JA鈴鹿

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知っ得コーナー(平成29年7月号)

[楽しい園芸・野菜のルーツ] [ベジタブルライフ] [私の食育日記] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】
秋から春先まで、新鮮な味と栄養価が魅力のブロッコリー

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

抗がん作用が高いと注目される野菜です。カロテンとビタミンCが豊富で、免疫力アップや抗ストレス効果も。カリウム、鉄、クロムなどのミネラルも含まれています。
家庭菜園で秋から早春まで長く取り続けるには、品種選びが大切です。頂花蕾(ちょうからい)だけでなく、側花蕾(そくからい)も取れる「頂花蕾側花蕾兼用」品種がお薦めです。
種まきの適期は7月中旬です。育苗期は高温期に当たりますが、秋の生育適温下で最大成長するので育てやすいのです。頂花蕾は10月下旬、側花蕾は10月下旬から3月ころまで長期間収穫できます。
育苗は128穴のセルトレイ、少ない本数で良ければ3号ポリ鉢に3~4粒まきとし、育つにつれて逐次間引きし、1本立てにします。
セル育苗では本葉3~4枚、鉢育苗ではやや大きく本葉5枚ぐらいの苗に仕上げて本畑に植え付けます。育苗期間は暑い盛りなので、苗はできるだけ風通しの良い、涼しい場所を選び、強光時にはよしず、遮光ネットなどで覆い、灌水(かんすい)は朝夕にたっぷり与えるなど、常に目配りし、入念に管理しましょう。
保水力のある有機質に富む土壌を好むので、植え付ける畑には少なくても半月ぐらい前に、植え畝の中央部に、くわ幅10~12cmの溝を掘り、良質の堆肥と油かす、化成肥料を長さ1m当たり堆肥5~7握り、油かす大さじ7杯、化成肥料同5杯ぐらいを施します。成長が盛んになったら月2回ぐらい、化成肥料を1株当たり大さじ1杯ぐらい追肥します。頂花蕾を収穫したときには多めに追肥し、側花蕾の発達を促します。
根は湿害に弱く、秋の多雨による病害の発生の恐れがあるので、株元が低くならないよう、特に多雨後の排水に注意してください。
茎の太さの割に草丈が高くなるので、風当りの強い所では小支柱を立てて転倒を防止しましょう。
頂花蕾は径12~13cmぐらいで収穫します。茎を長く付け過ぎると側花蕾の数が減るので、短く切り取ります。側花蕾は大きくはなりません。径4~5cmほどで収穫します。いずれも蕾(つぼみ)が大きく膨らむと品質を損ねますので、緑が濃く花蕾が締まっているうちに収穫します。
アブラナ科の野菜は、苗のうちからアブラムシ、コナガ、アオムシや黒斑病、軟腐病などにやられるので、早期に発見、適農薬を散布して防ぎましょう。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【ベランダでできるキッチンガーデン】つるなしインゲン(マメ科インゲンマメ属)

土壌医●藤巻久志

 

インゲンは改良が進み、ほとんどが筋なし品種になりましたが、子どもの頃、筋取りの手伝いをしたことがある人は多いと思います。子どもはお手伝いでいろいろなことを学びます。ぜひキッチンガーデンでも子どもにお手伝いをさせてください。
インゲンは関西では三度豆というように、生育期間が短いので何回も種まきできます。温暖地・暖地では8月末までまけます。
インゲンにはつるあり品種とつるなし品種があります。どちらの品種も、日当たりが良ければ、ベランダでも栽培できます。つるなし品種は早生で、支柱を立てる必要もないので、プランター栽培に適しています。
深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、種をじかまきします。株間を20cm取り、瓶底などで土の表面を軽く押してくぼみを作り、1カ所に4、5粒を少し間隔を空けてまきます。覆土の厚さは種の大きさの2~3倍とします。
発芽して本葉が2枚になった頃、1カ所2本立ちにします。残す株元を手で押さえて、根が傷まないように間引きます。
花が咲き始めたら、1000倍程度の液肥を1週間に1回施します。肥料が多過ぎると葉ばかり様(つるボケ)になり、落花やアブラムシの発生の原因にもなります。
土が過湿や乾燥にならないよう、水やりは朝やって夕に土の表面が乾く程度とします。土がいつも湿っている状態になると、酸素欠乏になり根が傷みます。開花期に乾燥すると、落花や落莢(らっきょう)が多くなります。
開花後2週間ぐらいで収穫期を迎えます。実が少し膨らんだ頃、さやが柔らかいうちに若取りします。取り遅れないように順次収穫していきます。
取りたてのインゲンは甘味があり、ゆでてマヨネーズを掛けるだけでムシャムシャ食べられます。和洋中、いろいろな料理にも使えます。ゆでて冷凍保存もできます。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

ナス - 個性豊かな地方品種が古い歴史を物語る

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 

 


KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

私の食育日記

メープルシロップ

タレント・食生活アドバイザー●岡村麻純

わが家では調味料の一つにメープルシロップを活用しています。メープルシロップとはカエデの樹液を煮詰めて作られる物で、まさに天然の甘味料です。天然といっても甘味は強いので、大人のようにパンケーキにたっぷり掛けて食べるのは子どもには甘過ぎますが、砂糖のように料理の甘味付けとしては栄養価も高くお薦めです。
できるだけ素材そのものの味を味わってほしいので薄味が良いと思いますが、幼児食の頃からはいろいろな本物の味を体験し、味のバラエティーを増やしていくことも大切です。そこで、甘味を付けるときも、砂糖だけでなく、蜂蜜やメープルシロップを使っています。メープルシロップは、蜂蜜のように1歳以降でないと食べられない理由とされる菌もなく、アレルギーも起こしにくいので、砂糖の代わりに使うにはとっても便利です。また、メープルシロップは砂糖や蜂蜜に比べてカロリーは低く、ミネラルが多く含まれています。特に不足しがちなカルシウムや体内のバランスを調整するカリウムが多く含まれています。
そんなメープルシロップも甘い甘味料、使い過ぎには注意が必要です。子どもは甘い物が大好きです。ですが、甘い物ばかり食べていると甘い物が癖になり、本来の野菜の甘味やその他の味が感じにくくなったり、甘くないと食べなくなったりしてしまう可能性があります。あくまで調味料として味付けのアクセントに使う程度が良いと思います。煮物やあえ物にほんの少しメープルシロップを加えるとこくがある甘さになり、子どもも大好きです。
幼児期の食事には、栄養を取るということの他に、味覚を鍛えるという役割もあります。
同じ甘さでも、いろいろな甘さを食べることで味覚の幅は広がっていきます。好きだからと同じ味ばかりに頼らず、ぜひいろいろな味を体験してみてほしいと思います。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2017年7号

 

 

平成29年6月号

平成29年8月号

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