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知っ得コーナー(平成29年12月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】魅力野菜で自家菜園の活性化を

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

一年の計は元旦にありといいますが、とかくマンネリになりやすい自家菜園を活性化するために、今年お薦めしたい野菜の種類や品種、育て方などについて考えてみましょう。
早春から夏にかけて
一番育てやすくて、冬から春まで長い間取れるのはナバナです。改良品種の「花飾り」などは耐寒性が強く花ぞろいも良く美味です。
3月植えのジャガイモは、小粒ながら黄金色で味の良い「インカのめざめ」「インカのひとみ」「インカルージュ」の3兄弟で、話題性もあります。ピーマンは苦味や臭いが少なくキュートな小型で、子どもにも好まれる新品種「ピー太郎」、赤・黄・だいだい色をそろえ、平型の「フルーツパプリカ」などで新しい魅力が加わりました。
大型トマトを立派に作り上げるのは大変難しいですが、耐病性で育てやすくなった「ホーム桃太郎」「桃太郎ホープ」「麗容」などが味も優れています。
育てやすくてよく取れる5月まきのつる性インゲンはぜひ取り組んでください。品種は古くから味に定評のあるインゲン「ケンタッキーワンダー」などです。しっかり交差させた支柱を立て、つるが伸び始めたら遅れずに支柱へ誘引し、半月に1回、少量の追肥をするだけで、朝夕2回、2カ月ぐらい収穫し続けられ、新鮮な格別な味を楽しむことができます。
夏から秋にかけて
夏の青物としては、強健で連作にも耐え作りやすい小松菜が一番のお薦めです。身近な菜園なら、抜き取り収穫だけでなく、株をそのまま残して、下の方の葉から1~2枚ずつ葉かき収穫すれば、数カ月以上も長い間収穫し続けることができます。「きよすみ」は強健で夏に強く美味。私の庭先菜園では6月まきで7月下旬から実に8カ月間も取り続け、最後は4月初めにとう立ちしたものを、ナバナ同様におひたしで食べました。
9月まきの小カブは、色白で色つやが良く肉質が緻密で味の良い「たかね」、大きくなってもす入りせず味の良い強健な「耐病ひかり」、上が赤紫色、下が白色でサラダや酢漬けに好適な「あやめ雪」などがお薦めです。ニンジンは芯までオレンジ色になり甘さと風味に優れ、煮物やサラダにして彩りの良い「ベターリッチ」が魅力的です。
ネギは味を重視した品種を選び、自家菜園ならではの食味を楽しみたいものです。「九条太」を筆頭とし、「下仁田」「松本一本太」など全国的に在来系の味の良い品種があり、それらを考え選ぶことが大切です。「あじぱわー」(全農で筆者育成)は下仁田と湘南の交雑育種系で、その軟らかな味から直売用として評価されてきました。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【ベランダでできるキッチンガーデン】カブ(アブラナ科アブラナ属)

土壌医●藤巻久志

 

聖護院カブと聖護院ダイコンは、どちらも白く大きな丸形で、とても似ています。聖護院カブはアブラナ属で菜の花の仲間ですから、花は黄色です。聖護院ダイコンはダイコン属に多い白い花を咲かせます。カブの肌はツルツルですが、ダイコンの肌にはひげ根の跡があります。
カブは大カブ、中カブ、小カブがあり、色で白カブ、赤カブ、青カブがあります。日野菜カブや津田カブのように細長いカブもあります。在来種も数多くあります。
ベランダで大カブの聖護院カブを作ると、一つのプランターでは2、3個しか収穫できません。プランター栽培では早生の金町系の小カブが適しています。
カブはシードバーナリゼーション(種子春化)型といって、種が発芽したときから低温に感応して花芽を分化します。その後の高温と長日によってとう立ちは促進されます。1~2月でもプランターにビニールトンネルを掛けて保温すれば栽培できますが、とう立ちの心配の少ない3月下旬から種まきしましょう。
深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、条間10cmに深さ5mm程度の溝を付けて筋まきします。薄く覆土し、表土を軽く押さえ、種が流れないようにジョウロでたっぷり水やりします。
発芽して双葉が開いたら、生育の遅い物、徒長した物を間引きます。順次間引きして、本葉4~5枚までに株間を10cmにします。間引いたものはみそ汁の具などに利用できます。
カブに日が当たると、きれいな白色にならないので、土寄せか増し土をします。追肥は水やりを兼ねて、1000倍の液肥を1週間に1回の割合で施します。
直径4~5cmになった物から収穫していきます。収穫の遅れは、す入りや裂根の原因になります。
カブの花言葉は「慈愛」です。優しい食感を浅漬けやシチューなどにしてお楽しみください。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

ダイコン - 消化吸収を助ける、春の七草「スズシロ」

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

離乳食はママからの自立の第一歩

食育インストラクター●岡村麻純

6カ月になる娘の離乳食がスタートしました。離乳食の始まりは、胸に響くものがあります。以前、助産師さんに、「出産はわが子の自立の始まりだよ。おなかの中でママとへその緒でつながれている赤ちゃんにとって、生まれてくるときがママから離れる第一歩。不安と戦いながら一生懸命生まれて、心も成長をするんだよ」とお話をしていただいたことがあります。離乳食も同じように感じます。私からの栄養だけで生きていたわが子が、食べ物から栄養を取り1人で生きていける準備を始める、まさにわが子の自立の一歩です。
離乳食は食べる練習だけでなく心の成長でもある。そう思うと、ただスムーズに進めばよいというものでもないと考えます。子どもはそれぞれ。甘えん坊さんだっています。ママから独り立ちしていく準備をし、練習をしていると考えると、苦労する時期があっても当然のことです。
離乳食の時期が来ても赤ちゃんの消化吸収の力は未熟です。食べ物を口に入れて胃から腸に運ぶ動き、「ぜん動」は大人の半分ほどのレベルだそうです。そのため、消化吸収しやすい炭水化物からスタートし、赤ちゃんが飲み込みやすいようトロトロにします。また未熟な小腸では消化しにくいタンパク質は、ゆっくりと順番も慎重に進めます。また塩分も未熟な腎臓には負担になるので、できるだけ薄味にします。
離乳食は、食べてくれない、周りの子より遅れているなど気にしてしまいがちですが、大切なのはスピードではなく、その子の心身の成長ペースに合っているのかどうか、負担になっていないかどうかです。毎食の様子に左右されず、1~2年後にしっかり自分で食事ができていればそれで十分なのです。少し時間がかかってしまっても、食べるのを嫌がる時期があっても、自立に向けて戦っているんだ、と思うとそれもまたいとおしく思えますよね。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

 

出典:JA広報通信2017年12号

 

 

平成29年11月号

平成30年1月号

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