JA鈴鹿

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知っ得コーナー(平成30年9月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】たくさん育て、たくさん食べよう タマネギ

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

切ると出る涙の原因は硫化アリル、ビタミンB1の吸収を助けて新陳代謝を活発にし、コレステロールの代謝を活発にし、血液をサラサラにして動脈硬化や高血圧、糖尿病を予防する効果もあります。近年明らかになったところによると、野菜の中では最も細菌病、大腸菌などを寄せ付けず、安全性では極めて優れていることが裏付けされています。
タマネギは病害に強く、毎年同じ畑でも作れるので、自家菜園の作付けにとっても大変有利です。貯蔵力もあり、使い道も幅広いので、たくさん育てることをお勧めします。
家庭菜園では、通常晩秋に出回る苗を買い求めて育てる場合が多いのですが、ご承知のようにタマネギは黄、白、赤の品種があり、収穫期の違う極早生、早生、中生、晩生と特徴のある数々の品種があります。
これらを上手に育て楽しむには、自分で好みの品種を選び、種子から育てる必要があります。特に直売など販売を目的とする場合は、苗代の負担も大きくなってしまいます。
種まきの適期は、極早生8月下旬~9月上旬、早生9月上旬、中生9月中旬、晩生は9月下旬です。適期まきはとても重要なことなので、地元のJAや種苗専門店、栽培農家などに聞いて決めることが大切です。特に中晩生の品種を早くまき過ぎると、越冬するまでに大きく育ち過ぎ、寒気に感じ過ぎてとう立ちするものが多く、失敗します。
苗を上手に育てるには、苗床の前作を早めに片付け、種まきの20日以上前に完熟堆肥と石灰、化成肥料をよく耕やしておきます。トマト、ナスなどの強い根が残る野菜の跡地は避けてください。
種まき前にベッドを作り、図のように丁寧にベッドの表土をならしてから約1~2cm間隔ぐらいに均一に種をまきます。そしてふるいで2~3mmほどの厚さに、満遍なく覆土し、板切れなどで軽く表土をたたいて鎮圧し、その後ジョウロでたっぷり灌水(かんすい)します。
その上に細かく砕いた完熟堆肥をごく薄く覆い、その後苗床全面を稲わらやべた掛け資材を二重に覆い、残暑や乾燥、台風や強風の被害から守ります。
種まき後5~7日で発芽し苗が伸び始めたら、これらの被覆資材は取り除き、ジョウロでたっぷり灌水して生育を促します。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【ベランダでできるキッチンガーデン】ソラマメ(マメ科ソラマメ属)

土壌医●藤巻久志

 

ソラマメは漢字では、さやが空を向いて付くから空豆、さやが蚕に似ているから蚕豆と書きます。
1980年代に宮城県北部の築館町(現栗原市)に春まき栽培の産地ができるまでは、ソラマメの秋まき栽培の北限は同県南部の村田町とされていました。当時は宮城県以北ではソラマメの流通はなく、エダマメのようにさやごとゆでるものだと思っている人もいました。
江戸っ子はソラマメを食べないと夏を迎えられません。大相撲が蔵前国技館で行われていた夏場所、秋葉原の旧神田青果市場では房州(千葉県)の初物のソラマメが初日に最高値で取引され、千秋楽に向かって徐々に値下がりしていきました。今は、鹿児島産のソラマメが年内から出回っています。
ソラマメの豆は空気に触れるとすぐに硬くなるので、さや付きのまま流通しています。収穫した瞬間から鮮度が落ちていきます。キッチンガーデンなら、新鮮取れたてのソラマメを味わうことができます。
10号(30cm)以上の鉢や大きなプランターに市販の培養土を入れ、日当たりと風通しの良いベランダで育てます。10月から11月上旬が種まき適期です。鉢なら真ん中に、プランターなら株間25cmに2~3粒を、「おはぐろ」を斜め下に2~3cmの深さに押し込みます。本葉2枚までに間引きして1本立てにします。
追肥は耐寒力をつけるための12月と、生育が盛んになり始める2月に1000倍の液肥を施します。窒素肥料が多過ぎると、茎葉ばかり茂ってさやが付かないことがあります。防寒と保湿のために、株元にわらや腐葉土を敷きます。冬の間は乾燥気味にし、生育が盛んになったら、午前中に水やりします。水のやり過ぎは根を傷めるので、夕方には土の表面が乾く程度にします。
春に分けつした茎が伸びるので、元気な物を5~6本残し、他は切り除きます。さやが十分膨らんで、上向きだったさやが横から下向きになったら収穫適期です。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

シイタケ - 和食には欠かせない、うま味成分の宝庫

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

味比べパーティーで味覚のお勉強

食育インストラクター●岡村麻純

わが家で最近はやっているのが味比べパーティーです。もともとはパパが大のトマト好きで、いろいろな種類のトマトが食べてみたい! と、ミニトマトから大きいトマトまでサイズもいろいろ、赤だけでなく黄色や緑と色もいろいろ、「桃太郎」にファーストトマトと品種もいろいろ、たくさん食卓に並べみんなで食べ比べてみたのが始まりです。4歳の息子も一緒になって、「これが一番甘いね」とか、「この辺は酸っぱくて、これが甘じょっぱい!」とか、彼なりの言葉で表現しています。これって立派な食育になっていると気が付きました。
私たち大人より子どもの方が味を認識する味蕾(みらい)がたくさんあり、味覚は敏感です。乳幼児の頃にはこの味蕾は1万個ほどあるといわれ、この時期は味に敏感過ぎてミルクやおっぱい以外を口にするのは味覚的にもきついそうです。そして味に鈍くなり始めた頃にちょうど離乳食が始まるといわれています。その後は減少し、高齢者といわれる頃には、約3000個になるそうです。たばこや嗜好(しこう)品、味の濃い食事を続けることで味蕾は減少しやすくなることが分かっています。
しかし子どもは、味に対する経験値は大人より未熟です。なので、こうやって味比べをすることで、味覚への意識が高まり、まさに味覚のお勉強になるのではと思いました。
トマトだけでなく、白米をいくつかの銘柄で比較してみたり、全国のご当地うどんの味比べをしたり、最近では家で作っている食パンの強力粉を、「はるゆたか」と「ゆめちから」と、種類ごとに焼いて味比べをしてみたりしています。同じ物がたくさん並ぶせいか、息子はいつも大はしゃぎです。味だけでなく、歯触りや香りの違いにも意識が向くよう、これからもいろいろな味比べパーティーをしてみようと思います。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2018年9号

 

 

平成30年8月号

平成30年10月号

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