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知っ得コーナー(平成28年1月号)

[楽しい園芸] [野菜のルーツ] [豆知識&簡単レシピ] [食の健康百科] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】春一番の種まき、育ちも早くおいしい小カブ

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

p25_01saien_4cわが国への渡来は縄文時代の後期ともされる大変古い野菜。長い栽培の歴史の中で、全国各地に根付き、好みや用途に合わせて、たくさんの地方品種が生まれてきました。
これらの品種を取り入れ栽培してみるのも楽しみですが、中でも小カブ(金町系)は品種改良が進んでおり、生育期間が短く、色、形のそろいも良く、おいしいので家庭菜園にはお薦めです。作型を選べば、ほぼ一年中栽培できるのが楽しみですが、他の野菜に先駆けて、春一番に種まきできるのも魅力です。
2月は、立春とはいえ、平年なら1月下旬からの寒さが続く厳しい時期。最低気温もこのころ現れる年も多く、霜も降りるので、通常なら野菜の種まきができる時期ではありませんが、プラスチックフィルムをトンネル状に覆い、密閉すれば中は春。多くの地域(関東南部以西の温暖地、北関東以北の寒・冷涼地では3~4旬遅れ)で、春一番の小カブの種まきができるのです。
育て方は、なるべく早いうちに図のように1.2m幅のベッドを作り、全面に良質の完熟堆肥、油かす、化成肥料をばらまき、15cmほどの深さによく耕し込んでおきます。そしてくわ幅よりやや広めのまき溝を3列作り、溝底を平らにならしておきます。畑が乾いていたら、まき溝の外にはみ出さないよう、じょうろで十分灌水(かんすい)しておきます。種まき後にトンネルを密閉するので、当分水分を保つようにたっぷり灌水しておくことが大切です。
種まきは、種子が大変小さいので、厚まきにならないよう1.5~2cm間隔の薄まきにし、1~1.5cmぐらいの厚さに覆土し、くわの背中で軽くてん圧し、ベッド全面に再び灌水してからフィルムをトンネル状に覆い、裾には十分土を掛けて密閉し、地温の上昇を図り、発芽と初期生育を促します。
発芽して本葉1~2枚に育ったならトンネルの頂部に小穴を開けて換気し、外気温が上がり、トンネル内部が30度を超えるようになったら裾を上げて換気し、温度が上がり過ぎないように気を付けます。
本葉2~3枚ぐらいに育つにつれて、株間が込み合わないよう逐次間引きを行い、灌水して乾き過ぎないよう注意します。生育中2回ほど、列の間に化成肥料を追肥し、軽く土に混ぜ込みます。
4月上旬以降外気が十分暖かくなったら徐々にトンネルを取り外して外気に慣らし、根径から5cm内外に肥大したら順次収穫、利用します。葉もおいしいので捨てずに、有効に利用しましょう。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

一足早く動きだす宿根草

●早川 京子

 

p26_01hana_4c立春を過ぎると、わが国のどこでも、気温は上昇期に転じます。草花も反応し始めます。まず、日本の山岳地帯の湿地が生まれ故郷であるサクラソウが2月上旬に動き始め、やがて多くの宿根草が根の活動を活発にします。そのころ、サクラソウは芽分け・植え替えをし、宿根草は元肥を施します。サクラソウの芽分けでは、古根に付いている大きな芽や中程度の芽を植えます。小さい芽は花が咲きません。でも、捨ててしまうのはもったいないので、養成して親株にしましょう。2月末に宿根草に与える肥料は、元肥になるもので、長く効いてくれる有機質を施しましょう。野菜や果実のくずでも大丈夫です。溝を掘って施し、土を掛けておきます。
3月になると、春花壇の作業が本格的に始まりますが、植え付けの1カ月くらい前の今月には、地ごしらえなど、準備をしておきましょう。
草花は、種子をまいても、苗や球根を植え付けても、まず根を伸ばしてくれて、水や養分を吸い上げることが、花を咲かすスタートになります。その根がよく伸びてくれるようにするには、土が大切になります。根が養水分を吸い上げるには、エネルギーが必要になります。人間はじめ動物が水を飲んだり、食べ物をかんで飲み込んだりするのに、何がしかの力が必要なのと同じことではないでしょうか。そのエネルギーを生み出すには、光合成で作ったでんぷんと、根の周りにある空気に含まれている酸素とを結び付けてエネルギーをつくり出します。ですから、根の周り、つまり、土が空気を十分に含めるようにしてやることが、非常に重要になります。
こんな土を作るには、冬の間の天地返しのような深耕が効果をあげますが、これをやっていなければ、シーズン直前の地ごしらえの折に、少し深めに耕して、堆肥や腐葉土など有機物も十分に入れて、ふっくらした土にしておきましょう。地ごしらえでは、石灰も施しておきましょう。

