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知っ得コーナー(平成28年3月号)

[楽しい園芸] [野菜のルーツ] [豆知識&簡単レシピ] [食の健康百科] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】種々な食べ方で花も楽しめるオクラ

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

p26_03saien_4c独特のネバネバのもとは食物繊維として働くペクチンと糖タンパク質のムチン。血中のコレステロールを減らし、整腸効果や消化器を粘膜で覆って保護する効果があり、夏から秋にかけてのスタミナ野菜として優れています。
食べ方は、刻んで生のままだけでなく、ゆでたり、炒めたり、天ぷら、サラダに、漬け物など、実に幅広いです。
フヨウに似た黄色い花は、菜園や庭先で、盛夏から中秋まで目を楽しませてくれます。また花オクラ(花を食べる専用の品種あり)はデリケートで、収穫したらその日に食べなければなりませんが、刻んでサラダの彩りを良くしたり、生のまま刻んで納豆に混ぜたりして特有の粘りを賞味します。
高温性で、昼は25~30度、夜は20~23度が適温。10度以下の低温では生育が停止し、葉が黄変、落葉してしまいます。買い求めた苗を植えたら一向に伸びず、枯れてしまったりするという声をよく聞きますが、これは苗が低温に遭っていたり、植えた畑が寒過ぎる場合に多いのです。水不足と勘違いし、水をやり過ぎると地温が下がり過ぎ逆効果になったりします。
自家育苗の場合には3号ポリ鉢に、一晩浸種した種子を4~5粒まき、20度ぐらいに加温して育て、2本立てにして本葉4~5枚の苗に仕上げ、十分暖かくなってから畑に植え付けます。多湿に弱いので、排水を良くして植えます。ネマトーダに弱いので、前作物に多発した畑は避けましょう。
初めは枝分かれせず、葉形からして込み合うことはないが、初期収量は少ないので、それを補うために1カ所2株植えるのがお勧めです。
収穫が始まったら図のように株・果実の下の方の葉は順次摘み取り、盛んに伸びだしてきたら主枝の上の方を摘除して側枝に日を当て、よく伸びるようにしましょう。
半月に1回ぐらい、1株当たり大さじ1杯の化成肥料と油かすを、株の周りに軽く耕し込みます。
害虫には割合やられやすく、ようやく盛んに伸び始めるとアブラムシ・フキノメイガ・カメムシなどが発生しますので、発生を見たら早めに適応薬剤で防除しますが、近年は葉を巻いて産卵し、活発に食害するフタトガリコヤガの害が目立つ地域が増えてきました。被害葉は見つけ次第、葉と一緒に切り取り、小さい幼虫は葉ごと手でつぶしてしまうことが大切です。その後適応薬剤を丁寧に散布して防ぎましょう。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

【手軽にできる有機ベランダ栽培】有機栽培の基本は土づくり-

明治大学特任教授●佐倉朗夫

 

p27_03veranda_4c無農薬、無化学肥料栽培を有機栽培と考える人が多いと思いますが、それは入り口にすぎません。生物の多様性と物質の循環を基本とし、作物本来の生命力を引き出す栽培です。
 有機栽培の基本は土づくりです。有機栽培で一番苦労するのは病害虫対策だと思いますが、実は土づくりを上手に行えば、被害はさほど大きくなりません。畑が自然生態系の営みの一部として機能し、共生や寄生の関係が複雑化することにより、病害虫だけが極端に増えることがなくなるからです。また、生態系の世界は、生物の種類と個体数が圧倒的に多い土壌中につくられやすく、そこで作物の根が十分に成長すると地上部も健全に育ち、病害虫にも強くなります。その根の成長のためにも土づくりは重要です。
 土づくりは、肥料を与えることではありません。作物の根が育つのに必要な酸素が十分ある状態、作物の生育を助けてくれる微生物が多く集まる環境をつくることです。それによって植物は根を伸ばし、根が伸びることで土を耕します。すると通気性が良くなり微生物も増え、さらに根の成長が促されます。小動物や微生物は有機物を食べ(=分解し)、有機物が分解されてできた栄養分が土に蓄積し土がつくられます。森林の土は耕しもせず、肥料も与えないのに多くの植物が育つのは、このような植物と多様な生物との関係の中で、栄養分が循環しているからです。
 ベランダ菜園ではコンテナ(プランター)を使いますが、幅50~60cm、奥行き20~30cm、深さ30cmくらいあればほとんどの野菜が栽培できます。土は赤土(中粒赤玉土での代用可)、腐葉土を3:2で混ぜ、パーライトを10%加えて作ります。ここから5分の1程度を分け、できるだけ細かく砕いて播(は)種用の土にします。残りにぼかし肥料を土量1Lに対して1g混ぜたものをコンテナの底に敷き詰めた鉢底石の上に入れ、その上に播種用の細かい土を載せます。これで種まき、植え付けの準備は完了です。

シニア野菜ソムリエKAORUのベジタブルライフ NEW

アスパラガス - 生命力に満ちあふれた栄養満点の春野菜

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 

p34_vegigirlアスパラガスのプロフィル

【分類】ユリ科(キジカクシ科)
【原産地】南ヨーロッパ~ロシア南部
【和名】オランダウド、松葉ウド、オランダキジカクシ
【おいしい時期(旬)】4~6月
【主な栄養成分】アスパラギン酸、ルチン、葉酸
カロテン、ビタミンC・E、カリウムなど

