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知っ得コーナー(平成28年11月号)

[楽しい園芸] [野菜のルーツ] [豆知識&簡単レシピ] [食の健康百科] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】 ヤマイモの収穫適期と掘り取りのコツ、蓄え方

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

p23_11saien_4c_r夏から秋にかけて盛んにつるを茂らせてきたナガイモやイチョウイモ、ジネンジョなどは、晩秋になり寒風が吹き始めると、茎葉は黄変し、やがて枯死します。掘り取りはこのような情況をよく見極めて判断することが大切です。

(1)掘り取る適期 ナガイモは葉がすっかり黄変し、全体が枯れ始めた状態になったときです。緑の葉が残っている頃に、早く掘り過ぎると、芋をすりおろした際に褐変しやすくなってしまいます。イチョウイモは低温に弱いので、葉が黄変、枯れ始めたなら、早めに掘り取りましょう。ジネンジョは葉が黄変、枯死してしまってからでもよいです。

(2)掘り取り日 できるだけ晴天続きを見計らって行うことです。雨後で畑が過湿状態のときに掘ると、貯蔵中の腐敗が起こりやすくなります。ナガイモは根を地中深く形成しており、深い所は地温が下がりにくいので、低温害を受けにくく、天候を見て掘り取り日を決めるゆとりがあるので、作業には好都合です。

(3)掘り取り作業の手順 つるを芋の首の上5~6cmの所で刈り取り、茎葉を片付けてから掘り取りにかかります。ナガイモは組織が柔弱で、折れたり傷つきやすいので、株の周り30cmぐらい離れた所からスコップを立てるようにして少しずつ慎重に掘り進みます。そして芋の先端を見極め、それより少し深い位置まで、十分注意して土を取り除き、芋を傷つけないよう丁寧に掘り上げます。図のように幅の狭いスコップや鉄棒などを用いると上手に掘ることができます。

(4)掘り取り後の扱い方 直射日光や強風に当てないよう土や覆いを掛けて、肌を乾かさないよう畑から持ち出します。少量の芋を短期間保存するには新聞紙にくるんで、冷暗所に置くだけでよいです。たくさん取れた場合には、排水の良い場所を選び、図のように深さ25~30cmほどの穴を掘って芋を並べて埋め、雨がたまらないよう土を盛り上げて覆います。貯蔵の好適条件は温度4~5度、湿度85~90%とされています。

低温貯蔵庫でこの条件に設定、制御すれば長期間品質を保つことができます。

条件の良い畑では、地中で休眠状態に入った芋を、畑でそのまま掘り取らずに保存することも可能です。

【手軽にできる有機ベランダ栽培】 土の再利用

明治大学特任教授●佐倉朗夫

 

p24_11veranda_4c_r夏作や秋作が終了してそのままになっているコンテナはありませんか。今回は土の再利用について取り上げます。有機栽培では前作の野菜の残渣(ざんさ)も土の改良に役立つ貴重な有機物として利用します。
まず、コンテナに残る前作の残渣を、根を付けたまま取り出し土を払います。
(1)葉、茎、根は1~2cmの長さに細かく刻み乾かします。このとき、残渣1L当たりぼかし肥料2gを混ぜます。青みが残るものは必ず土から取り出しますが、枯れている小さな葉や細かなひげ根は土に戻します。(2)コンテナから土を取り出し、水やりや作物の根によって硬くなった土を、手でほぐしながら広げて数日間乾かしてから、目の粗いふるいで鉢底石と土に分けます。(3)今度は土を細かいふるいに掛け、細か過ぎる土を取り除きます。(4)コンテナの底に鉢底石を敷き、その上に刻んだ(1)を1~2cmの厚さに入れますが、このとき入れ過ぎないことが重要です。(5)その上に(3)を詰めていきますが、ある程度入れたら腐葉土を厚さ2cmほど敷き、表面に米ぬかをパラパラと振ります。その上にさらに土を入れ、コンテナの9分目まで入ったら表面を平らにして完成です。
使用するまでの間は、コンテナを不織布(寒冷しゃ)で覆い、乾燥しないように適宜水やりをして保管します。不織布をトンネル状に設置しておくと、はす口を外したじょうろの先で不織布をこするようにするだけで、そのまま水やりができます。
古土の再利用のための処理は2作ごとに行うとよいでしょう。ただし、連作を嫌うナス科、マメ科、ウリ科などの野菜は、同じ科の野菜を同じコンテナで連続して栽培しないように注意します。栽培が終わったコンテナの土には必ず虫(幼虫)がいるので、見つけ出して取り除くこと、病気になった株の葉、茎、根はコンテナに戻さないことが重要です。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