ベジフル歳時記・野菜のルーツ – 身近な野菜のルーツをご紹介します –

2月10日は「フキのとうの日」

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 

p26_01vegefru_4c俳句では春を表す季語としても知られるフキのとう。まだ寒い時期に地面から小さな顔を出し、早春を実感させる存在です。キク科の多年草で、フキ(蕗)の花茎の部分を指し、ヤマブキやフウキなどとも呼ばれています。生育中の花茎を食用とするため、成長を促す栄養素や機能性成分を豊富に含んでいるのが特徴。特に抗酸化作用を持つカロテンやビタミンC、代謝を促進するビタミンB1が多く、体の調子を整えるカリウムなどのミネラル、食物繊維などがバランス良く含まれます。
特有のほろ苦い風味が体を目覚めさせるともいわれ、その苦味成分には冬の間に体内にたまった老廃物を排出し、新陳代謝を活性化する働きが。近年では花粉症予防にも効果が期待されています。また若々しく爽やかな香りは、食欲を増進させ消化を助けるなど、季節の変わり目に感じやすい体調不良を緩和してくれることも魅力。その優れた効能は中国でも注目されており、古くから薬用として利用されています。
油との相性が大変良いため、一般的には天ぷらやフキみそにすることが多いのですが、上品な風味のだしでおひたしにしたり、みそ汁などに入れても美味。ニンニクとトウガラシの風味を利かせたオリーブ油ベースのパスタもお薦めです。また、タンパク質や脂質を豊富に含む豚肉で巻いたり、チーズと合わせてリゾットやピザにすると、苦味や香りが消化を促進し胃腸の働きを高める他、カロテンの吸収率もアップします。
山菜の中で最も早く芽吹き、春の訪れを知らせてくれるフキのとう。フキのとうがお目見えする頃には、日を追うごとに他の山菜類も出回りだすため、この日をきっかけに旬を彩る山菜全般に目を向けてみてはいかがでしょうか。タラの芽、ウド、ワラビ、ゼンマイ、コゴミ、ウルイ、ヨモギなど、それぞれ食感や風味に個性があって豊かな食卓が演出できます。じっくりと季節を感じ味わうぜいたくな時間が、体と心の栄養になることでしょう。

豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –

新鮮食材で楽しくクッキング① たっぷりダイコンの寄せ鍋

料理研究家 ●波多野充子

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■材料(2人分) 1食当たり約306kcal

 

ダイコン …………………… 1/2本
ニンジン …………………… 1/3本
水菜 ………………………… 1/2束
マイタケ …………………… 1パック
ネギ …………………………… 1本
豆腐 …………………………… 1丁
油揚げ ………………………… 1枚
タラ ………………………… 2切れ
ユズの皮 ……………………… 少々
だし汁 ……………………… 700ml
調味料
 酒 ……………………… 大さじ2
 しょうゆ ……………… 大さじ5
 みりん ………………… 大さじ1
 塩 ……………………… 小さじ1

■ 作り方

  1. ダイコンとニンジンは皮むき器で、長めにスライス。水菜、マイタケ、ネギ、豆腐は食べやすい大きさに切る。油揚げは熱湯を掛けて油抜き後、短冊切りにする。タラは3~4切れにする。
  2. ユズの皮は千切りにする。
  3. 土鍋にだし汁と調味料を入れ煮立たせた後(1)を加え、火が通ったら火を止め、ユズの皮を添える。お好みで仕上げにごま油を少量加えると、違った風味を楽しめます。※ダイコンはお好みのタイミングで入れる。

ピーラーでスライスしたダイコンをたっぷりいただきましょう。最初から煮ると甘くてトロトロ、最後に加えるとシャキシャキとみずみずしいダイコンを楽しめます。締めはおいしいおだしにうどんを入れるのもお勧めです。

新鮮食材で楽しくクッキング② 米粉のイタリアンチヂミ

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■材料(20cmのフライパン2枚分) 1食当たり 約275kcal

 

生地
 米粉 ………………………… 80g
 かたくり粉 ………………… 20g
 塩 …………………… 小さじ1/2
 卵 …………………………… 1個
 水 …………………………… 適量
ノンオイルツナ缶 …… 1缶(70g)
ホールコーン ………………… 70g
ミニトマト …………………… 40g
ニラ …………………………… 3本
溶けるチーズ ………………… 30g
ごま油 …………………… 大さじ1
たれ
 酢 ……………………… 大さじ1
 しょうゆ ……………… 大さじ1
 蜂蜜 ………………… 小さじ1/2
 いりごま ……………… 小さじ1

