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知っ得コーナー(平成28年6月号)

[楽しい園芸] [野菜のルーツ] [豆知識&簡単レシピ] [食の健康百科] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】 夏まきニンジン、上手な発芽と管理のポイント

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

p26_06saien_4cニンジンはベータカロテンを豊富に含み、粘膜強化や免疫力アップ、老化防止などに役立ちます。品種改良が進み、カロテン含量が高く、芯までよく着色、サラダにも向くなど品質が格段に高まり、家庭菜園での魅力が増大してきました。
これからがまきどきの夏まき作型は、秋の適温条件(18~20度)で育つため作りやすく、中秋から冬にかけて長期間収穫できるので、実益の上がるお薦め野菜です。
種まきの適期は7月上旬(関東南部以西の平たん地、暖地は中~下旬)となるので、発芽と初期生育は天候の難しい時期に当たります。そのためこの作型では発芽をそろえて、初期の生育を順調に進めることが大きなポイントです。
畑の準備として、前作はなるべく早めに片付け、残渣(さ)を残さないようきれいにし、少なくも20日前ぐらいまでに完熟した細かな堆肥と油かすなど有機質肥料、少量の化成肥料を全面にまき、深さ20cmぐらいによく耕し込んでおきましょう。元肥はやや控えめにし、施肥の主体は盛んに育ち始めてからにすることです。
手順として、まき溝はくわ幅で、底面が平らになるよう丁寧に作り、土が乾いていたらジョウロで溝全面に、溝をはみ出さないようにたっぷり灌水(かんすい)し、底面が平らに落ち着いたら種まきします。水が溝からはみ出すと、覆土するとき土がぬれていて困ることになります。
覆土は種子がやっと見えなくなる程度(5~7mm)の薄めとします。覆土した後、くわの背で軽く鎮圧し、種子を土になじませておきます。
まき終わったら溝全面に細かく砕いた完熟堆肥または切りわらで薄く覆って、乾燥や降雨による土のはね上げ、地面の固結を防ぎます。材料は発芽しても取り除く必要はありません。発芽するまでに乾燥したら灌水を心掛け、乾き過ぎないよう注意します。
発芽ぞろいし、本葉2~3枚ぐらいに育った頃間引きます。初期は軟弱なので、ある程度密にして共育ちさせることが大切です。本葉5~6枚になったら第2回の間引きで、10~12cm株間(品種差あり)の1本立ちとします。
間引きした後にすぐ追肥すること。雑草が大変生えやすいので遅れずに除草することもニンジン作りの大切なポイントです。

【手軽にできる有機ベランダ栽培】ニンジン

明治大学特任教授●佐倉朗夫

 

p27_06veranda_4cニンジンの品種には短根種と長根種がありますが、コンテナ栽培には短根種が適します。短根種の三寸系やミニニンジンは深さが30cmくらいあれば標準的なプランターでもでき、生育期間も短いので、春と夏の2回栽培できます。短根種の四寸系や五寸系は少し大きめのプランターを使い、夏の栽培が適します。
ニンジンは「発芽すれば半分は成功」といわれるほど、発芽させるのが難しい野菜です。発芽を上手にそろえるには適温の時期に種まきをして、発芽までは乾燥させないことがポイントです。
栽培適温は20度前後なので、種まきから発芽までの時期は、春の栽培ではビニールトンネルの保温、夏の栽培ではすだれや寒冷しゃでの遮光による暑さ対策が必要です。
標準的なプランターの場合は2条(条間10cm)に、割り箸などで鎮圧しながら深さ5mm程度の溝を付けます。種が重ならないように溝底に5mm間隔で条にまきます。コーティング種子の場合は、発芽率が良いので1~2cm間隔で大丈夫です。種が隠れる程度に薄く(5mm)土を掛け、上から手で鎮圧をします。プランターの両端を窪ませて畝状にしてから、しっかりと水を掛けます。発芽するまでは乾かないように注意し、発芽後、本葉が2枚の頃2cm間隔に間引きをします。左右から土を寄せて畝状に整えます。本葉4枚の頃に株間4~5cmに2回目の間引きを行い、条間を中耕し、肩が露出しないように土寄せを行います。このときに、条間にぼかし肥料を一握りまきます。肥料はこれだけで、元肥は入れません。もし、生育後半に葉色が薄くなったら300倍程度の有機液肥を1週に1回施します。最終的な株間は、ミニニンジンでは4cm、五寸ニンジンはさらに1回間引きをして10~15cmにします。
土の表面に亀裂ができ始めると、そろそろ収穫の時期になります。大きい物から順に収穫し、抜いた跡はしっかりと土を寄せておきます。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

トウモロコシ - 主食にもなるヘルシーなエネルギー源

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 

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KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –

