JA鈴鹿

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知っ得コーナー(令和3年6月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】ミズナ(キョウナ)- 小株から大株まで楽しむ

園芸研究家 ●成松次郎

 

ミズナ(水菜)は古くから京都で栽培されていたツケナの一種で、キョウナ(京菜)とも呼ばれます。葉の形が細く、切れ込みの多い菜類ですが、柳の葉のような丸葉に分化したのが壬生菜です。本来は、大株にして水炊き、すき焼き、漬物に利用しますが、最近は小株取りして、サラダとして人気の高い野菜となっています。

[栽培時期]
小株取りでは、冬を除き種まきができ、夏まきは30日程度、春秋まきは40~60日で収穫になります。大株取りでは8月下旬~9月中旬に種まきし、12~3月に収穫します。

[品種]
葉の幅が狭く葉数の多いサラダ用の「京みぞれ」(タキイ種苗)、「京すだれ」(丸種)は茎が白く、シャキシャキした食感の品種です。大株取りでは「晩生白茎千筋京水菜」(タキイ種苗)などが良いでしょう。

[土作り]
幅100~120cmのベッドを作り、1平方m当たり堆肥1kg、苦土石灰100gと化成肥料(NPK各成分10%)100gを全面に施し、土とよく混ぜておきます。

[種まき]
小株取りではじかまきとし、ベッドに幅20cm間隔の種まき溝を作り、およそ1cm間隔に筋まきします(図1)。 種まき後は防虫ネットでトンネルを作り、害虫から保護すると良いでしょう。大株取りでは移植栽培とし、セルトレイや小型ポットに4~5粒まき(図2)、間引きして本葉5~6枚の苗を作り、条間30cm、株間30cmに植え付けます。

[管理]
小株取りでは本葉が出て込み合ってきたら、適宜間引きを行い、最終的には5cmくらいにします(図3)。大株取りでは、種まきの1カ月後と2カ月後に化成肥料で、それぞれ1株5g程度の追肥をします。

[病害虫の防除]
アブラムシは、サンクリスタル乳剤など、アオムシ、コナガにはトアロー水和剤CTなど環境に優しい農薬で防除します。

[収穫]
小株取りでは葉の長さが25~30cmくらいが収穫適期です。一部を収穫し、株間15~30cmとなるように株を残し、中~大株取りにしてもよいでしょう。大株取りでは、1kgくらいから収穫を始めます(図4)。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【野菜もの知り百科】ネギ(ヒガンバナ科ネギ属)

土壌医●藤巻久志

 

ネギの葉は緑色の葉身部と白色の葉鞘(ようしょう)部に分かれます。関西では葉身部を食べ、青ネギや葉ネギともいいます。関東では主に葉鞘部を利用し、白ネギや根深ネギともいいます。「田舎者は白いところまで食べる」と関西人が言うと、「ケチは青いところまで食べる」と関東人が言い返す笑い話があります。
ネギも交配種の時代になりましたが、固定種もまだまだ栽培されています。固定種は地域の名前を冠した物が多いです。下仁田(群馬)、岩槻(埼玉)、千住(東京)、松本(長野)、金沢(石川)、越津(愛知)、九条(京都)、岩津(兵庫)、観音(広島)などです。
ネギは春になるとネギ坊主を付けます。ネギの花のつぼみです。若いネギ坊主は食べることができます。天ぷらや酢みそあえもいいですが、塩こしょうで炒めるだけでも美味です。形がかわいく、ほろ苦い不思議な食感です。花開くためのエネルギーをたっぷり含んでいそうです。
ネギ坊主が大きくなると、種ができます。ネギのほとんどは種から育てる種子繁殖です。九条ネギや岩槻ネギは分けつするので、株分けして育てる栄養繁殖もできます。下仁田ネギは分けつしません。千住ネギや松本ネギなど分けつしない物は一本ネギともいいます。
根深ネギの栽培は、葉鞘部を軟白するために植え溝を深く掘り、成長に伴い土寄せをする重労働です。葉ネギはその必要はなくプランター栽培もでき、納豆や麺類の薬味、みそ汁の具など用途が広いので重宝します。
1970年代、福岡県朝倉市で栽培された葉ネギの「博多万能ねぎ」が毎日東京へ空輸されるようになりました。日本初の「フライト野菜」として注目され、瞬く間に白ネギ文化の関東に青ネギ文化が広まりました。
近年は関西でもすき焼きや焼き鳥などに白ネギが使われていて、東西の差はなくなりつつあります。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

クウシンサイ(ヨウサイ) - アジア料理で定番の夏野菜

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

手作り鶏ハム

食育インストラクター●岡村麻純

テレワーク続きの夫が、最近太り過ぎたと食事を気にし始めました。一方、外食もあまりできず、1日3食の家族の食事作りに追われる私としては、できるだけ簡単に夫が希望する食事を作りたい。さらにいうと、子どもも食べられる物を中心にしたいという願いから、鶏ハム作りを始めました。
そこで活躍しているのが、鶏胸肉です。鶏胸肉は、和牛サーロインと比較すると、100g当たりのエネルギーは約半分、タンパク質は約2倍含まれていて、主要な肉の中でも、高タンパク質、低脂質、低炭水化物なのが特徴です。その鶏胸肉に、砂糖や塩をすり込み、密閉できる耐熱の袋に入れて熱湯に入れたり、お酒で短時間ゆでて余熱で火を通したり、オーブンで蒸し焼きにしたりと、加熱し過ぎないことに気を付ければ、簡単に軟らかいハムが完成します。シンプルな味付けから、コンソメ味、レモンとオリーブ油の味、大人にはバジル味、子どもにはほんのりみそ味など、いろいろ楽しめます。
鶏ハムを作るようになってからは、毎食、たっぷりの野菜に、鶏ハムを載せるだけで1品完成。子どもたちにも、レタスや水菜などに細かく切ったハムを載せ、ポン酢などをあえるだけです。大人用もたまにはパクチーなどの癖のある物に手作りハムを入れて、ナンプラーとレモンを垂らしたらアジアン風なサラダに変身。鶏ハムを作り置きするようになって、食事作りの時間が少し短くなったように感じています。
最近では、豚もも肉を使ったハムにも挑戦しています。もともとハムとは、豚のもも肉を指しています。豚肉の方が臭みもあり、ぱさぱさしやすいので、塩漬けするときは、塩やローリエを入れた液に漬ける方法で作っています。
これからさらなるアレンジハムを考えて時短でヘルシーな食卓を目指していきたいです。


岡村麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2021年6号

 

 

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