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知っ得コーナー(平成28年4月号)

[楽しい園芸] [野菜のルーツ] [豆知識&簡単レシピ] [食の健康百科] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】 大玉トマト作り成功のポイント

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

p26_04saien_4cトマトには豊富な栄養分やリコピンの抗酸化作用があり、がんや動脈硬化の予防効果も期待されます。またうま味成分であるグルタミン酸を極めて多く含み、食味を豊かに魅力あるものにしてくれます。生食や煮物をはじめ用途は幅広く、毎日のみそ汁の具にしても楽しめます。
種類は大玉系、中玉(ミディ)系、小玉(ミニ)系とあり、改良が進み実に多彩な品種が出回っていますが、作りこなしたいのは何といっても大玉系です。育て方が難しいだけに、成功の喜びはまたひとしおです。
成功のポイントは次の4点です。作業の順を追って述べましょう。

(1)元肥の施し方
トマトの根系は、土中で縦型に深く分布するので、これをしっかり形成させることにより過乾、過湿に耐える健全な育ちにすることができ、各花房の果実を確実に着果、肥大させ、尻腐れや裂果などの障害を防げます。2列植えの畝の中央に、幅30cm、深さ40cmぐらいの溝を掘り、粗大有機質(稲わら、刈り草、芋づるなどの中熟堆肥)、油かす、化成肥料などを早めに施します。

(2)大苗にして定植
育苗は4号ポリ鉢で8~9葉展開まで行い、1~2花開花してから畑に植え出します。確実な着果を図るには着果ホルモン(トマトトーン50倍液)の散布がお勧めです。小苗定植では後の生育バランスが極めて取りにくいです。

(3)追肥の適期を守る
早く施し過ぎると窒素成分が効き過ぎ、茎葉の徒長を招きます。第1花房の確実な肥大を見届けてからにしましょう。果実の横径が5~6cm以上になったころが目安です(施肥量は1株当たり油かすまたは有機配合大さじ4杯、化成肥料大さじ3杯ぐらい)。その後生育の様子を見て15~20日に1回ぐらい同量を施します。梅雨中は与えないことです。

(4)芽かき、薬散を遅れずに
脇芽の伸びは極めて早いので、3~4cmの長さに伸びる前に必ず行うようにしましょう。毎日、少なくても1日置きです。特に5~6段以上も長期に取り続ける場合は、摘心した上に出る物も必ず取ります。
病害虫は必ず発生します。初発生は局部的ですので、早期に適応薬剤を正しい利用法で散布して防ぎます。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【手軽にできる有機ベランダ栽培】 オクラ

明治大学特任教授●佐倉朗夫

 

p27_04veranda_4cオクラは暑さに強く日本の夏には最適です。他の野菜が夏バテする中で青々と生育し、10月上旬まで栄養豊富な実と黄色いきれいな花を楽しませてくれます。さらに、害虫被害を抑制する効果も期待できるので、夏の有機コンテナ栽培の一つはオクラにしましょう。
種まきは5月に入り地温が上がってから行います。購入苗を植えてもよいですが、直根性のために植え傷みすることもあります。オクラの種は皮が堅いので、一晩水に漬けてからまくと発芽が良くなります。
まず、コンテナの土に、缶コーヒー(200ml入り)の空き缶などを使い、深さ1cmの種をまくくぼみを付けます。間隔は15cmで、コンテナの長さが60cmの場合は4カ所にまくことになります。種は1カ所に4粒まき、周りの土を寄せて種の上に薄く掛け(覆土)、軽く手で押さえ(鎮圧)、水やりをします。
この後、種をまいたへこみを除いた全体に枯れ葉や枯れ草をごく薄く敷き、乾燥を防ぎます。
4~5日で発芽するので、本葉が3~4枚になったら2本に間引き、本葉5~6枚で1本立ちにします。間引きははさみを使い地際から切り取ります。
コンテナ栽培では畑で育てるほど草丈は伸びませんが、倒れたり傾いたりしないように長さ1mほどの支柱をそれぞれに立て、支柱同士を横に連結し倒れないようにします。
オクラは肥料を多く必要とし、収穫も長期にわたるため、肥培管理が重要です。追肥は、最終間引きどきと花が咲きだしてから2週間に1回の割合で行います。4株当たりぼかし肥料20gをコンテナの縁に沿って株の両側に均等に施します。水やりは生育が旺盛な真夏にはほぼ毎日になります。
枯れ上がった下葉は早めにはさみで切り取り、収穫は果実の長さ8cmを目安に若取りすることで、木への負担が少なくなり実付きが良くなります。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ NEW

セロリ - 爽やかな香りで料理を引き立てる名脇役

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 

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KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –

新鮮食材で楽しくクッキング① タケノコと野菜の重ね焼き

料理研究家 ●波多野充子

 

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■材料(4個分) 1食当たり約114kcal

 

ゆでタケノコ(小さめ) ……… 1本
ナガイモ ………………… 6~7cm
長ネギ ……………………… 1本
シイタケ ……………………… 4個
溶けるチーズ ………………… 15g
アンチョビ ……………………… 1片
ごま油 ……………………… 大さじ1
しょうゆ …………………… 大さじ1
酒 ………………………… 大さじ1
みりん ……………………… 小さじ1
水 ………………………… 大さじ1
ピンクペッパー ………………… 適量