■ 作り方

  1. ツナとコーンは水分を切る。ミニトマトは輪切りに。ニラは2~3cmに切る。たれの材料を合わせる。
  2. 卵に水を加え、1カップ分にする。生地の材料をボウルに入れ、よく混ぜ合わせてからツナ、コーン、ミニトマト、ニラ、チーズを加え混ぜる。
  3. フライパンにごま油を温め(2)の半量を入れ、中火で全体が固まり焼き色が付いたら裏返し、フライパンを回しながら両面を焼く。
  4. 食べやすい大きさに切り、皿に盛り付け、たれを付けていただく。

米粉は小麦粉に比べて油を吸収しにくく、グルテンが入っていないのでダマになりません。チヂミ、お好み焼き、天ぷらの衣などに使うと中がもちもち、外はカリッと仕上がります。食べたいときにすぐ作れるので、お好みの具材をアレンジしておやつにもどうぞ。

ベターホームのお料理教室

カブ

タレント・食生活アドバイザー●岡村麻純

p34_01カブは、キャベツやダイコンと同じアブラナ科の野菜です。カブは農耕が始まるよりずっと以前から利用されていてその歴史は古く、現代の多くの品種の原点になる野菜の一つといえます。中世のヨーロッパでは、18世紀にジャガイモが主流になるまで、カブが最も一般的な野菜であったそうです。日本においても『古事記』や『日本書紀』の中にカブと思われる野菜が登場することから、古くから使われていたことが分かっています。春の七草の一つ、スズナもカブのことです。
カブは根を食べる野菜と思われがちですが、葉の部分も大切です。昔はカブのことを「あおな」や「かぶらな」と呼んでいましたが、ここからも葉を中心に考えられていたことが分かります。今も、葉の部分を中心に食べる品種もあります。根の部分は淡色野菜ですが、葉の部分は緑黄色野菜に分類され、カロテンを多く含みます。このカロテンは体内でビタミンAに変わり、目や皮膚の粘膜を守る重要な働きをしてくれます。野菜に含まれるカロテンは、吸収率は低いのですが、油脂と共に取ると吸収率が上がります。炒め物や、つくだ煮のようにしてご飯のお供にしても、おいしくカロテンの吸収を高めることができます。
一方、根の部分には葉酸が多く含まれます。葉酸は成長や妊娠の正常な維持に重要な栄養で、特に妊娠中は欠乏しやすいといわれています。またカブの根は、炭水化物の分解を助けるアミラーゼという酵素が多く含まれる野菜でもあります。この酵素は加熱に弱いので、胃腸が弱っていて消化を手助けしたいときは生で食べることをお勧めします。
このように、カブは一つ食べるだけで、2種類の野菜を食べられてしまうような優れものです。根の部分と葉の部分を無駄なく調理しておいしくいただきたいです。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

RECIPE カブとサケのクリーム煮

p34_01shoku_recipe撮影:中里一暁

■材料(2人分) 一人分約319kcal

 

カブ …………………………… 3個(300g)
カブの葉 ……………………………… 50g
マッシュルーム ………………… 3個(60g)
サケ(甘塩) …………… 小2切れ(150g)
小麦粉 …………………………… 大さじ1/2
サラダ油 ………………………… 大さじ1/2
バター ………………………………… 20g
小麦粉 ……………………………… 大さじ1
A
 水 ……………………………… カップ1/2
 スープのもと …………………… 小さじ1
牛乳 ………………………………… 150ml
塩・こしょう ……………………… 各少々

■ 作り方(調理時間 20分)

  1. カブは茎を約1cm程度残して、葉を切り落とします。皮をむき6~8つ割りにします。葉は1枚を飾り用に取り置き、みじん切りにします。残りの葉は3cm長さに切ります。マッシュルームは4つ割りにします。
  2. サケは1切れにつき4~5つに切ります。小麦粉大さじ1/2をまぶします。フライパンに油を温め、サケの両面を焼き、焼き色を付けます。
  3. 別の鍋にバターを溶かし、カブ、カブの葉、マッシュルームを中火で炒めます。バターがなじんだら、小麦粉大さじ1を振り入れ、焦がさないように1分ほど炒めます。
  4. Aを加えてよく混ぜ、ふたをして弱火で2~3分煮ます。牛乳、サケを入れ、3分ほど煮て、塩・こしょうで味を調えます。
  5. 器に盛り、飾り用の葉を散らします。

出典:JA広報通信2016年1号

 

平成27年12月号

平成28年2月号

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