レンコン - 伝統料理に欠かせない見通しが利く縁起物

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 

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KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –

新鮮食材で楽しくクッキング① カボチャとニンジンの甘いスープ

料理研究家 ●波多野充子

 

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■材料(4人分)1食当たり約105kcal

 

カボチャ ………………………… 300g
ニンジン ………………………… 100g
タマネギ ………………………… 100g
水 ……………………………… 3カップ
EVオリーブ油 ………………… 大さじ1
塩 ………………………………… 適量
こしょう ………………………… 適量
ナツメグ ………………………… 少々

■ 作り方

  1. カボチャは一口大に切り、塩少々を振っておく。ニンジンとタマネギは薄切りにする。
  2. 温めた鍋にオリーブ油を入れ、タマネギが甘い香りがするようになるまで弱火で7~8分炒める。
  3. (2)にカボチャとニンジンを入れ、3~4分炒めてから水を加える。ふたをして、沸騰してから弱火で15分ほど煮込み、塩・こしょう・ナツメグで味を調えて火を止める。
  4. ミキサーなどにかけて滑らかにする。鍋に戻し、温めてから器に注ぐ。

【point】
野菜の甘みがあふれるシンプルなスープです。ビタミン・ミネラル・βカロテンなどが豊富で、風邪の予防や免疫力アップなども期待できます。これから寒くなる季節にピッタリ。

新鮮食材で楽しくクッキング② リンゴ&サーモンのサンドイッチ

 

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■材料(2人分) 1食当たり 約496kcal

 

8枚切り食パン …………………… 4枚
リンゴ ………………………… 1/2個
レタス ……………………………… 2枚
スモークサーモン ……………… 60g
レモン汁 ………………………… 少々
マヨネーズ …………………… 大さじ3
粒マスタード ………………… 小さじ2
塩 ………………………………… 少々
ディル ………………………… 1~2本

■ 作り方

  1. リンゴは皮と芯を除き、薄切りにしてから塩とレモン汁を振り掛ける。レタスは適当な大きさに手でちぎる。
  2. ディルは刻んでおく。
  3. マヨネーズと粒マスタードを合わせる。
  4. パンに(3)を塗り、リンゴの薄切り・スモークサーモン・ディル・レタスの順番に載せてサンドする。
  5. ラップできっちりと巻き、冷蔵庫に1時間ほど入れておくとなじむ。
  6. お好みでパンの耳を切り取り、半分に切る。

【point】
リンゴのシャキシャキとした新食感が楽しめるサンドイッチ。甘酸っぱいリンゴと香り豊かなスモークサーモンとの相性も抜群です。サンドしてからラップできっちり包み、冷蔵庫に1~2時間入れるとよくなじみ、さらにおいしくなります。

私の食育日記

梅干し

タレント・食生活アドバイザー●岡村麻純

p24_11syokuikunikki_4c_r2歳の息子の好きな食べ物の一つに梅干しがあります。まだまだ酸っぱいものは苦手だろうと思いつつ、よく見掛ける、初めて梅干しを食べてすごい顔をする子ども動画を撮ろう! と1歳頃に少し与えてみたら、まさかのおいしい! と言われ、カメラを抱えていた旦那も拍子抜けをしていました。それ以来、梅干しご飯は息子の大好きなメニューです。
梅干しはなんとはるか昔、平安時代から食べられていたといわれています。梅は果実の中でも特に有機酸が多く含まれています。主な有機酸はクエン酸で、他にリンゴ酸なども含まれています。クエン酸は疲労回復物質として知られていますが、疲労のもととなる乳酸を分解する働きをします。またクエン酸は体内でエネルギーを作る回路でも重要な役割をするため、新陳代謝を高めます。一日中走り回っている幼児期にはぴったりの栄養素です。
梅干しの香り成分でもあるベンズアルデヒドは、酸化されると強い抗菌作用を持ちます。そこに塩の殺菌作用も加わって、梅干しはお弁当やおにぎりの腐敗防止としても重宝されてきました。過去には戦時中に、傷の消毒薬として使われていたこともあるそうです。
このように長い歴史で私たちの身近にあった梅干しですが、幼児に与えるには少し塩分が多いという難点はあります。幼児期の1日の塩分摂取量の目安はたったの3g未満です。小さじ1杯が5gなことと比較すると、食塩は控えめにしなければならないことが分かります。そこでわが家も、塩分濃度が低めで、うま味調味料無添加の梅干しを探し、1日1粒を約束にして食べています。その分賞味期限は短いですが、定期的に届く農家の方からの梅干しはわが家の楽しみになっています。
いろいろな食材と上手に付き合って、それぞれの食材のいいところを生かせるような食事作りを目指していきたいです。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2016年11号

 

 

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