JA鈴鹿

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知っ得コーナー(平成29年9月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】取れ立ての新鮮な味が格別なサヤエンドウ

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

栽培管理が楽で、失敗も少ないサヤエンドウ。店頭売りでは得られない新鮮さが魅力で、家庭菜園にはぜひ取り入れたい野菜です。
カロテン含有量が多く、分類は緑黄色野菜。ビタミンC、食物繊維も豊富。使い道はサラダや汁の実、煮物にと広く、飽きずに重宝します。育て方のポイントを列挙します。

(1)連作畑を避ける。
(2)まきどきを誤らない。
(3)冬に株が風で振り回されないよう仮支柱、風よけを設ける。
(4)伸びだしたつるがよく絡むよう、しっかりした支柱を立てることなどです。

サヤエンドウは野菜の中でも特に連作を嫌う性質があります。4~5年はサヤエンドウを作ったことのない畑を選びましょう。
種まきの適期は関東南部以西の平たん地では10月20日前後ですが、これより寒い地域では少し遅く月末ぐらい、暖かい地域では少し早くまくぐらいに差をつけましょう。寒い地域で早まきすると、大きく育ってから厳しい寒さに遭うため寒害を受けやすくなります。地域の慣行をよく調べてください。
サヤエンドウは茎葉が柔らかく、越冬中に株が風に振り回され、茎が折れたり枯死したりしやすいので、草丈が15~20cmに伸びたら短い支柱を交差させて立て、株を固定したり、畝に沿って稲わらを半折れにし、下方を土に埋め、簡単な風よけを作ったり、べた掛け資材で覆ったりして寒風から守ってやります。
越冬後草丈が20~25cmぐらいになる頃には巻きひげも出るので、早めに支柱を立て、これに絡ませるようつるを誘引してやりましょう。支柱材としては、細枝のたくさん付いたササや、子枝の付いた木の枝などが最良ですが、入手できない場合は、木杭に横竹を渡し、所々に稲わらを小束にしてつるす方法、それらがなければ果菜用の支柱材を立て、横に3段ほどプラスチックひもを渡したり、キュウリの誘引ネット(網目15cm)を取り付けるなど、いろいろ工夫してみましょう。 
肥料分は多くは必要ないので、前作に野菜を育てた畑なら、越冬前に畝に沿って軽く溝を作り、1株当たり化成肥料大さじ2杯ぐらい、本支柱を立てた後に、畝の反対側に同量を施し、土を盛り上げて畝を形作るぐらいで足りるでしょう。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【ベランダでできるキッチンガーデン】サヤエンドウ(マメ科エンドウ属)

土壌医●藤巻久志

 

正月の黒豆に始まって、大相撲夏場所のソラマメ、居酒屋のビールにエダマメなどと、日本人は本当によく豆を食べます。大豆で作られる納豆やみそ汁は毎日のように食卓に上がります。
エダマメと大豆は同じ植物ですが、未熟の前者は野菜に、完熟の後者は食用作物に分類されます。エンドウもサヤエンドウは野菜、ウグイスマメは食用作物に分類されます。
マメ科の花はとても魅力的です。サヤエンドウは春先に近縁のスイートピー(ハマエンドウ属)に似た花が咲きます。ベランダでサヤエンドウを栽培すれば、花の観賞と野菜の収穫が楽しめます。サヤエンドウには白花種と赤花種があります。
サヤエンドウの仲間には、未熟な実を食べるグリーンピースと、豆が熟してもさやが柔らかくさやごと食べられるスナップエンドウがあります。エンドウは畑がなくても、日当たりが良ければ、ベランダでも栽培できます。エンドウの生育適温は15~20度で、幼苗のうちは0度以下の低温にも耐えられます。本葉2~3枚のときが最も寒さに強いので、温暖地では10月下旬から11月中旬に種まきします。
深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、20cm間隔、深さ2cmで、1カ所に3~5粒まきします。本葉2枚ぐらいまでに間引いて、1カ所2本立てにします。暖かくなると急に伸びるので早めに150cmの支柱を立て、つるを誘引します。
追肥はつぼみが見え始めた頃から1000倍の液肥を1週間置きに施します。肥料が多過ぎると過繁茂になり、実の付きが悪くなります。過湿も嫌うので、少し乾燥気味に管理します。厳寒期には保湿を兼ねて、敷きわらなどで株元を保護すると良いでしょう。
さやが大きくなり、中の豆がやや膨らんできた頃が収穫適期です。ゆでたり炒めたりして、鮮やかな緑と独特の歯触りをお楽しみください。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

サトイモ - 低カロエリーでヘルシー! 縁起物としても大活躍

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

食卓から始まる食料自給率の向上

タレント・食生活アドバイザー●岡村麻純

わが国の食料自給率は約40%です。食料自給率とは、日本で食べられている食べ物(カロリー計算)のうち、どのくらいの割合を国産で賄っているかを示した数値です。40%ということは、私たちの生きるエネルギーの半分以上を海外に頼っています。他国では、フランスが129%、英国が72%、日本同様平野部の少ないスイスでさえ57%と、半分以上は自国で賄っています。
食料自給率が低いということは、地球全体の気象の変化や、世界情勢によって、私たちの食卓が影響を受けやすいということです。何らかの原因で輸入が今のようにできなくなれば、日本は一気に食料不足になってしまうのです。また、食料自給率が上がるということは、日本の農業がより元気になっていくことにもつながります。
ではなぜここまで食料自給率が下がってしまったのか。日本も1965年ころまで食料自給率は70%以上でした。その後、下がり続けた原因に、食生活の変化が挙げられます。お米が中心だった食事から、パンや麺類を主食にすることが増えました。その原料となる小麦粉はほとんどを輸入に頼っています。
お米を食べる量が減り、その分お肉や油物のおかずが増えたことも原因に挙げられます。つまり食料自給率の低下は私たちの食卓から始まっているのです。ならば食料自給率の向上も私たちの食卓から始めなければなりません。
そこで大切なのが幼少期の食事です。おふくろの味という言葉があるように、私たちは小さい頃に食べた味はいくつになってもおいしく、安心感を得ることができます。なので、幼児期にだしの香り、みそ汁にお魚などお米中心の和食になじむことで大人になってからも和食を好むようになっていきます。子どもたちが大人になった頃も食卓には和食中心のメニューが並び、食料自給率も向上していることを願います。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2017年9号

 

 

平成29年8月号

平成29年10月号

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