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知っ得コーナー(平成27年7月号)

[楽しい園芸] [野菜のルーツ] [豆知識&簡単レシピ] [食の健康百科] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】手軽に作れ、多回収穫で重宝するワケギ

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

p25_07saien_4c「分葱(ワケギ)」の名のある通り、1個の種球から株分かれして細いネギがたくさん伸びてきます。伸びてきたネギを刈り取ると、また葉が伸びてきて、生育期間中に4~5回刈り取り利用できるので、大変重宝します。
ネギとタマネギの仲間エシャロットの自然交雑で生まれた変種で、種子は取れず、もっぱら種球により増殖します。種球を植えることと、刈り取りした後に追肥するだけでよく、間違いなく良く育ち、失敗はほとんどありません。野菜の中では一番成功率が高いといって差し支えないでしょう。
7~8月になると園芸店に、ネット袋に入った種球が売り出されるので、これを買い求めて栽培します。
元肥として完熟堆肥、油かす、化成肥料を全面に施し、15cm内外に耕し込んだ畑に、列間60cm、株間15cmに、準備した種球を植え付けます。種球は7~8月に休眠から覚め、芽が伸び始めていますが、この芽先が地上にわずかに出るくらいの深さに植え付けます。深植えし過ぎると後の伸びが不良となりがちです。
芽が伸びだし、草丈が15cmほどになったころ、列の片側に油かすを少々追肥します。
秋に入ると株分かれした葉が盛んに伸びだしてきます。収穫は草丈が20cm程度に伸びたころから行います。株元を地上3~4cmほど残して、かまか刃物で刈り取ります。ネギ類は全てそうですが、切り口からすぐに中で分化した幼葉が伸びだし、元の形に育ちます。この新芽の育ちを良くするために、刈り取り後すぐに列の片側に、軽く溝を付けて油かすと化成肥料を追肥します。
列間の土が硬くなったら、時々中耕をして根の伸びを助長します。
収穫は4月下旬ごろまで、4月末ごろになると次第に葉の勢いがなくなり、次第に黄化し、ついには完全に枯れ上がってしまいます。
このころには株元にたくさんの種球ができ、休眠状態に入ります。葉がすっかり枯れたころに掘り上げて、風通しの良い涼しい場所で乾かして貯蔵します。これは次年度の種球として利用できるので大助かりです。
たくさん育てて、新鮮な葉を秋から冬にかけての薬味や吸い口に、魚介とぬたに、鍋物にと利用しましょう。種球がたくさん取れたなら、外皮をきれいにむいて素揚げにして食べるとおいしいです。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

 

 

水やり、ハダニ対策に留意を

●早川 京子

 

p26_07hana_4c日照りが続けば、花壇の草花は青息吐息でしょう。土の表面が白くなったら、たっぷりと水やりをしましょう。鉢植えは、花壇に比べて土の量が格段に少なく、鉢の周りから熱が押し寄せるので、毎日水やりをしなくてはならないくらいに乾きます。この時期、代表的な草花はアサガオですが、特に大輪種は、夕方涼しくなってからの冷たい水での水やりは避けます。くみ置きの水を午前中に掛けてやりましょう。
乾燥する時期はハダニが増える時期でもあります。ハダニは葉裏に付いて、吸汁しますので、葉が薄くなり、少し透けたように白っぽい筋が見えます。こういう状態が多く見られるようなら、ダニ防除剤を使って退治します。ハダニは湿潤状態に弱いので、葉裏に水を掛けてやるのもよいでしょう。
サルビア、ダリア、マリーゴールド、早く咲いたコスモスなどは草丈の半分か3分の1くらいに切り戻して、再び出てくる茎に花芽を付けるようにして、秋の開花を楽しみます。切り戻しの後、肥料を施して、力をつけてやりましょう。
ダリアは茎が中空で、中に雨水などがたまると腐敗の原因にもなりますので、節のすぐ上で切り戻します。
パンジーは9月にまくのが普通ですが、早くまくと11月から開花が期待できます。鉢などに8月中に種まきをし、覆土しないで、洗面器などに水を張って鉢を漬けて、下から水を吸わせます。水分の蒸発を防ぎ湿度を保つため、発芽するまで新聞紙を掛けて涼しい場所に置きます。4~5日で発芽するので、新聞紙の覆いは取り除きます。いつまでも光を制限していると徒長してしまいます。本葉3枚くらいで3~4cm間隔に植え広げ、この間隔でも込み合うくらいになったら定植します。
10~11月咲きの菊は、支柱を立てて出蕾(しゅつらい)に備えます。

