JA鈴鹿

  • 気象情報
  • サイトマップ
  • 文字サイズ変更
  • 文字サイズ小
  • 文字サイズ中
  • 文字サイズ大

知っ得コーナー(平成28年7月号)

[楽しい園芸] [野菜のルーツ] [豆知識&簡単レシピ] [食の健康百科] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】 締まりよくずっしり重いハクサイ作りのコツ

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

p26_07saien_4c出来の良いハクサイの球は、70~100枚の大小多くの葉から構成されています。これだけの葉を、天候の変わりやすい夏から秋にかけての短期間で育て上げるには四つのポイントがあります。それは「まきどき」「苗作り」「元肥と追肥」「病害虫対策」です。要点は次の通りです。

(1)まきどきを守る
まきどきは8月下旬ですが、早過ぎると暑さのため生育不良や病害虫に悩まされるし、遅過ぎると低温になり、また花芽が分化し葉の大きさや枚数が確保できなくなります。生育適温は15~20度なので、その温度帯に最大生長期が重なることが大切です。品種の特性と地域に応じたまきどきを守ることです。まきどきの幅は5日ぐらいと限定されます。

(2)セルトレイで健苗を作る
128穴のセルトレイを用いるのが便利です。育苗専用の、ピートモスを多めに含んだ用土を用い、各穴に均一に詰め、軽く指先で押さえて調整し、セルの仕切りが見えるようすり切り、たっぷり灌水(かんすい)してから、各穴4~5粒の種をまきます。そしてふるいで均一に3~4mmの厚さに覆土し、もう一度軽く灌水し、新聞紙を2枚重ねに覆い、乾いたら上から灌水します。3~4日で発芽するので、遅れずに新聞紙を取り除き、晴天なら朝夕灌水し、育つにつれて間引き1本立てにし、20日ほどで本葉3~4枚の苗に仕上げます。植え付けは1カ所2本ずつとし、本葉4~5枚になったら1本立てにしましょう。

(3)元肥と追肥を入念に
ハクサイは多肥を好むので、元肥には良質の完熟堆肥と油かす、化成肥料、できれば有機配合も加えて多めに施します。根系は浅く広く分布するので、畝全面にばらまき18~20cmの深さによく耕し込みます。
追肥は植え付け半月後に第1回を株の周りに施し軽く土に混ぜ込みます。その半月後に第2回を、さらに12~14日後に第3回を、畝の側方に軽く溝を切って化成肥料を施し、畝に土を寄せ上げます。こうして短期間にどんどん生育させましょう。

(4)病害虫対策
育苗中や定植後アブラムシやヨトウムシにやられやすく、生育盛りに入ると軟腐病、黒斑病、ベト病などに要注意。初期に防虫ネット被覆、その後は薬剤の早期散布で防除します。葉を傷めないよう注意してください。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【手軽にできる有機ベランダ栽培】 キャベツの夏まき栽培

明治大学特任教授●佐倉朗夫

 

p27_07veranda_4c温暖地で8月に植え付けるキャベツの栽培を夏まき栽培といいます。夏まき栽培は、暑さや病害虫の対策が大変で、一見難しそうですが、生育の後半は、冷涼な気候を好むキャベツの生育適温期に入ります。適期に種まきをすれば、厳寒期の前に収穫を終えることができます。
ベランダ栽培では園芸店や農家から苗を購入して始めるのが良いでしょう。コンテナにじかまきする方法もありますが、この場合は7月下旬から8月上旬の間に種まきをしないと間に合いません。品種は小型で生育が早い年内収穫用を選び、初心者にはミニキャベツがお薦めです。
キャベツの成長と結球は、コンテナの大きさと関係するので、球を大きく育てたいときは深さ30cmくらいの深型にしますが、深さ20cm弱の標準型のコンテナでもそれなりの大きさに育ちます。株と株の間は20cmぐらい開けて植え付けるので、縦横が60cm×20cm程度の標準的なコンテナでは1条植えで、1コンテナ当たり3株です。じかまきするときも株間や本数は同様で、1カ所3~4粒を点まきし、間引きを行いながら、本葉4~5枚の時期に1本にします。
追肥はぼかし肥を使い、植え付け後10日目に1回目を行い、その後20日ごとに1回、1株当たり10gを施します。水やりは適宜行いますが、結球が始まったら特に多めにします。これとは別に、ニーム油かすを株の周辺の土面と外葉の葉面に1株当たりひとつまみ(3g)ずつ、パラパラとまきます。ニーム油かすは独特の臭いがあるので、ベランダでの使用は、周辺の状況を考え十分に注意してください。
防虫対策として、コンテナをサンサンネットか不織布でトンネル状に被覆すると効果があります。虫が裾から入らないように、裾をコンテナの縁に折り返してから固定します。トンネルは11月になったら外して太陽の光を十分に与えます。また、ある程度の寒さに当たった方が甘味も増します。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

ゴーヤ - 独特の苦味成分が夏バテ予防の味方

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 

p34_07_vegilife

 

KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –

新鮮食材で楽しくクッキング① スパニッシュオムレツ

料理研究家 ●波多野充子

 

p35_07shinsen-a

■材料(3人分〈18cmのフライパン〉) 1食当たり約267kcal

 