新鮮食材で楽しくクッキング① カツオのソテー・バルサミコ風味

料理研究家 ●波多野充子

 

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■材料(3人分) 1食当たり約127kcal

 

刺し身用生カツオ ……………… 1さく
キウイ …………………………… 1個
ミニトマト ……………………… 4個
レモン汁 …………………… 小さじ2
塩 ………………………………… 適量
こしょう ………………………… 適量
白ワインか酒 ……………… 小さじ2
バルサミコ酢 ……………… 大さじ1
EVオリーブ油 ……………… 小さじ1
ハーブ(チャイブやディル)…… 少々

■ 作り方

  1. カツオは水気を拭き取り、1.5cm厚さに切り、白ワイン・塩・こしょうを振る。
  2. キウイとミニトマトは5mm程度に切り、バルサミコ酢・レモン汁・塩・こしょう・EVオリーブ油を合わせた中に入れる。
  3. フライパンにEVオリーブ油(分量外)を少々熱し、カツオの水気を取り両面1分弱ずつ焼く。
  4. 器に盛り付け(2)のソースを掛けハーブを添える。

うま味たっぷりのカツオをサッと焼き、フレッシュなバルサミコソースとお魚の味を引き立てるハーブを添える、いつもと一味違うカツオ料理です。お好みでソースにニンニクを加えても美味です。

新鮮食材で楽しくクッキング② 夏ミカンと季節野菜のサラダ

 

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■材料(2人分) 1食当たり 約172kcal

 

夏ミカンなど …………………… 1個
カブ ……………………………… 2個
セロリ ………………………… 1/2本
スナップエンドウ ……………… 4本
ニンジン(小)…………………… 1本
大葉 ……………………………… 4枚
ドレッシング
 白ワインビネガー ……… 大さじ1
 赤梅酢 …………………… 小さじ2
 EVオリーブ油 …………… 小さじ1
 塩 ……………………………… 適量
 こしょう ……………………… 適量

■ 作り方

  1. 夏ミカンとカブは皮をむき、セロリは筋を取り、食べやすい大きさに切る。
  2. 大葉は太千切りにする。
  3. スナップエンドウは筋を取り、ニンジンは薄切りにし、塩少々(分量外)を入れた湯でさっとゆでる。
  4. (1)(2)(3)を器に盛り付け、ドレッシングの材料をよく混ぜ合わせ、食べる直前に掛ける。

夏ミカンや甘夏などの甘酸っぱさが、この時期にピッタリなサラダです。梅酢は梅干しを作るときに自然にできるもので、クエン酸・リンゴ酸・ポリフェノールなどを含む便利な調味料です。

私の食育日記

食に関する世代の違い

タレント・食生活アドバイザー●岡村麻純

p27_06syokuikunikki_4c「昔とは違うのね」。私の子育てを見て、母がよく口にする言葉です。食事面でも違いを感じるそうです。そのせいか、ママ友の間でよく聞く親とのトラブルも、1歳児に甘い物をあげた、牛乳をたくさん飲ませたなど、食に関することが多い気がします。確かに昔は母乳をやめたら代わりに牛乳を飲ませなさいとか、子どもはたくさん成長するから甘い物はいいともいわれていたそうです。
しかし、人間を育てるための母乳と、牛乳では成分が違います。牛は生まれたときには体重が50kg以上あり、数年で1000kgを超えるため、体をつくるのに必要なたんぱく質、カルシウムが豊富です。人間の体ももちろん成長しますが、それ以上に脳が成長します。生まれたときには成人の25%ほどしかない脳は3歳までには90%ほどになるそうです。そのため母乳には、脳を働かせる唯一のエネルギーの糖質が多く、脳に栄養素を運ぶ鉄分も含みます。
牛乳はたんぱく質が多く、人間の赤ちゃんには消化吸収が難しく、このたんぱく質がアレルギーを引き起こす可能性があることも分かっています。牛乳は母乳の代わりにはなりませんが、その後の成長においては大切なカルシウム源です。一つの食材として1歳を過ぎてから少しずつあげて、大切な栄養源の一つにしてほしいと思います。
この頃の子どもは急成長するため、糖質は必要です。しかし甘い物は急激に血糖値を上げてしまい後が続かないことや、甘い物が癖になり、他の栄養素が不足することも心配です。糖質はご飯などの炭水化物から取り、ゆっくりとエネルギーに変えていくのが良いそうです。
食に関する問題は、かわいい子ども、孫のことを思えばこそ起きてしまうことです。古くからの良い言い伝えもたくさんあります。子どもの食事について2世代の知識を生かして日々工夫し、健やかな子どもの成長を願いたいです。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2016年6号

 

平成28年5月号

平成28年7月号

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