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知っ得コーナー(平成26年11月号)

[楽しい園芸] [野菜のルーツ] [豆知識&簡単レシピ] [食の健康百科] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】 ナガイモの上手な掘り方、蓄え方

板木技術士事務所 ●板木利隆

 

ナガイモの上手な掘り方、蓄え方夏から秋にかけて盛んにつるを繁茂させてきたナガイモは、晩秋になり寒風が吹き始めると、茎葉は黄変し、やがて枯死してきます。掘り取りはこのような変化をよく見極めて行うことが大切です。

 

(1)掘り取り適期 葉がすっかり黄変し、全体が枯れ始めた状態になったときです。緑の葉が残っているころに早く掘り過ぎると、芋をすりおろした際に褐変しやすくなってしまいます。イチョウイモは低温に弱いので、葉が黄変、枯れ始めた早いころが適期ですので間違わないでください。

 

(2)掘り取る日 できるだけ晴天続きを見計らって行うことです。雨後で畑が過湿状態のときに掘ると、貯蔵中の腐敗が起こりやすくなります。ナガイモは根を深く形成しており、地温が下りにくいので、低温害を受けにくく、天候を見て掘り取り日を決めるゆとりがあるので好都合です。

 

(3)掘り取り作業の手順 つるを芋の首の上5~6cmの所で刈り取り、茎葉を片付けてから掘り取り作業に取り掛かります。ナガイモは組織が柔弱で、折れたり傷ついたりしやすいので、株の周り30cmぐらい離れた所から、スコップを立てるようにして、少しずつ慎重に掘り進みます。そして、芋の先端より少し深い位置まで、十分注意して土を取り除き、芋を傷つけないよう丁寧に掘り上げましょう。図のように幅の狭いスコップや鉄棒などを用いると効率良く作業を進めることができます。

 

(4)掘り取り後の扱い方 掘り上げた芋は、直射日光や強い風に当てないよう、土や覆いを掛けて肌を乾かさず、変色させないようにして畑から搬出しましょう。

 

丸ごと1本の芋を短期間保存するには、新聞紙に包んで冷暗所に置くだけで大丈夫です。切ってある場合は、切り口が空気に触れないようラップできっちり包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。

 

たくさん取れた場合は、排水の良い場所を選び、図のように穴を掘って埋め、雨が入らないよう土に覆いをします。貯蔵の好適条件は、温度4~5度、湿度85~90%とされています。低温貯蔵庫でこの条件を保てば長期間良い品質を保つことができます。

 

畑の条件の良い所では休眠状態に入った芋を、畑でそのまま春まで保存することも可能です。

大事な水やり、深耕作業

●早川 京子

 

大事な水やり、深耕作業寒さも徐々に加わって、花壇作業はわずかしかありませんが、確実にやっておきたいのが水やりです。
苗にしても球根にしても、地上部はほとんど動いていないようでも、根は来たるべき寒さを乗り切り、その先にある開花に備えて、活動しています。アヒルやハクチョウが水面では何事もないように浮かんでいますが、水面下の脚は忙しく動かして、次の行動に備えているようなものでしょうか。
苗物や球根が水を十分に吸い上げられないと、体力を落とし、冬越しや開花に影響します。特に、霜よけ、防寒のために覆いをしている所は乾きやすいものです。どの場所も、土の表面が白く乾いてきたら、たっぷりと水をやる、というのを目安にすればいいでしょう。
球根は、もうほとんど植え付けを終えている時期ですが、植え忘れている物があれば、今からでも植えておけば、来春、通常の開花期に花を咲かせてくれます。普通の植え付け深さより浅めに植えます。また、地温が低く、根が伸びにくい時期ですので、敷きわらなど必ずマルチをして、保温をしてやりましょう。ヒヤシンス、チューリップ、スイセンなどはかなり遅くなっても大丈夫ですが、中でも、開花後も葉を伸ばすスイセンに、この遅植えのやり方を利用すると、草丈が低いうちに咲き、葉が伸び過ぎるのを避けられます。
水栽培をしている球根草花は、根をどんどん伸ばし、栽培容器の底に達するほどに伸びたら、冬の寒さに当ててやりましょう。玄関先や家の中でも0度近くにまで冷える場所に置き、節分のころまで、十分に低温に当てます。当たる低温量が少ないと良い姿の花が咲きません。
冬季の作業でやっておきたいのは、土の深耕です。きつい作業になりますので、春先の春花壇の地ごしらえ時期前までかけて、徐々にやっていきましょう。来年一年間の良い花を見るための重要な作業です。

