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楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –
【あなたもチャレンジ!家庭菜園】 ハクサイ よく締まった大球に育て上げるコツ
板木技術士事務所 ●板木利隆

(1)まきどき。早過ぎると暑さのための生育不良や病害発生など、遅れると花芽が分化し葉の枚数増加が止まるまでの日数不足(15度以下の気温で花芽が分化)から、球の肥大不良になってしまいます。種まきの最適期は品種による違いも若干あるので、種子の入手の際によく確かめて決めてください。
(2)苗作り。128穴のセルトレイを用いるのが便利です。育苗専用のピートモスを多く含んだ用土を、各穴に均一に詰め、軽く指先で押さえて確認し、セルの仕切りが見えるようにすり切り、たっぷり灌(かん)水してから種子を1穴当たり4~5粒まきます。ふるいで均一に覆土してもう一度軽く灌水し、新聞紙を2枚重ねて覆い、乾いたら上から灌水します。3~4日で発芽するので、遅れずに新聞紙を取り除き、晴天なら朝夕2回灌水し、育つにつれて間引き、1本立てにし、20日ほどで本葉3~4枚の苗に仕上げます。
(3)元肥入れと植え付けの初期管理・追肥。ハクサイは多肥を好むので、元肥には良質の完熟堆肥と有機配合、油かす、化成肥料を多めに施します。ハクサイの根系は浅く広く分布する性質があるので、元肥はベッド全面にばらまき、20cmの深さによく耕し込むのが合理的です。
苗は1カ所に2株植え付けましょう。残暑や強い風雨のとき、1本植えよりも初期生育が順調に進み、害虫の被害などによる欠株も生じにくいからです。活着し、本葉7~8枚になり競合してきたら生育の良い方1本を残して、他ははさみで切り取ります。
追肥は植え付け2週間後に第1回目を、その後半月に1回ぐらい施し、どんどん生育を促します。結球開始のころには畑全面がハクサイ葉で覆われ、地面が見えなくなるぐらいの生育ぶりにしたいものです。
(4)病害虫の防除。苗床のころからアブラムシ、コナガの幼虫、ヨトウムシなどにやられやすいので、早期発見に努め、薬剤散布を行いましょう。育苗時から定植後しばらくの間は、べた掛け資材、防虫ネットなどの被覆による飛来回避も有効な手段です。
四季の花づくり 暑さの中、種まきには一工夫を
●早川 京子
真夏の日差しに当てられ、花壇の土から水分が急速に奪われていきます。午前中にたっぷり灌(かん)水をしておきましょう。それでも、日中には草花は葉を垂れる姿になりますが、夕方にはピンとしてきます。
10月咲きの菊は茎を伸ばし、日長が13時間以下になると花芽分化を始めますので、つぼみが顔を出すのに備えて、支柱を立てておきましょう。ただ、開花まで2カ月くらいありますので、追肥は8月末までやります。また、11月開花の大菊(鉢植え)は、支柱を立てる他、脇芽が伸びてくる時期ですので、一番上のつぼみ(心蕾=しんらい)の下にできる脇芽3芽を取り除き、4番目の脇芽は心蕾の不測の事態に備えて、予備として残しておきます。
サルビア、ダリア、マリーゴールド、早く咲かせたコスモスなどは今月初めに、草丈を3分の1くらいに切り返しておきます。秋にもう一度良い花を咲かせてもらうためです。
デージー(ヒナギク)、パンジーは8月中にまけば、12月から花が咲きます。この種まきのころは気温が大変に高いのと、いずれも種子が細かいので、ちょっとした気配りをしてやりましょう。種まき床に上からじょうろなどで水を掛けると、流れたり跳ねたりし、さらに一塊になったり散逸してしまうので、種子を鉢にまいて、水を張った洗面器やたらいなどに漬けて、鉢底から水を吸わせましょう。また、鉢は涼しい風通しの良い場所に置いて、発芽まで新聞紙を掛けて、直接雨が当たらないようにします。土が乾燥するようであれば、鉢底から灌水します。発芽したら新聞紙は取り、光が当たるようにします。苗が込み合うようになったら、根を大切に、丁寧に植え広げ、さらに込み合うようになったら、定植します。
ベジフル歳時記・野菜のルーツ – 身近な野菜のルーツをご紹介します –
8月31日は野菜の日
野菜ソムリエ ●KAORU
楽しいイベントが目白押しの夏休み。一方、体調不良に陥りやすいとき。気温が高く、蒸し暑い日が続くと、体力が奪われ食欲がなくなる子どもたちも。体調管理には気を配りましょう。