■ 作り方

  1. タケノコの根に近い側は1.5cm厚さに4枚切り、残りは食べやすい大きさに切る。ナガイモは皮をむき1.5cm厚さに4枚切る。長ネギはナガイモと同じ長さに8本切る。シイタケは石突きを取る。
  2. フライパンを温めごま油を熱し、まずタケノコ、ネギ、シイタケの両面を焼き、火が通ったらナガイモも加えてさっと焼く。
  3. タケノコの上にナガイモ、ネギ2本、シイタケの順に重ねチーズを載せる。
  4. アンチョビをほぐし、しょうゆ、酒、みりん、水と一緒に合わせておき、(3)に加えてふたをする(弱火)。
  5. チーズが溶けたら器に盛り付け、お好みでピンクペッパーを振る(さんしょうや黒こしょう、七味唐辛子などでも代用可能)。

旬のタケノコと丸い野菜を焼き・重ねる、和とイタリアンのコラボです。野菜たちの異なる食感と甘さ・香りなどがお口いっぱいに広がります。アンチョビとチーズの塩味がアクセントになりご飯もお酒も進みます。ナガイモのシャキッと感を生かすため、後から焼きましょう。

新鮮食材で楽しくクッキング② 甘い春キャベツご飯

 

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■材料(4人分) 1食当たり 約365kcal

 

米 ………………………………… 2合
キャベツ ………… 1/4個(約200g)
アサリ ………………………… 15個
油揚げ …………………………… 1枚
切り干し大根 …………………… 12g
梅干し …………………………… 2個
ショウガ ………………………… 1片
だし汁 … 酒としょうゆを含む2カップ
酒 …………………………… 大さじ1
しょうゆ …………………… 大さじ1
塩 …………………………… 小さじ1

■ 作り方

  1. 米は30分以上浸水後、水を切る。アサリは砂抜き後、殻をよく洗う。油揚げは熱湯で油抜き後、細めに切る。キャベツはザク切りにし、水気を切る。切り干し大根はさっと洗い1~2cmに切る。ショウガは千切りにする。
  2. 鍋に米を入れ、キャベツ以外の材料を全て加える(アサリは最後に載せる)。
  3. 沸騰するまで強火、その後弱火で13分加熱したら火を止め、アサリを取り出しキャベツを加えてからふたをして12分蒸らす。炊飯器の場合も同様に、蒸らしに入ると同時にアサリを取り出しキャベツを加える。
  4. まだキャベツはしっかりしているが、全体をふんわりと混ぜ合わせるとなじむので、梅干しの種を除き、アサリを戻していただく。

春キャベツと切り干し大根の甘味・梅干しの酸味が体に優しい炊き込みご飯です。柔らかい春キャベツを楽しむために、ご飯が炊き上がってから加えます。キャベツの存在感でボリュームもタップリ。アサリは小さくなってしまうので、取り出しておきましょう。

私の食育日記

味蕾

タレント・食生活アドバイザー●岡村麻純

p27_04syokuikunikki_4c子育てをするに当たって心掛けていることの一つに、わが子の持っている力を邪魔しないということがあります。子どもの成長力、そして発想力には大人はかないません。
積み木をするとき、何を作ろうか? と聞いてしまいがちですが、そこをぐっとこらえて見ていると、次々と面白い形に並べていきます。そのとき、何かを作ることが全てではないことに気付かされます。子どもが持っている多くの才能を、長く生きてきた大人の感覚で邪魔したくないというのが願いです。
食に関しても同じことがいえます。人は、口の中(舌)にある味蕾(みらい)という部分を使って味を認識します。乳幼児では1万個ほどある味蕾も年齢とともに減少し、高齢者は乳幼児の30%から50%も減少してしまうといわれています。年を取ると味の濃い物を好みがちになるのも、この味蕾の減少が影響していると考えられます。
味蕾はたばこや嗜好(しこう)品によっても減少しやすく、また濃い味の物を食べ続けることでも、味覚が鈍感になるといわれています。なので、息子の食事は、食材そのままやだし汁で煮た物を中心に、味付けはほんのわずかにしています。そんな食事を見て「こんな味の薄い物ばかり、かわいそうに」とか、甘いおやつを持ってきて、「こんなおいしい物を食べさせてあげないなんて」と言われることがあります。そのたびに「いや、子どもは素材その物のおいしさを私たち以上に感じることができるのです。甘過ぎる物をあげないことは、子どもの持っている力を邪魔しないためなんです」と訴えています。
ちなみに味蕾は新陳代謝が活発な細胞で、日々新しく生まれ変わっていきます。そのときに必要なのが亜鉛を含む酵素のため、亜鉛が不足すると味が感じにくくなるといわれています。亜鉛はカキや煮干しなどの魚介類、牛肉や卵黄などに多く含まれています。私たちも子どもたちに負けないように味蕾を大切にしていきたいと思います。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2016年4号

 

平成28年3月号

平成28年5月号

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