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知っ得コーナー(平成27年12月号)

[楽しい園芸] [野菜のルーツ] [豆知識&簡単レシピ] [食の健康百科] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】越冬後のイチゴの管理

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

p25_12saien_4c秋に植え付けた露地栽培のイチゴは、冬の本格的な寒さの下で体を縮めて休眠状態に入っていましたが、厳寒期を過ぎるころ(関東以西の平たん地では2月上旬)から、にわかに新葉が勢いづいてきます。
このころ、株元付近の枯れかかった葉を、付け根からかき取り、きれいに整理し、畑が乾いていたらたっぷり灌水(かんすい)し、畝の肩に化成肥料と油かすを1株当たり各小さじ1杯ほど施し、通路の土をかぶせ畝の形を整えておきます。イチゴの根は肥当たりしやすいので、株のすぐ近くに肥料をまいたり、肥料を大きく耕し込み、根を傷めないように注意してください。
追肥した後で、図のように黒色のポリエチレンフィルムのマルチをします。マルチングすることにより、それから開花、肥大してくる果実に、雨で土が跳ね上がるのを防ぐとともに、地温上昇を図り、雑草を抑止し、さらに地面からの水分蒸発を抑えて乾燥を防ぎ、肥料の流亡や土の固結を防ぐなど、さまざまな効果が期待できるのです。
マルチの手順としては、育っているイチゴの上にフィルムを覆い、風で飛ばされないように、周囲の裾に土を掛け足で踏み付けておきます。そして、イチゴの株で盛り上がっている位置のフィルムに、刃物で切り目を入れ、イチゴの葉を傷めないように丁寧に、全ての葉をフィルム上に出してやります。株元が大きく破れたらその部分を土で押さえておきます。また株間に一握りの土を置き、風によるばたつきを防ぐようにしましょう。
この他に、イチゴの収穫時期を早めたい場合には、同時に市販の骨材を立て、フィルムをトンネル状に覆ってやります。これにより収穫を約20日ほど早めることが可能です。トンネルの裾には土を掛け風で飛ばされないようにしておきますが、日中の気温が30度以上に上がらないよう、頂部に穴を開けるか、所々裾を上げて換気をすることを忘れないでください。
マルチもそうですが、このトンネル掛けも、あまり早く行い過ぎると、咲いた花が低温に遭い、黒変枯死してしまうので、適期を守ることが大切です。
イチゴが春を感じ、盛んに伸び始めてくるとナミハダニやアブラムシ、アザミウマ、輪斑病、じゃのめ病などの病害虫が発生しやすくなるので、早めに適応薬剤を正しい使用法で散布して被害を防ぎましょう。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

この時期、年間計画に思い巡らせよう

●早川 京子

 

p26_12hana_4c秋まきで育ててきた苗物には水やりをしますが、まだ地上部に顔を出していない球根類も、土の中では盛んに根を活動させていますので、水やりを忘れないように。土の表面が白く乾いてきたら、たっぷりとやっておきます。午前中の気温が上がるころに、やっておくのがよいでしょう。
真冬の花壇の作業はそれほど多くはありません。この時期に花壇の土の若返り作業と今年の花壇づくりの構想を練っておくのはどうでしょうか。
花壇の若返り作業は、春咲き草花の苗や球根などの植わっていない、空いた花壇を深く打ち起こすものです。深さ30cmほどにスコップやくわで深い所の土を掘り起こし、表面の土をひっくり返して下層にしてやるのですが、かなりの重労働ですから、作業の少ない時期に、少しずつ進めたいものです。こうすることで、下層の土が冬の風雨にさらされて酸素を含み、また土中に潜んでいる病害虫に太陽光を当てて、密度を減らす効果も狙います。天地返しとか寒ざらしともいいます。打ち起こした後は、消石灰をまいておきます。酸性土壌の矯正のためです。雑草の根は取り除いておきたいのですが、土そのものは、このまま置いておいて、次の種まき作業、定植作業の準備のとき、細かく砕きます。
花壇づくりの構想を練っておくと、適期の作業実行に役立ちます。これも比較的暇なときにやっておくとよいでしょう。何月にはこの花、翌月にはあの花という、およその開花期を並べて、年間の花暦を作り、種まきどきを添え書きしておいて、園芸店やJA、また、種苗会社の通信販売で種子を求めて用意すれば、作業が遅れずに進められるでしょう。
菊は、霜よけをする、好天の日中にはよく日に当てるなどの冬至芽の管理が中心ですが、水不足で枯れることがありますので、十分な水やりが大切です。

