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楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –
【あなたもチャレンジ!家庭菜園】 葉をかき取りながら長い間収穫できるサンチュ
板木技術士事務所 ●板木利隆
サンチュというのは韓国名で、わが国ではカキチシャまたは包菜(ほうさい)と呼ばれます。
カキチシャの名の通り、大きく育った葉を下の方からかき取り収穫するのですが、その後茎が伸びて葉を増やすので、それを順次上の方に向かって、長い間取り続けることができるのです。1株から数カ月にわたり、数十枚もの葉を取ることができ、大変重宝します。利用に当たっての大きな特色は、葉が平滑で葉脈が柔らかく、曲げても破れにくいことです。そのため焼き肉や刺し身を包んで食べることができます。もちろんサラダやトッピング、バーベキューの材料にもよく合うなど、幅広い使い向きが魅力です。
1株当たりの収量が多いので、育てる株数は少数でもよいので、庭先のミニ菜園やプランターでも十分間に合うし、栽培も容易で、家庭菜園向きのお薦め野菜です。プランターでは青、赤を混植すれば彩りを楽しむことができます。
種まきの適期は4月中下旬と8月中旬です。3号のポリ鉢に、良質の育苗用土を詰め、4~5粒まきとします。覆土はごく薄くし、発芽までは新聞紙で覆い、乾かないよう灌水(かんすい)に注意します。発芽ぞろい後逐次間引いて1本立てとし、本葉4~5枚に育てて定植します。
生育期間が長いので、元肥には良質の完熟堆肥を十分施します。植えつけ後は生育の様子をよく観察しながら15~20日に1回ぐらい、1株当たり油かす小さじ2杯、化成肥料小さじ1杯を株の周りにばらまき、軽く土に混ぜ込みます。葉の伸びが遅くなったら液肥を所定濃度に薄めて灌水代わりに施すと肥効がよく表れます。
収穫は葉の長さが20cm内外に育ったら、下の方の葉から順次手でかき取るようにして行います。1回に取る葉数は、通常1株2~3枚以内と考えてよいですが、その時点での草勢を見て適宜調整してください。収穫を重ねるごとに茎は太くたくましくなり、胸の高さ以上にもなります。良質の取り立ての葉は直売所でも人気商品となること請け合いです。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
【手軽にできる有機ベランダ栽培】 ミニトマト
明治大学特任教授●佐倉朗夫
こぼれ種からでも育つほど生命力が強く、作りやすい野菜です。実が割れやすいなどの欠点はありますが、果色や果形が異なったいろいろな品種があり、食も栽培も子どもと一緒に楽しめます。
コンテナは深く大きいほど作りやすくたくさん収穫できます。60~70cm×26~30cm、深さ30cm程度の深めのものなら、3株植えて各株4段(果房)は収穫できます。
苗を購入するのがお勧めです。果形や果色など品種を確認して、子葉が残り、節と節の間が詰まったズングリとした苗を選びます。関東以西では霜の心配がなくなる5月上旬に購入すると良いでしょう。
購入したらすぐに植えますが、本葉が6~7枚で一番花が咲いた状態の苗が理想です。株間は20cm、ポリポットから苗を抜いたら根鉢を崩さないようにそのまま植えます。花の向きをコンテナの外側に向け(※)、根鉢の4分の1がのぞくくらい浅植えにし、根鉢が隠れるように盛り土をします。植え付け後はたっぷりと水をやり、仮支柱を立てます。その後なるべく早い時期に、長さ180cm、直径18mmくらいの本格的な支柱を立てます。支柱へは茎の成長を見越してひもを八の字に掛け緩めに結びます。
成長するに連れて脇芽が旺盛に出てくるので、取り遅れないように小まめに取り、主枝1本に仕立てます。ある程度伸びたら摘芯をして伸び過ぎを防ぎます。摘芯は4段果房の上に本葉を2枚残しはさみで切ります。摘芯後は、脇芽は放任し、込み合うときだけ取ります。
追肥は3段目の開花の頃に、1株当たり30gのぼかし肥を株から少し離れたところ3カ所に株を囲むようにまきます。果実全体が色づいたら収穫します。果実を軽くつかみ、手で傾けるようにすると簡単にもぎ取れます。一つの果房の収穫が終了したら、風通しを良くし病害虫を防ぐためその下の葉は取り除きます。
※第1花房と同じ方向に果房が出るので収穫しやすい。
シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ
ソラマメ - 空に向かって伸びる、生命力あふれる初夏の味覚
シニア野菜ソムリエ ●KAORU
KAORU
日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。
豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –
新鮮食材で楽しくクッキング① イチゴのサンドイッチ
料理研究家 ●波多野充子
■材料(2人分)1食当たり約422kcal
イチゴ(中) ……………………… 18個 |
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■ 作り方
【point】 |
新鮮食材で楽しくクッキング② アスパラガスとネギのチーズ焼き
■材料(2人分) 1食当たり 約179kcal
アスパラガス(大) ……………… 4本 |
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■ 作り方
【point】 |
私の食育日記
子どもの偏食の改善
タレント・食生活アドバイザー●岡村麻純
子どもは好きな食べ物が偏りがちです。野菜は一種類しか食べないと悩むお母さんの話をよく聞きます。
そもそも多くの物を食べたことのない幼児期は、おいしかったという記憶が強く残っていて、他の物が嫌いというよりは、おいしかったからそれが食べたいという意思の方が強くなってしまいます。なので、食わず嫌いや、たまたま食べた味が苦手だったということの方が多いように思います。私の息子も、揚げ物をずっと嫌がって食べませんでしたが、お友達が食べているのを見て真似して食べたら、おいしい! と言っていましたし、サラダでカブを食べて以来食べなかったのに、みそ汁にしたらカブが大好きになりました。食の経験の少ない幼児期、好みも変わりますし、食べなかった物を急に食べたり、これまで食べていた物を急に食べなくなったりしてもおかしくないのです。
そこで大切なのが、周りの大人がその子どもの好き嫌いに左右されないことです。食べないから出さない、食べるからそればかり、という食事になってしまうと子どもがいろいろな味を経験していく大切な機会を奪ってしまうことになります。子どもが食べないと不安になり、ついつい子どもにだけ別メニューを与えてしまいがちですが、できるだけみんなが同じ食事をし、おいしいねと会話しながら食べる、時には、大人が自分の苦手な物を食べている姿を見せる、そのことで子どもは、食べたい物を食べることでなく、その日いただける物を食べるのが食事ということを学んでいきます。
もちろん、好き嫌いは出てきますが、それは大人も同じ。そこで無理には食べさせることはせず、新たな機会に違う形で出してみると良いそうです。親としては食べてくれない物を作るのはつらいことですが、これが食育と思ってめげずに続けていきたいです。
岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/
出典:JA広報通信2017年2号
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