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楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –
【あなたもチャレンジ!家庭菜園】 野菜の短距離選手、ジャガイモ作りの要点
板木技術士事務所 ●板木利隆

種芋を植え付けてから、わずか3カ月余りで、その十数倍以上もの芋が収穫できる、野菜で1番の短距離選手です。
栽培に当たってまず大切なことは、健全な種芋の確保です。種芋として売られているもの、休眠から覚めて適度に芽が伸び始めているものを早めに手配し、確保します。
品種はかつての「男爵」「メークイン」などだけでなく、用途別・食味・色・形など大変にぎやかになってきました。種苗会社のカタログ、店頭に並ぶ品種から自分好みのものを選びますが、「食べ比べ品種セット」や「インカ3兄弟」といった数種類を組み合わせたセットも楽しみです。栽培のポイントは(1)種芋の切り方、植え方、(2)芽の整理、(3)追肥の土寄せ、(4)収穫適期の判断、などです。
(1)の種芋は、図のように切り植え付けます。昔は切り面に草木灰などをまぶしていましたが、効果は曖昧なので、特にその必要はありません。
(2)は、たくさん出た芽をそのままにしておくと、本数が多過ぎ、小粒の芋になってしまうので、2本残して他はかき取ります。その時期は草丈16cm内外のころ。早く整理し過ぎると、晩霜害に見舞われたときに枯れてしまうので危険です。
(3)は、草丈が12~15cmに伸びたころ、遅れずに畝の片側に追肥(1株当たり化成肥料小さじ1程度が目安)し、同時に10~15cmほど土寄せしておきます。少ないと芋が地上に出てしまい品質を損ねます。マルチの場合には、植え付け時に覆土を多くして後から土寄せを省く方法もありますが、深植えは地温上昇効果が劣るので、小面積ならこの時期にマルチをめくり土を寄せ、覆い直しておきましょう。
(4)の収穫は、茎葉が自然に枯れ上がってきたころが適期です。できるだけ晴天の土が乾いている日を選びましょう。多湿状態では芋が腐敗しやすくなります。
もっと早く、探り掘り収穫するのも家庭菜園の楽しみです。この場合、日にさらすとすぐ緑化してしまうので、食べる分だけにしましょう。
四季の花づくり 菊の芽数を増やす
●早川 京子
気温の上昇がはっきり感じられる時期になってきました。秋にまいて育ててきた苗は、伸び具合が目に見えるほどになりますので、間引きするか、植え広げて丈夫な苗に育てて、先月から準備しておいた花壇に植え付けましょう。
春まき草花の種まきは、ソメイヨシノの咲くころを目安にします。高温を好むアサガオ、ハゲイトウなどの種まきは4月下旬から5月に入ってからでもいいでしょう。花壇など植え付け場所は、3~4週間前には、打ち起こし、消石灰を散布して土を中和し、元肥施用などして準備をしておきます。
植え付け後3年以上たった宿根草の株分けや移植も彼岸過ぎがよいでしょう。植え付け場所は、できるだけ元の場所は避け、有機質を十分に入れ、ゆっくり、長く栄養分を供給できるようにしましょう。植え替えしない宿根草には、株の周りに浅い溝を掘って、肥料を施します。
球根の植え付けは、多くの地域で4月上中旬にしますが、屋外よりはるかに暖かい室内で鉢に植え付け、早く発根、芽出しをさせてから、花壇に植え付ければ、早く花が見られます。この手法は、種をまく草花にも応用できます。
菊の挿し芽は4月からが適期になります。このため、挿し芽の1カ月くらい前に、親株の摘心をしておきます。芽の数を増やすためです。晩秋から春先にかけて出てきた、いわゆる冬至芽を利用するなら、今月上旬に、移植こてなどを使って、地中の発根部を付けて切り取り5~6号鉢に移植しておきましょう。そのまま育ててもよいし、摘心して1カ月後くらいに挿し芽すれば、株を増やすこともできます。
ベジフル歳時記・野菜のルーツ – 身近な野菜のルーツをご紹介します –
ひな祭り
野菜ソムリエ ●KAORU
3月3日は「ひな祭り」。「桃の節句」「上巳(じょうし)の節句」とも呼ばれ、ひな人形を飾り、女の子の健やかな成長を願います。ひし餅、ひなあられ、白酒、ちらしずし、ハマグリのうしお汁など、お祝いのごちそうも楽しみの一つ。春の訪れを感じる華やかな彩りの行事食に私たちの心も躍ります。
ひし餅といえば白・緑・桃色が重なったひし形のお餅。春らしいパステルカラーはまさにひな祭りのイメージそのものです。実はこの3色にはそれぞれ意味があるといわれています。白色は血圧を下げる効果が期待できるヒシの実が入り、子孫繁栄、長寿、純潔を表します。緑色は強い香りで厄よけ効果があるとされてきたヨモギで、健やかな成長を願うもの。桃色(赤)は解毒作用のある赤いクチナシの実が使われ、これは魔よけの色。どの色にも、子どもが健康で元気に育ってくれるようにとの願いが込められているのです。