ベジフル歳時記・野菜のルーツ – 身近な野菜のルーツをご紹介します –

冬至

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 

冬至冬至は一年で最も昼が短くなる日、つまり太陽の力が最も弱い日(陰が極まる日)です。それ以降は再び太陽の力が強くなっていく日であることから、「一陽来復(いちようらいふく)」の日といわれています。
冬至は日が復する始まりの日に当たり、かつては冬至を含む月が一年の始まりでした。日が強くなり始めると運気も上昇し始めるとされ、その日に「ん」の付く物を食べることでさらに「運」を取り込もうという「運盛り」という風習が今でも各地に残っています。特に、南瓜(なんきん=かぼちゃ)、蓮根(れんこん)、人参(にんじん)、銀杏(ぎんなん)、金柑(きんかん)、寒天(かんてん)、うどん(うんどん)のように、一つの単語に二つ「ん」がある食べ物は縁起が良く、これらをまとめて「冬至の七種(ななくさ)」と呼ぶことも。
縁起担ぎで始まった運盛りですが、冬の健康な体づくりに一役買っていることも事実。寒い冬に食べ物から栄養を取ることで、元気に乗り切ろうという昔からの知恵がそこにはあります。「冬至にカボチャを食べると長生きする、風邪をひかない」との言葉通り、カボチャには免疫力向上に役立つカロテン、血行を促し冷えを緩和するビタミンEなど冬に取りたい栄養素が豊富。本来、日本でカボチャが収穫されるのは夏ですが、丸ごとであれば冷暗所に置いて冬まで保存できるので、緑黄色野菜が少なくなる冬場の栄養源としては最適といえるでしょう。また収穫後追熟させることで、でんぷんが糖に変わり甘味が増しておいしくなるため、食べごろもちょうどこの季節。定番の煮物はもちろんのこと、天ぷらやコロッケなどの揚げ物、スープ、サラダ、スイーツなど親しみやすいメニューが多いことも魅力です。
調理の際のポイントは油と加熱すること。脂溶性ビタミンであるカロテンやビタミンEが効率的に摂取できるのでお勧めです。

豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –

新鮮食材で楽しくクッキング① アクアパッツァ

料理研究家 ●波多野充子

 

アクアパッツァ

■材料(2人分) 1食当たり約481kcal

 

鮮魚(カサゴ・スズキ・タイ・キンキなど) … 1尾
アサリ(大) ………………………… 12個
ジャガイモ …………………………… 1個
タマネギ ……………………………… 1個
黒オリーブ …………………………… 6個
アンチョビのフィレ ………………… 1枚
ケッパー ………………………… 小さじ1
ニンニク ……………………………… 1片
ドライトマト ……………………… 2~3枚
ミニトマト …………………………… 6個
イタリアンパセリ ………………… 3~4本
水 ………………………… 200~300ml
EVオリーブ油 ……………………… 適量
塩 ……………………………………… 適量
こしょう ……………………………… 適量

■ 作り方

  1. 魚のうろこ、内臓、えら、血合いを除き、水気を切る。身が厚い場合は、真ん中あたりに切り込みを入れて、魚の表面、腹の中に塩・こしょうを振る。
  2. ジャガイモとタマネギは薄切り。ニンニクは縦2つ切り、イタリアンパセリは粗みじん切りにする。
  3. フライパンでEVオリーブ油を温めてから魚を入れ、その周りにジャガイモとタマネギを入れる。中火で魚の両面に焼き色を付ける。
  4. 焼き色が付いたらアサリ、黒オリーブ、ドライトマト、ミニトマトを加え、水を注ぎ強火にする。沸騰したらケッパー、アンチョビを加え、魚にスープを回し掛けながら煮る(スープはひたひたになるように水の量は加減)。
  5. アサリの口が開き、魚に火が通ったら塩味を調整し火を止める。
  6. 皿に盛り付け、イタリアンパセリとEVオリーブ油を回し掛ける。