ベジフル歳時記・野菜のルーツ – 身近な野菜のルーツをご紹介します –

8月31日は「野菜の日」

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 

p26_07vegefru_4c「野菜の日」は、1983年に「8(や)3(さ)1(い)」の語呂合わせから制定された記念日です。残暑が厳しいこの時期は疲労がたまりやすく、夏バテで食欲も低下する傾向が。元気に過ごすためには、バランスの取れた食事が大切。ビタミンやミネラルをはじめ、食物繊維や機能性成分なども豊富に含有する野菜をしっかりと摂取しましょう。
厚生労働省によると、1日350gの野菜を食べることが健康的な食生活の目安とされています。ところが国民健康・栄養調査における1人1日当たりの摂取量を見てみると、どの年代においても目標値を下回っており、中でも20~30代の野菜不足が目立っているのが現状です。
摂取目標量の350gのうち緑黄色野菜を120g、淡色野菜を230g食べることが理想的。緑黄色野菜は抗酸化作用があるカロテンが豊富で、不足しがちな鉄分などを多く含む健康野菜。一方の淡色野菜はビタミンCや食物繊維などが豊富で、癖がないため調理しやすく一度にたくさん食べられる野菜が多いのが特徴です。それぞれに異なる効能が期待でき、食感や味わいの違いも楽しめます。忙しくて生鮮野菜を購入できないときには、冷凍野菜や干し野菜を常備しておき、お助け食材として活用するのも賢い方法です。
近ごろは一年を通じて手に入る野菜が多くなったとはいえ、やはり本来の旬に当たる物は値段がリーズナブルで、味が良く栄養価も高いのが魅力です。
さまざまな調理法で食べられることも重要なポイント。生食は加熱に弱いビタミン摂取に、焼く・炒めると脂溶性ビタミンの吸収率アップに有効です。煮る・ゆでるとかさが減って量をたっぷり取れる、蒸すと水溶性の栄養素が失われにくく素材そのものの味を堪能できる利点も。調理法のバリエーションを増やすと、飽きずにおいしく食べられます。
日々の食卓に「野菜」を増やす心掛け、その意識が健康への近道です。

豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –

新鮮食材で楽しくクッキング① アユの土鍋ご飯

料理研究家 ●波多野充子

 

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■材料(4人分) 1食当たり約348kcal

 

アユ ……………………………… 2尾
米 ………………………………… 2合
昆布 ………………………… 5×5cm
調味水
 酒 ………………………… 大さじ2
 しょうゆ ………………… 大さじ1
 みりん …………………… 小さじ1
 だし汁 ……… 酒・しょうゆ・みりんと足してカップ2になる量
アユの塩焼き用塩 …………… 適量
ショウガ ……………………… 1片
ミョウガ …………………… 1/2個
ミツバ ………………………… 少々

■ 作り方

  1. 米を洗い、30分以上浸水後、水を切っておく。
  2. アユはぬめりとうろこを取り、肛門の辺りを軽く押してふんを出す。優しく水洗い後、キッチンペーパーで水気を拭く。全体に塩を振り、両面に焦げ目が付くように焼く(この後ご飯と炊くので、完全に焼かなくてよい)。
  3. ショウガとミョウガは千切り、ミツバはざく切りにする。
  4. 土鍋に米と調味水を入れてかき混ぜ、その上に昆布と焼いたアユを載せる。沸騰するまで強火、その後弱火で12分、最後にお焦げを作るために強火にして10秒加熱後火を止め10分蒸らす(ここまでふたは開けない)。
  5. アユと昆布を取り出し、アユの頭、骨、ヒレなどを取り除き、身をほぐして土鍋に戻し、全体をかき混ぜる。ショウガ・ミョウガ・ミツバを散らす(アユのはらわたはお好みにより使用してください)。

シンプルにアユを楽しむ夏の土鍋ご飯です。アユは意外にも栄養がいっぱい。カルシウムは真イワシの約3倍、ビタミンEや血液サラサラでおなじみのオメガ3脂肪酸の含有量も魚でトップクラスです。川魚ならではのはらわたもご一緒に。

新鮮食材で楽しくクッキング② 豆腐のサラダ

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■材料(2人分) 1食当たり 約323kcal

 