卵 ………………………………… 4個
ジャガイモ ……………………… 2個
タマネギ ……………………… 1/2個
ピーマン ………………………… 1個
ミニトマト ……………………… 4個
イタリアンパセリ ……………… 2本
ニンニク ………………………… 1片
EVオリーブ油 ……………… 大さじ2
塩 ………………………… 小さじ1/2
こしょう ………………………… 適量

■ 作り方

  1. ジャガイモは薄切り。ニンニクは縦2等分。タマネギ・ピーマン・イタリアンパセリは2cmくらい、ミニトマトは4等分する。
  2. フライパンにEVオリーブ油小さじ2とニンニクを入れ、弱火でニンニクの香りが出たら取り出す。ジャガイモとタマネギを炒め合わせ、水大さじ3(分量外)・塩少々・こしょうを加え、ふたをして3~5分、ジャガイモが軟らかくなるまで蒸し煮にする。
  3. ボウルに卵を溶き、残りの塩・こしょうで味付け、(2)と他の野菜を加える。
  4. 小さめのフライパンに残りのEVオリーブ油を熱し(3)を入れて大きくかき混ぜる。半熟になったらふたをして弱火で6~8分、ひっくり返して2~3分焼く。

ジャガイモなどの野菜がたっぷり入った、みんなが大好きなふわふわオムレツです。小さめのフライパンを使うと、厚みが出てふっくらと焼けます。ひっくり返すときは大皿をふたのようにし、一度取り出すと上手に返せます。

新鮮食材で楽しくクッキング② アジの塩焼きポン酢浸し

 

p35_07shinsen-b

■材料(2人分) 1食当たり 約105kcal

 

アジ ……………………………… 2尾
ショウガ ………………………… 少々
ミョウガ ………………………… 1本
大葉 ……………………………… 4枚
ポン酢 …………………………… 適量
塩 ………………………………… 適量

■ 作り方

  1. アジは尾から頭に向かって包丁の背でうろこを取り、ゼイゴを尾の側からそぎ取る。えらも包丁の先で取る。盛り付け時に裏側となる腹を4cmほど切り、はらわたを取り出してよく洗い、水気を拭き取る。火が通りやすいように、身の厚い部分に切れ込みを入れる。
  2. アジの全体に振り塩をし、冷蔵庫で15~30分ほど置き、出てきた水分を拭き取り、化粧塩少々を振る。尾とひれにはたっぷりと塩をまぶす。
  3. ショウガ・ミョウガ・大葉は千切りにする。
  4. グリルで裏側となる面を中火で6~7分、ひっくり返して表側になる面を3~4分焼く。
  5. 皿に焼いたアジを入れ、ポン酢と(3)をたっぷり掛ける。

焼きたてはもちろん、冷ましてポン酢が染み込んでからもおいしい焼き魚料理です。うろこや内臓の処理が難しければ、お魚屋さんにお願いしましょう。振り塩をしてから休ませると、さらにおいしくなります。目が白くなり、切れ込みが開いてきたら焼けてきたサイン。魚の頭が左側を向くように盛り付けましょう。

私の食育日記

食の大切さ

タレント・食生活アドバイザー●岡村麻純

p27_07syokuikunikki_4c食を愛する私は、食べることは生きること、そんなふうに思っています。わが子の小さな体も毎日の食事で少しずつ大きくなっていると思うと、1回の食事も感慨深いものに思えてきます。そんな思いもあって、わが子にも食を大切にする子になってほしいと願っています。
しかし、最も食のえり好みをするといわれ、いやいや期でもある2歳の息子。これが食べたい、これじゃないという主張が激しくなってきました。先日そんな流れから、おかずをお皿ごと投げ飛ばされてしまいました。毎日必死で料理をしている母親にとって、とても悲しい瞬間です。投げないで! と言っても本人はいたずらの延長なのか笑っています。そのとき、どのようにこの悲しさを伝えればよいのか、とても悩みました。
「このお野菜はね、農家の方が一生懸命……」と話してみても、2歳になりたての息子には知らない単語が多過ぎますし、「お魚にだって命があってね」という生命の教育もさすがにまだ早い気がします。そこで悩んだ揚げ句、「今投げたお野菜はね、パパが毎日お仕事に行ってくれているおかげで食べられるんだよ。このご飯のためにパパは遊びたいのを我慢してお仕事に行っているんだよ」と言ってみました。パパと遊ぶのが大好きで、最近お仕事に行くということを理解してきた息子には一番伝わるのではと思ったからです。すると、ひたすら考えているような顔をしていました。そして次の食事のとき、「パパお仕事行っちゃったね。ご飯食べられるね。いただきます」と言いました。子どもながらに少しは理解してくれたのではと、とてもうれしい気持ちになりました。
食の大切さは、成長とともに食育を通していろいろな角度から学んでいくものです。今は、そのとき息子の心に響く言葉を探して、毎日食べられていることが幸せなことで、感謝すべきことであるということを少しでも感じてくれればと思います。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2016年7号

 

平成28年6月号

平成28年8月号

ページトップに戻る