アクアパッツァは新鮮な魚介類をトマトやオリーブなどと煮込んだシンプルなイタリア料理。今回はジャガイモとタマネギも加え、海と大地のうま味がいっぱいです。水を加えたら魚にスープを小まめに掛けながら煮込んでいきましょう。

新鮮食材で楽しくクッキング② トマトのライス詰め

トマトのライス詰め

■材料(2人分) 1食当たり 約294kcal

 

トマト(中) ……………………………… 4個
ご飯 …………………………………… 200g
塩昆布 ……………………………… 7~8g
イタリアンパセリ ……………………… 2本
カレー粉 …………………………… 小さじ2
塩 …………………………………… 小さじ1
バター ……………………………… 4~5g
EVオリーブ油 …………………… 小さじ1

■ 作り方

  1. トマトはへたを切り頂部を1cmほど切り、中身をくり抜く。

  2. 塩昆布とイタリアンパセリは粗みじん切りにする。

  3. 鍋にトマトのくり抜いた中身と塩を入れてから火を付け、沸騰したらカレー粉を加え4~5分煮る。

  4. (3)の火を止めてから、ご飯、塩昆布、イタリアンパセリ、バターを加えて、混ぜ合わせる。

  5. (1)のトマトに(4)の具材を詰め、EVオリーブ油少々を引いた皿に入れ、(1)で切り取った部分でふたをしてからEVオリーブ油を掛ける。

  6. 180~200度に温めたオーブンで20~25分焼く。

かわいいトマトの中には、塩昆布入りのカレー風味ご飯が詰まっています。熱々でも冷めても、また具材はソーセージやツナなどで、いろいろとアレンジしてみましょう。

ベターホームのお料理教室

ホクホク食感と独特の甘味が上品な味わい - ユリ根-

ユリ根晩秋から冬にかけて出回る「ユリ根」。ヤマユリ、オニユリ、コオニユリなどの食用種のユリの球根で、鱗片(りんぺん)と呼ばれる花びらのような物が何枚も重なった形が特徴です。
主な産地は北海道ですが、実は関西での消費が多い野菜。ホクホクとした食感、独特の甘味はユリ根ならでは。
主な成分はでんぷんで、血圧を下げる働きのあるカリウムや、整腸作用のある食物繊維も豊富に含みます。
選ぶ際は表面が白くてつやがあり、ずっしりとした重みのある物を。また、鱗片がぷっくり大きな物を選びましょう。
花のような形を生かして丸ごと煮る料理もありますが、鱗片を1枚ずつ剥がして使います。剥がす際は根元に包丁で切り込みを入れ、1枚ずつ丁寧に。黒ずんだ部分は削り取りましょう。鱗片をばらした「かきゆり根」は真空パックなどで売られ、手軽に使うことができます。
保存は丸ごと、おがくずが付いたままポリ袋に入れて冷暗所で2~3週間持ちます。鱗片をばらした物は、傷みやすいので早めに使い切りましょう。使い切れない場合は、ゆでる・蒸すなど加熱してから冷凍保存することもできます。火を通し過ぎると煮崩れるのでゆで過ぎないよう注意しましょう。
丸ごと含め煮にすると華やかなお正月の一品へ。ほっくりとした食感を生かして、あえ物や吸い物、炒め物、茶わん蒸しの具の他にも、きんとんや天ぷらにするのもお薦めです。

RECIPE ユリ根の梅あえ

ユリ根の梅あえ撮影:大井一範

■材料(4人分) 一人分約59kcal

 

ユリ根 ………………………… 2個(200g)
ミツバ …………………………………… 20g
梅干し ………………………… 中2個(20g)
A
 だし ………………………………… 大さじ1
 砂糖 …………………………… 小さじ1/3
 酒 ………………………………… 小さじ1/2

■ 作り方(調理時間 15分)

  1. ユリ根は、根元に包丁で切り込みを入れ、1枚ずつ剥がします。2~3分ゆで、ざるに取って冷まします。
  2. ミツバはゆで、2cm長さに切ります。
  3. 梅干しは種を取り、梅肉を刻んでAと合わせます。ユリ根、ミツバをあえます。

出典:JA広報通信2014年11号

 

平成26年10月号

平成26年12月号

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