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KAORU

日本野菜ソムリエ協会公認 シニア野菜ソムリエ
ラジオ局で報道キャスターを務める傍ら、野菜ソムリエの資格を取得。全国で第1号の野菜ソムリエとなる。現在は日本野菜ソムリエ協会の講師として野菜ソムリエの育成に力を注ぐ他、TV・ラジオ・雑誌などでも活躍。セミナーや講演、執筆活動も行っている。飲食店のレシピ開発や大手企業とのコラボ商品も多数手掛ける。大好きな野菜・果物について語る時間は何よりも幸せなひととき。
著書に『干し野菜手帖』『野菜たっぷり!サンドイッチレシピ』(共に誠文堂新光社)、『ポケット版 旬の野菜カレンダー』(宝島社)などがある。

豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –

新鮮食材で楽しくクッキング① フルーツティラミス

料理研究家 ●波多野充子

 

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■材料(直径6cmのグラス2個分) 1食当たり約307kcal

 

クリーム
 豆乳ヨーグルト …………………… 100g
 マスカルポーネチーズ ……………… 60g
 蜂蜜かメープルシロップ ……… 大さじ2
 ラム酒やリキュールなど ……… 小さじ1
イチゴ(中) …………………………… 8個
オレンジ ……………………………… 1/2個
ビスケット ………………………… 5~6枚
エスプレッソコーヒー ……………… 50ml

■ 作り方

  1. ヨーグルトは60~70gになるまで2~3時間水切りする(水切りは、ざるにキッチンペーパーを敷きヨーグルトを入れて冷蔵庫で)。硬めなヨーグルトの場合は水切りが不要の場合もある。
  2. クリームの材料を混ぜ合わせる(甘味と香り付けのお酒はお好みで量を調整)。
  3. ビスケットはコーヒーに浸す。コーヒーは濃いめのインスタントコーヒー(3gに熱湯50ml程度)でも大丈夫。
  4. オレンジとイチゴ4個は小さく切り、イチゴ4個は上部飾り用に大きめに切る。
  5. 容器にビスケット、クリーム、オレンジ、ビスケット、クリーム、イチゴ、ビスケット、クリームの順に入れる。冷蔵庫で冷やし、食べる直前にイチゴとオレンジを飾る。

生クリーム不使用でヘルシーかつ泡立ても不要な簡単ティラミスです。旬のフルーツが甘い香りと爽やかさをプラス。さらに豆乳ヨーグルトで軽やかに仕上げています。ヨーグルトの種類・甘さ・リキュールなどはお好みでアレンジしてください。マスカルポーネチーズがない場合は、常温に戻したクリームチーズでも代用できます。

新鮮食材で楽しくクッキング② フルーツクロワッサン

 

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■材料(2個分) 1食当たり 約390kcal

 

クリーム
 豆乳ヨーグルト ……………… 100g
 マスカルポーネチーズ ………… 60g
 蜂蜜かメープルシロップ …… 大さじ2
 ラム酒やリキュールなど ……… 少々
 レモン果汁 ……………………… 少々
イチゴ(中) …………………… 6~7個
チョコレート ……………………… 10g
クロワッサン ……………………… 2個

■ 作り方

  1. ヨーグルトは60~70gになるまで2~3時間水切りする(水切りは、ざるにキッチンペーパーを敷きヨーグルトを入れる)。
  2. クリームの材料を混ぜ合わせる(甘味と香り付けのお酒はお好みで調整)。
  3. クロワッサンは2つに開くように切れ目を入れる。
  4. イチゴは4等分程度に切り、チョコレートは粗く刻む。
  5. クロワッサンにクリームを塗り、イチゴを載せ、クリームとチョコをトッピングする。

フルーツティラミスと同じクリームにレモン果汁を加え、朝食にも楽しい一品。クリームは冷蔵で3日ほど日持ちするので、2品分一緒に作っておくと便利です。こちらは出来たての方が、クロワッサンがサクッとおいしくいただけます。イチゴ以外にバナナやあんこなど、いろいろな物を挟んでお楽しみください。

私の食育日記 NEW

旬のジャガイモ

タレント・食生活アドバイザー●岡村麻純

p27_03syokuikunikki_4c私には間もなく2歳になる息子がいます。とにかく食べることが大好きで、いろいろな野菜を、ただ蒸しただけでもおいしそうに食べてくれます。しかし、なぜかジャガイモだけが苦手なようです。ジャガイモが大好きな私としては少し寂しいです。
そもそもジャガイモはビタミンCがとても豊富な野菜。100g当たりミカンと同じくらい含まれています。さらにジャガイモのビタミンCは、加熱調理しても失われにくいのが特徴で、まだ加熱野菜が中心の息子にはぜひ食べてほしい野菜でもあります。そんな私が期待しているのが、この時期に出てくる新ジャガイモです。
新ジャガイモとは主に収穫してすぐのジャガイモのことをいいます。日本のジャガイモのほとんどが北海道で生産されており、夏に収穫後、貯蔵されて安定的に一年中出回っています。しかし、収穫後すぐに出荷する新ジャガイモは、春から夏ごろまでの期間限定です。新ジャガイモは完全に成長する直前で収穫をするため、比較的小粒で、皮が薄く、みずみずしいため、子どもも食べやすいように思います。
ジャガイモにおいて一つだけ注意したいのが、芽に含まれる毒性物質ソラニンです。新ジャガイモも保存を誤ると表面が緑色になってしまうことがあります。ここにもソラニンは含まれます。このソラニンは大量に摂取すると頭痛や吐き気を引き起こす可能性があり、子どもの場合はさらに症状が悪化する危険があります。この毒性物質は加熱してもなくならないため、きちんと取り除いて調理する必要があります。
そもそも水分が多いため、新ジャガイモはジャガイモより保存は利きません。せっかくの収穫したてのジャガイモ、できるだけ早くおいしくいただきたいです。新鮮な新ジャガイモで、わが子がジャガイモを大好きになってくれることを願っています。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

出典:JA広報通信2016年3号

 

平成28年2月号

平成28年4月号

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