体調管理の基本はやはり食生活。まずは一日3食しっかり時間を決めて食べること。必要な栄養素を摂取するだけではなく、規則正しい生活リズムを保つことにつながります。夜更かしや朝食抜きを習慣にしないことが大切です。そして、小まめな水分補給を心掛けること。喉が渇く前に水や麦茶などで少しずつ取るとよいでしょう。特に気を付けたいのが食事の内容。喉越しの良い麺や冷たいものばかりでは、代謝も鈍くなり、疲れやすくなる傾向が。肉・魚・卵などのタンパク質も毎食加え、主菜をしっかり食べましょう。その上で重要なのは夏野菜をたっぷり食べること。夏の太陽を浴びて育った旬の食材は、その過酷な環境に打ち勝つために必要なビタミンやミネラル、食物繊維などが多く含まれ、体の調子を整え、免疫力をアップし、スムーズな疲労回復をサポートしてくれます。夏野菜には水分を豊富に含むものが多く、水分補給の役割も。つまり夏野菜はこの時期の健康を守る栄養成分の宝庫なのです。
近年の研究では色や香りの成分は健康な体づくりに役立つといわれ、これらは『ファイト(フィト)ケミカル』と呼ばれています。大きな特徴はその強い抗酸化力。ピーマンやゴーヤーなどの緑、トマトやスイカなどの赤、トウモロコシやカボチャなどの黄、ナスやブドウなどの紫などさまざまな彩りの野菜・果物を取り入れた料理は、見た目が鮮やかで食欲をそそるだけではなく、多くのファイトケミカルを摂取でき、体への相乗効果も期待できます。
8月31日は「野菜の日」です。夏野菜をおいしく食べて心も体も健やかに。
豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –
新鮮食材で楽しくクッキング① 夏野菜とイカのピリ辛炒め
料理研究家 ●波多野充子
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■材料(2人分) 1食当たり約407kcal
スルメイカ ……………………… 1杯 |
■ 作り方
夏場が旬のスルメイカと野菜を、サッと炒め合わせて作るピリ辛なおかずです。暑くて食欲がないときにも、ご飯やビールが進んでしまううれしいメニュー。イカは炒め過ぎると硬くなりますので、手早く仕上げましょう。豆板じゃんの量で、お好みの辛さに調整してお召し上がりください。 |
新鮮食材で楽しくクッキング② イタリアンそばサラダ
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■材料(2人分) 1食当たり 約504kcal
ゆでそば …………………………… 2人前 |
■ 作り方
おそばにたっぷりの生野菜とポーチドエッグを載せ、フレッシュトマトソースでいただく、暑い日にピッタリな一品です。2種のトマトが甘味と酸味を引き出し、とろーり卵がおそばによく絡み、こくをプラス。いろいろな野菜をトッピングしてお召し上がりください。 |
ベターホームのお料理教室
ネバネバパワーで夏バテ対策! - オクラ –
鮮やかな緑と、とがった形、切ったときのネバネバが特徴のオクラ。
ネバネバの秘密は食物繊維のペクチンと、糖とタンパク質が結び付いたムチンという成分です。ペクチンにはコレステロールや血糖値を下げる働きや整腸作用があり、ムチンには胃の粘膜を保護する働きや、タンパク質の消化を促進する作用があります。これらの栄養素が、暑さで弱ってしまった消化器の働きを助け、夏バテを予防します。カルシウムや、抗酸化作用があり老化防止に役立つカロテンなども多く含まれる緑黄色野菜です。
選ぶときは、緑が濃く張りがあって、黒ずんでいないものを選びましょう。生のままでも食べられますが、あえ物などに使うときは堅いので、さっとゆでると食べやすくなります。独特の歯応えを生かした炒め物や、軟らかく煮てもとろみが出ておいしく仕上がります。
調理するときは、堅いがくの角を包丁でぐるりとむき、頭の部分を少し切り落として使います。料理によってはがくごと切り落としてしまってもよいでしょう。産毛は口に障るので、気になる場合は塩でもんでから洗って落とします。ゆでる際は、塩を洗い落とさずに沸騰した湯で手早くゆでます。色が悪くなったり栄養素が流出しやすいので、加熱し過ぎないように注意しましょう。
乾燥と低温に弱いため、保存はポリ袋に入れて野菜室へ。さっとゆでて小口切りにしたものを冷凍しておいても便利です。切り口の星形が汁の実や彩りになるので、料理がかわいらしくなります。
RECIPE オクラとトマトの煮びたし
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■材料(2人分) 一人分約41kcal
オクラ ……………………………… 1袋(100g) |
■ 作り方(調理時間 15分) ※冷やす時間は除く
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出典:JA広報通信2014年7月号
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