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知っ得コーナー(令和2年10月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】野菜の保存・貯蔵温度・湿度に配慮して

園芸研究家 ●成松次郎

 

家庭菜園で取れた野菜を上手に保存しましょう。土地の気候に合った方法で貯蔵すれば、野菜を長く利用することができます。温度や湿度に気を付けて、野菜ごとに一手間かけた保存をしましょう。

[屋内での保存]
温度変化の少ない納屋や冷暗所で、乾燥を防ぐことがポイントです。キャベツ、ハクサイは水分の蒸発を防ぐため新聞紙に包み、段ボール箱に入れておきます。ダイコン、ニンジンは穴開きポリ袋に、長ネギは土付きのままポリ袋などに入れて立て掛けておきます。
芋類は陰干しして乾かしてから、発泡スチロールのとろ箱に入れておきます。
冷蔵庫で保存する場合は、ホウレンソウなどの葉物はポリ袋に入れ、立て掛けておくのが原則です。保存温度は、葉物など低温で育った野菜は0~5度で保存するのが良いでしょう(図1)。

[畑や庭での保存]
キャベツ、ハクサイは、株をぴったり並べ、わらや落ち葉で覆い、その上にむしろを掛けておきます。雪の多い地方では、ビニールなどで屋根掛けします(図2)。
サトイモは、温暖地では畑から掘り上げなくても、土を厚く掛けておけば、十分に冬越しができます。

[土中貯蔵]
ダイコン、ニンジンは土を付けたまま葉を切り落とし、深さ20~30cmの穴に斜めに寝かせておき、土を掛けます(図3)。サトイモ、サツマイモは、排水の良い所に深さ60cm程度の穴を掘ります。サトイモでは芋を崩さないように逆さにいけます。サツマイモは成り首を付けたまま埋め、30cmくらいに盛り土して、上にビニールシートで雨よけします(図4)。ショウガの貯蔵温度は13~15度と他の野菜より高いので土中深くにいけます。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【野菜もの知り百科】ハヤトウリ(ウリ科ハヤトウリ属)

土壌医●藤巻久志

 

熱帯アメリカ原産で、大正時代に鹿児島に渡来し、薩摩隼人にちなんで隼人瓜と名付けられました。高温性作物で寒さに弱く、5度以下になると枯れます。短日性で秋分の日以降にならないと開花結実しないので、寒冷地(年平均気温が9~12度の地域)での栽培は難しいです。
西洋梨のような果形で、果重は300gから大きい物は1kgを超えます。浅い条溝が入り、果皮は堅いです。果皮が緑色の緑色種と象牙色の白色種があり、緑色種の方が果実は大きく強健で多収です。青臭さは白色種の方が少ないです。
キュウリやカボチャなどウリ科野菜の果実の中にはたくさんの種子が入りますが、ハヤトウリは果実の中央に大きな種子が一つだけです。果肉と種子を分離させないで発芽させて栽培する珍しい野菜です。
温暖地(年平均気温が12~15度の地域)では、5月に種子球を植え付けます。同時期に植え付けたキュウリやカボチャが枯れる頃、ハヤトウリはつるの伸びが加速します。地ばい栽培だとつるが四方に5m以上伸びるので、広い面積が必要です。10月にならないと収穫できず、まさに大器晩成です。
食べ方はダイコンと似ていて、生でも加熱しても食べられます。味が淡泊なので、サラダや漬物、煮物、炒め物などさまざまな料理に合います。シャキシャキとした独特の歯触りが楽しめます。大きくなった物は皮をむいて調理しますが、小さい物は丸ごと利用できます。
別名センナリウリ(千成瓜)というように、非常に多くの果実がなります。1株で温暖地では降霜前までに200~400個、栽培期間の長い暖地(平均気温が15~18度の地域)では600個以上収穫できます。10度以下にならない冷暗所で保存すれば、翌春まで利用できます。
家庭菜園では近所や親戚に配らないと、ハヤトウリが食卓に毎日上ることになります。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

ルッコラ - イタリア料理で定番のハーブ

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

初めての1人で料理

食育インストラクター●岡村麻純

子どもが小さい頃から、キッチンにはいつでも自由に入れるようにしています。お手伝いのときもよく切れる包丁を使わせています。料理を身近に感じてほしいという気持ちと、揚げ物をしていたら熱くて危ないから近づかない、包丁も使い方を間違えたら手を切るかもしれない、そんな危機管理能力を自らの力で付けてほしいと思うからです。もちろん、息子は、包丁で手を切ってしまったことも、熱い鍋に触れてしまったこともあります。でも軽いけがであれば、経験が学びになるのではと、考えています。そのおかげかは分かりませんが、息子は料理をするときは、いつも真剣に集中しています。
そんな息子も6歳になり、今まで料理といったら、切る、混ぜるが中心だったのが、料理の工程や火の通し方にも興味を持ち始めました。そこで、先日、初めてゼロから息子に料理を託してみました。作ってもらったのは、もちろん定番のカレーです。まずは、キッチンに入る前に作り方をノートに書きながら一緒に確認します。息子が作り始めたら、私は何もしません。タマネギは涙が出るから切りたくないと妹に任せたり、ニンジンが大きくいろいろな形に切られているのにジャガイモはとっても小さかったり、炒める時間が妙に長かったり、見ている私は口を出したくなりましたが、ぐっと我慢。責任を持つところに本人にも新たなワクワクがあったようです。
料理は包丁や火を使うため、一歩間違えると大けがにつながります。いくら経験が大切といっても、痕が残るような大きなけがをさせるわけにはいかないので、子どもがキッチンに立つときは、私は作業をやめてじっと見守ります。ぎりぎりまで手は出さず、でももしものときにはすぐに危険回避をできるようにと緊張感があります。時間もとてもかかります。それでも、お家時間が増えてきた今年、子どもに可能な限りチャレンジさせてみたいと思っています。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2020年10号

 

 

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