ベジフル歳時記・野菜のルーツ – 身近な野菜のルーツをご紹介します –

1月15日は「いちごの日」

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 

p26_12vegefru_4c全国いちご消費拡大協議会が「115=いいいちご」の語呂合わせで制定したのが始まりです。もともと露地栽培が主流だった時代は、イチゴの旬は春から初夏でした。しかしハウス栽培が増えたことで今では秋から出回り、クリスマス需要も重なる12月にはずらりと店頭に並びます。そして1月中旬は出荷も本格化するころ。まさに現代の旬を考えるとイチゴの記念日としてはぴったりの時期なのです。
赤くて見た目にも元気をもらえるイチゴは、冬のパーティーシーンを華やかに彩る食材として大活躍ですが、実は体にうれしい成分も豊富に含んでいます。特にビタミンC、葉酸、食物繊維が多く、ビタミンCは5~6粒食べれば成人の1日の目標摂取量がカバーできるほど。免疫力が落ちて風邪をひきやすい寒い季節には積極的に取りたい栄養素で、生のまま食べると効率的に摂取できるのも魅力です。
デリケートで鮮度劣化も早いため、風味や香り、栄養価を期待するなら早めに食べるのがお勧めですが、すぐに食べ切れないときにはへたを除いて冷凍保存を。凍ったまま牛乳やヨーグルトとミキサーにかければ簡単にジュースの出来上がり。ジャム作りにも解凍せずに利用できます。
かつては、西の「とよのか」、東の「女峰」ともいわれ、人気品種が二分されていましたが、今は各都道府県に一押し品種が存在するほどバラエティーに富んだ品種が登場。味わいや食感、見た目も個性があり、好みの品種を選べることも楽しみの一つです。なかでも近年話題になった白いイチゴは、赤いというイチゴの概念を覆した新品種。今後も新しいイチゴが登場するかもしれませんね。

豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –

新鮮食材で楽しくクッキング① サケのエスニック炒め

料理研究家 ●波多野充子

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■材料(2人分) 1食当たり約343kcal

 

生サケ ………………………………… 2切れ
タマネギ ……………………………… 1/2個
ピーマン ………………………………… 2個
シメジ …………………………… 1/2パック
ギンナンの水煮 ……………………… 20粒
ニンニク ………………………………… 1片
ショウガ ………………………………… 1片
ココナツ油(なければごま油) … 大さじ1
調味料
 酒 ………………………………… 大さじ2
 みりん …………………………… 大さじ2
 しょうゆ ………………………… 大さじ1
 酢 ………………………………… 大さじ1
 オイスターソース ……………… 大さじ1
 かたくり粉 …………………… 小さじ1/2

■ 作り方

  1. サケは皮を除き3~4等分にする。塩、こしょう、酒少々を振る(いずれも分量外)。
  2. タマネギ、ピーマンは大きめに切り、シメジはばらしておく。ニンニクは太千切り、ショウガは千切りにする。
  3. フライパンにココナツ油とニンニクを入れ、油が温まったらサケを並べ、身を崩さないように両面を焼きいったん取り出す。
  4. (3)のフライパンでタマネギが透明になるまで炒め、シメジ、ショウガ、ピーマン、ギンナンの順に炒める(油が足りなければ加える)。
  5. 調味料を混ぜ合わせ(4)に入れ、全体に絡めながらサケを戻し入れる。

手軽な食材をココナツ油とオイスターソースでエスニック風に仕上げます。サケの身は崩さないように、一度焼いてから最後に戻します。かたくり粉を溶いた調味料を入れたら、焦がさないように手早く炒め合わせましょう。

新鮮食材で楽しくクッキング② レンコンとカキのすり流し(餅入り)

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■材料(2人分) 1食当たり 約275kcal

 

レンコン ……………………… 160g
カキ …………………………… 6個
サヤインゲン ………………… 6本
ミニトマト …………………… 2個
餅 ……………………………… 2枚
ユズの皮 ……………………… 少々
だし汁 …………… 2・1/2カップ
酒 ………………………… 大さじ1
白みそ …………………… 大さじ1
しょうゆ ……………… 小さじ1/4
塩 ……………………………… 適量
こしょう ……………………… 適量
バター ………………………… 8g

