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知っ得コーナー(平成28年5月号)

[楽しい園芸] [野菜のルーツ] [豆知識&簡単レシピ] [食の健康百科] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】 キュウリ作り成功のポイント

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

p26_05saien_4c爽やかな緑と香味、心地良い歯触りが大きな魅力で、夏の食卓には欠かせません。長らく野菜の王座を占めていましたが、今ではトマトやイチゴなどに追い抜かれ一般家庭の消費は低迷しています。その原因としては、家庭での浅漬けの減少、規格が統一されて用途がサラダに限定されてしまったことなどが挙げられますが、家庭菜園であれば新鮮で収穫の大きさも自由に選ぶことができ、多彩な調理法も楽しめます。
上手に育て上げ、良果をたくさん得る成功のポイントは次の5点です。

(1)早い育ちに応えられるように元肥、追肥を上手に適期に施す
植え付けの20日以上前に、畝全面に堆肥、ピートモス、有機配合、化成肥料をまき、18~20cmの深さによく耕し込みます。生育吸収が早いので初期から肥効が十分表れることが重要です。
追肥は半月に1回くらい、化成肥料と油かすを与え、肥料切れをさせないことが大切です。

(2)誘引、摘心を早めに入念に
毎日見回って図のように子づる(孫づるも同様に)の摘心を行い、親づるの支柱への縛りを遅れずに行いましょう。葉が込み過ぎたら、重なり葉や老化葉、病葉を摘除し採光、通風を良くします。

(3)マルチと灌水(かんすい)で防乾
根張りが浅く、根はもろく乾燥に弱い一方で、葉は大きくて蒸散が盛んなので、それに応じる水分補給と、地面蒸発防止のフィルムマルチや敷きわらが欠かせません。

(4)病害虫防除の薬散を適期に
べと病、炭そ病、アブラムシなどに要注意。特定の株から発生しやすいので、早期に発見、薬剤の早期散布を心掛けましょう。

(5)草勢に応じた大きさで収穫を
収穫果のサイズ100g程度は市場流通でのこと。自家産はそれにこだわらず大きめ(味はこれが一番)、草勢が衰えたら小さめ(もろきゅうとして利用)、花丸(雌花開花中のもの、つま物として)、開花中の雄花(料理の飾りとして)など、自由度の高い収穫サイズを楽しみましょう。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【手軽にできる有機ベランダ栽培】 ハツカダイコン

明治大学特任教授●佐倉朗夫

 

p27_05veranda_4c有機ベランダ栽培で失敗の少ない野菜の代表格はハツカダイコンです。小型で生育期間が短く、病害虫の心配も少ない上、形や色のバリエーションが多く、作るのも食べるのも楽しい野菜です。
外気温が10度を超えたらいつでも種まきができますが、7~8月中旬の盛夏は避けます。ハツカダイコンの色は赤、白、紅白、根形は丸形、卵形、長形とさまざまなので、品種選びも楽しみの一つです。どれを選んでも栽培方法は同じです。
コンテナは深さが15cmほどあれば十分で、列間を10cmとして列状に育てます。標準プランターならば2列が適切です。まずは、地表面に割り箸などを押し付けて深さ5mm程度のまき溝を作ります。まき溝に5cm間隔に種を2~3粒ずつ置きます。種同士は少し離します。次に周りの土を寄せて種の上に薄く掛ける(覆土)、軽く手で押さえ(鎮圧)、水をやります。
この後、列の両側に種まきした場所が隠れないよう、枯れ葉や枯れ草をごく薄く敷き、乾燥を防ぎます。
夏は20~30日で収穫ができるので、種まきを2週間くらいの時差で何度か行うと、連続して食べることができます。
種まきから3~4日で発芽するので、子葉が重なって出てきた部分だけ1本にし、1カ所2本にします。間引いた株に引っ張られて残した株が浮き上がるので、株の両側から土を寄せしっかりと立たせます。その後2週間くらいたって隣と葉が重なるようになったら、小さい方の株を間引き1カ所1株だけ残します。
種まき直後は、コンテナは乾燥しにくい場所に置きますが、発芽したら日当たりの良い場所で育てます。乾燥するので3~4日に1回霧吹きなどで地表面をぬらすように灌水(かんすい)します。
害虫の発生が心配なら、種まきと同時に8月ぐらいまで、サンサンネットなどの白色の寒冷しゃをトンネル状に被覆するとよいでしょう。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ

ズッキーニ - 人気急上昇! 淡泊な味わいで使い勝手の良さが魅力

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 

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KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –

新鮮食材で楽しくクッキング① ペンネアラビアータ・アスパラ風味

料理研究家 ●波多野充子

 

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■材料(2人分) 1食当たり約485kcal

 

ペンネ ………………………… 160g
トマト水煮缶 …………………… 1個
ニンニク ………………………… 1片
赤唐辛子 ………………………… 1本
グリーンアスパラガス ……… 3~4本
ブラックオリーブ ……………… 6粒
EVオリーブ油 ……………… 大さじ2
塩 ………………………………… 適量