この3色は白・緑・桃色(または緑・白・桃色)と順番に重ねられ、「白い雪の中には緑の新芽が芽吹き、桃の花が咲いている」という春の情景を表現しています。さらに菜の花を表す黄色などを加えたり、カラフルに5色で展開されたりと現在ではいろいろです。
ひし餅の歴史をさらに探ると、もともと古代中国の上巳節で食べていた母子草(ハハコグサは春の七草の一つゴギョウ)のお餅で、それが日本に伝わったのだとか。母子草には母と子が健やかであるようにとの願いが込められていましたが、日本では母と子をついて餅にするイメージを嫌ったため、代わりにヨモギが用いられるように。最初は緑1色だったものが、江戸時代には白い餅との2色に、続いて明治時代には桃色の餅が加わり3色となりました。
伝統的な行事食もその裏側に隠れたストーリーを知って食べると、おいしさや感動もいっそう増して、すてきな思い出になるでしょう。
豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –
新鮮食材で楽しくクッキング① ひじきと切り干し大根のサラダ
料理研究家 ●波多野充子
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■材料(3人分) 1食当たり約99kcal
芽ひじき ………………………… 15g |
■ 作り方
乾物はビタミンやミネラルが豊富で、いつでも使えて便利です。ひじきは海藻の中でミネラルが豊富に含まれ、免疫力をアップしてくれます。せっかくのミネラルが減少してしまうので、戻すときやゆでるときは短時間にしましょう。切り干し大根は体の奥にたまった油分なども排出してくれます。天日干しのものを用い、戻し汁も良いだしになるので使いましょう。 |
新鮮食材で楽しくクッキング② お楽しみトースト2種
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■材料(1人分) 1食当たり 写真左…約227kcal 写真右…約215kcal
パン …………………………… 各1枚 |
■ 作り方
写真左のパン
写真右のパン
緑色の温野菜が盛りだくさんのチーズトーストとリンゴの甘味が引き立つアップルトースト。簡単・欲張りトーストです。 |
ベターホームのお料理教室
香りが命。胃もたれを防ぎ、ストレスを解消します - ミツバ –
ミツバの爽やかな香りの成分には、胃もたれを防いで食欲を高めたり、神経の興奮を鎮めて、ストレスを解消する働きがあります。
ミツバは、栽培方法によって品種が分けられます。スポンジ付きのもので、水耕栽培され、一年中出回っている「糸ミツバ」、光をさえぎって育て、根元で切って収穫される「切りミツバ」、土寄せして葉が出たら根ごと収穫、出荷される「根ミツバ」があります。根ミツバは春が旬で、香りが強く、しゃきしゃきとした歯触りが特徴です。根もよく洗って、きんぴらにして食べられます。
ミツバはビタミンA(カロテン)が多く、緑黄色野菜に分類されます。血圧を調整する働きのあるカリウムも豊富です。
切りミツバ、糸ミツバ、根ミツバの順に、茎が太く堅く、香りも強くなるので、さっとゆでて使ったり、薬味には、切りミツバや糸ミツバ、炒め物には、根ミツバがお薦めです。お吸い物、茶碗蒸しに載せて、彩りにする他、あえ物やおひたし、天ぷらにして香りを楽しみます。炒め物や蒸し物など加熱するときは、時間を短くし、食感を残して、香りを生かすのがポイントです。
選ぶときは、葉の緑色が鮮やかで、全体的に茎に張りがあり、みずみずしいものを。香りを生かすため、できるだけ1回で使い切りたいですが、残ったときは、乾燥するとしおれて香りがなくなるので、スポンジ部分に水を含ませたり、水でぬらしたキッチンペーパーに包んでビニール袋に入れ、冷蔵庫で保存して、1~2日で使いましょう。(写真左から切りミツバ、糸ミツバ、根ミツバ)
RECIPE 根ミツバとアサリの酒蒸し
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■材料(2人分) 一人分約33kcal
根ミツバ※ …………………………… 1束(250g) ※糸ミツバ、切りミツバで作るときは、160g
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■ 作り方(調理時間 15分 ※アサリの砂抜き時間は除く
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出典:JA広報通信2014年2月号
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