■ 作り方

  1. カキはよく洗い水気を切る。
  2. ミニトマトは小さく切る。インゲンはサッとゆで2つに切る。だし汁(4)を使うと簡単。餅は焼く。
  3. レンコンは皮をむき、2~3mm厚さの輪切り4枚に切り、他はすりおろす(すぐに調理すればあく抜きは不要)。
  4. 鍋に酒、しょうゆを加えただし汁に、すりおろしたレンコンを加えトロッとしたら白みそを加える。
  5. フライパンにバターを入れ、輪切りのレンコンとカキを塩、こしょうでソテーする。
  6. (4)の鍋に焼いた餅、(5)のレンコンとカキを焼き汁ごと加え、塩味を調整する。
  7. 器に盛り付け、ゆでたインゲン、トマト、ユズの皮を添え、お好みでこしょうを振る。

すりおろしレンコンのトロリとしたお汁は、風邪の予防やせき止めの効果もあり体がポカポカ温まります。栄養満点のカキはバターでソテーし、お汁にこくと風味をプラスします。そのままスープとして、またお餅を入れてお雑煮の新バージョンとしてお楽しみください。

ベターホームのお料理教室

カリフラワー

タレント・食生活アドバイザー●岡村麻純

p34_12カリフラワーはキャベツやダイコンと同じアブラナ科の野菜です。私たちが普段食べている白い部分は花のつぼみです。
カリフラワーをゆでるとき、小麦粉と酢、さらに食塩を入れると良いとされています。小麦粉はあくの成分を吸着してくれます。さらに小麦粉を入れることで沸点が高くなるため早くゆで上がり、ビタミンCの流出を抑えてくれます。また、カリフラワーの薄い色はフラボノイドという色素です。このフラボノイドは酸性のときに白い色になるので、レモン汁や食酢を入れて、ゆで水を酸性にしておくと、きれいな白色に仕上がります。さらに、食酢には野菜を軟らかくするのを邪魔する働きがあるので、その働きを抑えてくれる食塩を加えます。
このように、カリフラワーは下ゆでしてあく抜きをしないと食べられないと思われがちですが、実は生で食べることもできます。あくは主にクロロゲン酸というものです。これはゴボウに含まれるあくと同じ成分で、空気に触れると茶色く褐変してしまいますが、抗酸化作用があり、がんや糖尿病、老化予防にも効果があるといわれています。
さらに、カリフラワーはとてもビタミンCを多く含む野菜です。ゆでたカリフラワーだと、100g当たり53mg、生だと100g当たり81mg含まれています。これは、トマトやピーマンよりも多く含まれ野菜の中でも上位の含有量です。成人の大人が1日に必要なビタミンCは約100mg。カリフラワーが1房250gぐらいだとすると、カリフラワーを半分食べるだけで1日に必要なビタミンCが摂取できてしまうのです。
ドレッシングにお酢を使えば変色を防ぐこともできます。新鮮な物を軽く水にさらし、薄くスライスしてサラダやマリネにしてみてはいかがでしょうか。生で食べる野菜としても定番になるとうれしいです。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

RECIPE カリフラワーと豚肉のカレー炒め

p34_12shoku_recipe撮影:松島均

■材料(2人分) 一人分約212kcal

 

カリフラワー …………… 400g(正味200g)
ピーマン ………………………………… 2個
豚ばら肉(薄切り) …………………… 100g
A
 カレー粉 ………………………… 小さじ1/2
 塩 ………………………………… 小さじ1/6
 こしょう ………………………………… 少々
 酒 …………………………………… 大さじ1

■ 作り方(調理時間 15分)

  1. カリフラワーは小房に分けて、熱湯で硬めにゆで、よく水気を切ります。
  2. ピーマンは種を取って太めの細切りにします。
  3. 豚肉は3cm長さに切ります。
  4. フライパンに肉を入れ、弱火で脂が出てカリカリになるまで炒めます。脂が多ければ、ペーパーなどで拭き取り(脂大さじ1/2ほどを残す)、ピーマン、カリフラワーを加えて炒めます。Aを加えて炒め、火を止めます。

出典:JA広報通信2015年12号

 

平成27年11月号

平成28年1月号

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