■ 作り方

  1. ニンニクは芯を除き粗みじん切り、赤唐辛子は種を除き細切り、グリーンアスパラガスは根元の堅い部分の皮をむき3~4等分にする。種なしのブラックオリーブを輪切りにする。
  2. フライパンにトマトを手でつぶしながら入れ、ニンニク、赤唐辛子、EVオリーブ油大さじ1を加え中火で煮る。グツグツし始めたらオリーブを加えて弱火で煮る。甘味が出てきたら、塩少々とグリーンアスパラガスを加え火が通ったらソースは完成。煮詰まり過ぎた場合は、ペンネのゆで汁を加える。
  3. (2)と同時に、たっぷりのお湯に塩を入れ表記の時間でペンネをゆでる。
  4. ゆで上がったペンネを(2)に入れて手早くソースとあえ、EVオリーブ油大さじ1を絡めて火を止め、熱々をいただく。

アラビアータとは、トマトソースに赤唐辛子の辛味を利かせたソースで、語源は「怒りん坊」とか。トマトの酸味と唐辛子の辛味がおいしさの秘訣(ひけつ)なので、あまり火を通さず12~13分で出来上がるのもうれしいパスタ。アスパラガスの色と香りもお楽しみください。

新鮮食材で楽しくクッキング② 野菜とタイの紙包み焼き

 

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■材料(2人分) 1食当たり 約276kcal

 

タイの切り身 ………………… 2切れ
アサリ …………………………… 6粒
セロリ ………………………… 1/2本
ピーマン ………………………… 2個
エリンギ ………………………… 1本
ミニトマト ……………………… 6個
ケーパー …………………… 小さじ1
レモン ………………………… 1/2個
白ワイン …………………… 大さじ4
EVオリーブ油 ……………… 大さじ2
塩・こしょう …………………… 適量

■ 作り方

  1. タイは塩、ワイン少々を振っておく。アサリは砂出し後、よく洗っておく。
  2. セロリは筋を除き、大きめのざく切り。ピーマンは縦4等分。エリンギは薄切り。ミニトマトは半分に切る。
  3. 30cm×40cmのオーブンペーパーの中央より手前にタイを置き、その上に(2)の野菜とアサリを載せる。
  4. 塩、こしょう、ケーパー、白ワイン大さじ2、EVオリーブ油大さじ1を加える。
  5. ペーパーを向こうから手前に折り、2枚を合わせて数度しっかりと折り、左右も折り込みながら密封する。
  6. オーブンを220度に温め、(5)を入れ10~12分ほど焼く。
  7. 器に載せてペーパーを開き、レモンを搾っていただく。

オーブンペーパーでうま味や香りを閉じ込め、開けた瞬間に広がる香りも絶品な一皿です。中は密封されるのでお魚はふんわり軟らかに仕上がります。鍋いらずで後片付けも楽ちんなクイック料理。おいしいスープもパンなどに付けて忘れずにお召し上がりください。

私の食育日記

幼児期の食事

タレント・食生活アドバイザー●岡村麻純

p27_05syokuikunikki_4c私の息子は間もなく2歳になります。この時期になると、食べられる物も増え、どこまで大人と同じ食事にするかとても悩むころです。
子どもの乳歯が生えそろうのは3歳前後、生えそろってもまだ、咀嚼(そしゃく)能力は未熟です。乳歯は永久歯に比べて虫歯になりやすいため、歯に負担になるほどの硬い物は避け、味付けは薄めにし、極端に甘い物は控えて虫歯予防に配慮した、幼児に合わせた食事が必要です。
そしてこのころはまだ、消化吸収機能も未熟です。その上、幼児自身が体調や食欲に合わせて適切な食品を選んで食べる量を調節する、ということはできません。私の周りでも子どもの食べ過ぎが原因で吐き戻しや、おなかを壊してしまったという話をよく聞きます。このころは、周りの大人が発育に合った食品を選び、食事の量も調節していかなければならないようです。とはいうものの、わが子も同じ年齢での目安量をはるかに超えた量を食べています。そのことで心配した時期もありましたが、この時期は子どもによって体の大きさも、運動量も大きな差があります。その子に合った食事量を日々の食事の中でつかんでいくことも大切なようです。
2歳ごろは好き嫌いや食べむらが出始める時期でもあります。そんなとき、無理に食べさせようとするとより好き嫌いが増えてしまうこともあります。食べないときは短時間で食事を終わらせて、次の食事のときにその分食べることができるようにするとよいようです。その間おなかがすいたからとお菓子をだらだらとあげるのではなく、次の食事の時間を早めるなど、できるだけ食習慣は乱さない心掛けも必要です。
1歳過ぎからの幼児期は食事の習慣、マナーを学ぶ上でもとても大切な時期です。忙しい毎日でも、1日1回は家族と一緒に食事をし、体の成長だけでなく、心の成長も食事から学んでいってほしいと思います。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2016年5号

 

平成28年4月号

平成28年6月号

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