がきれいな品種が多いです。特にシカクマメの花は人を引き付けます。野菜では珍しい水色の花です。
シカクマメは花も実も楽しめ、栽培期間が長いので、緑のカーテンに適します。病虫害に強く、無農薬栽培が可能です。プランターで支柱を立てて簡単に栽培できます。
世界にはサヤが紫色の品種や、長さが30cm以上になる品種もあります。日本で流通している品種は色が淡緑色で、長さ10~15cmで収穫します。取り遅れるとサヤが堅くなり、品質が低下します。
新鮮で柔らかいサヤを天ぷらやおひたしなどにします。小口切りにしてサラダに散らしたり、スープに浮かすのも美しくて面白いです。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

トレビス - 特有の苦味と美しい赤紫色が持ち味

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

毎日の乳製品

食育インストラクター●岡村麻純

息子が先日けがをして、足の骨にひびが入りました。牛乳嫌いの息子に「牛乳を飲まないからカルシウム不足では?」と言うと、「ヨーグルトは食べているよ」と返答。わが子2人は食の好みがバラバラで、娘は牛乳やチーズ、バターが大好きですが、ヨーグルトは苦手。一方息子は、牛乳は飲みませんが、ヨーグルトが大好きです。
牛乳を加工して作られる食品は、ヨーグルト、チーズ、バターにクリームなどさまざまです。クリームは牛乳から乳脂肪以外の成分を除去して作られるもので、そのクリームを攪拌(かくはん)して塊として練り上げたのがバターです。バターやクリームは脂質が多くなり、食べ過ぎは注意です。チーズは牛乳に乳酸菌を加えてからレンネットを加えて凝固させたものです。栄養も凝縮され、カルシウムも気軽に摂取できますが、種類によっては塩分が気になります。ヨーグルトは牛乳に乳酸菌を培養して作る発酵乳で、牛乳の持つ栄養素に加え、乳酸菌の機能も加わり、牛乳に比べて消化性や吸収性が増します。さらに発酵乳はビタミンBを安定して摂取できる魅力もあります。
そんなわけで、息子の訴え通り、無理して牛乳を飲むのではなく、無糖のヨーグルトに果物をのせて、毎朝食べるという結論に至りました。骨の生成にはカルシウムだけでなく、キノコ類に多く含まれ、日光浴により体内でも作られるビタミンDや、納豆やホウレンソウに含まれるビタミンKも必要であることも説明しました。
好みがバラバラな2人の食事には苦労しますが、毎日乳製品を取れていたらそれでよし。ピーマンは食べなくても、この野菜は食べているね、次はもう一つ食べられる野菜が増えるといいね、くらいの考え過ぎない前向きな気持ちで、子どもたちの好き嫌いと向き合っていきたいと思います。


岡村麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2021年10月号

 

 

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