豆腐 …………………………… 1丁
アボカド …………………… 1/2個
レモン汁 ……………………… 少々
キュウリ ……………………… 1本
トマト ………………………… 1個
タコの足 ……………………… 1本
オオバ ………………………… 4枚
白ゴマ ………………………… 少々
ドレッシング
 しょうゆ ………… 大さじ1と1/2
 酢 ……………………… 小さじ1
 ワサビ …………………… 少々
 ごま油 …………………… さじ1

■ 作り方

  1. 豆腐は軽く水切り後、食べやすい大きさに切る。
  2. アボカドは縦半分に切り、種を除き、乱切りにし、レモン汁を掛ける。
  3. キュウリ、トマト、タコは食べやすい大きさに切る。オオバは千切りにする。
  4. 豆腐の上に(2)(3)と白ゴマを載せる。
  5. ドレッシングの材料を混ぜ、いただく直前に掛ける。

暑い日に食べたい、サッパリしているけれどこくのあるサラダ。さまざまな香りと食感が楽しめ、どんどん食が進みます。残ったアボカドにもレモン汁を掛けて、ラップに包み冷蔵庫で保管しましょう。

ベターホームのお料理教室

トウガン

タレント・食生活アドバイザー●岡村麻純

p34_07トウガンはカボチャやキュウリ、メロンと同じウリ科の野菜で、収穫時期は7月から9月です。東南アジアが原産で、日本でも古く平安時代から栽培が行われていたといわれています。
「冬」の「瓜(うり)」という名前でありながら、夏が旬の野菜です。ウリ科の中ではやや遅めな収穫時期であることや、比較的保存が利くことから、冬の瓜と呼ばれるようになったそうです。実際にそこまで保存するのは難しいですが、湿度を70~75%に保てる環境であれば、6カ月以上の保存が可能といわれています。しかし、トウガンは95%以上が水分でできており、体を冷やす効果もあるので、やはり旬の夏に食べるのが適しているといえます。また免疫力を高めてくれるビタミンCが多く含まれているので、夏バテした体にも効果的です。
調理する際は下ゆですることで、あくが抜けて、形崩れを防ぐことができます。トウガン自体は淡白な味わいであるため、だしを利かせてあっさりと調味し、しっかりと味を染み込ませるとおいしくいただけます。煮物を作るときには加熱調理した後、ゆっくりと冷ますことでより味が染みるといわれています。
加熱することで細胞壁などが破壊されて味が染み込む状態になり、さらに、加熱中は水分が膨張して、野菜中のうま味を含む水分が煮汁に溶け出します。しかし、そのまま温度を下げることで、水分の体積が減り、調味料やうま味を含む煮汁が野菜の中に戻っていきます。このとき、できるだけ時間をかけて冷ました方がより味が染みることも分かっています。
しっかりと味が染み込んだ、透明で美しいトウガンをぜひ楽しんでください。冷蔵庫で冷やしてとろっとした食感が出たトウガンも、夏ならではのおいしい食べ方のように思います。

 

岡村麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。公式ブログ:http://ameblo.jp/masumiokamura/

RECIPE 豚肉とトウガンの炒め煮

p34_07shoku_recipe撮影:大井一範

■材料(2人分) 一人分約271kcal

 

豚肩ロース肉(しょうが焼き用) … 150g
A
 塩 ……………………… 小さじ1/8
 酒 ……………………… 大さじ1/2
トウガン ……………………… 500g
ショウガ ………………… 小1片(5g)
油 ………………………… 大さじ1/2
ネギ(青い部分)……………… 5cm
B
 オイスターソース ……… 大さじ1
 酒 ………………………… 大さじ1
 砂糖 …………………… 小さじ1/2
 中華スープのもと ……… 小さじ1
 しょうゆ ………………… 小さじ1
 水 ………………………… 200ml

■ 作り方(調理時間 20分)

  1. 豚肉は5~6cm幅に切り、Aで下味を付けます。
  2. トウガンは3~4cm大に切り、皮をむきます。種とわたを除き、さらに1.5cm幅に切ります。ショウガは細切りにします。ネギは斜め薄切りにし、水にさらして水気を切ります。
  3. 厚手の鍋に油を熱し、強火で豚肉を炒めます。色が変わったら、トウガンとショウガを加え、1~2分炒めます。Bを加え、沸騰したらあくを取ります。ふたをし、中火で10分ほど煮たら、強火で汁気を飛ばします。器に盛り、ネギを載せます。

出典:JA広報通信2015年7号

 

平成27年6月号

平成27年8月号

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