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知っ得コーナー(平成26年9月号)

[楽しい園芸] [野菜のルーツ] [豆知識&簡単レシピ] [食の健康百科] [バックナンバー]

楽しい園芸 – プロから聞いたアドバイスを紹介。初めての人もおまかせ! –

【あなたもチャレンジ!家庭菜園】 冬の鍋物に欠かせないシュンギク

板木技術士事務所 ●板木利隆

冬の鍋物に欠かせないシュンギク冬から春先の鍋物に欠かせない具材ですが、天ぷらやおひたしにも使え、近年はサラダやトッピングの材料としても幅広く用いられるようになりました。
いずれに用いるにも取れたての新鮮さが魅力、家庭菜園の野菜としてはうってつけです。
地中海沿岸の原産で、日本へは中国を経て室町時代に渡来、江戸時代から栽培が盛んになりました。春に黄色の花を咲かせるので「春菊(シュンギク)」の名が付きました。菊菜と呼ばれることもあります。
葉の切れ込み具合によって、大葉種、中葉種、小葉種に分かれますが、近年は葉に切れ込みのある中葉種が主流です。切れ込みの浅い大葉種は、葉肉が厚くて柔らか、強い香りがあります。この他に茎が長く伸びヤシの木のような草姿となる、癖の少ないスティックシュンギクがあります。サラダや天ぷらにするとおいしくいただけます。
生育適温は15~20度。小松菜やホウレンソウに比べると寒さに弱く、霜が降りると葉は傷んで黄色くなってしまうので、冬に良品を得るにはべた掛け資材やビニールトンネルを被覆します。
土壌に対する適応性はかなり高い方ですが、乾燥には弱いので保水力のある畑を選びましょう。
シュンギクの種子はもともと発芽率が70%程度と低いので、やや厚まきにして芽が多く出たところを間引きして生育をそろえていきます。種子は好光性で、覆土が厚いと発芽しにくいですから、薄く土を掛けるよう心掛けます。
間引きは本葉2枚のころ2~3cm間隔に、本葉7~8枚のころ5~6cm間隔にします。
シュンギクの収穫は、株ごと抜き取る抜き取り収穫と、本葉10枚ぐらいになったら下の葉を3~4枚残して中心の茎を摘み取る摘み取り収穫があります。摘み取りの場合は、中葉種の中でも茎が伸びやすい品種を用い、最終株間を10cmぐらいに広く取り、多くの側枝を出させるために、図のように草丈が20~25cmに伸びたときに主枝を地上10cmぐらいで切り取り、各節から伸びてきた側枝が15~20cmに伸びたときに、側枝の2~3節を残して摘み取ります。1株から次々とたくさん収穫するので、草勢や葉色を見て追肥を欠かさずに行うことが大切です。
抜き取り収穫した香りの良い肉厚の大葉種を鍋物などでさっと加熱していただくのが、シュンギクの本当のおいしさを味わう方法といって差し支えないでしょう。ぜひお試しください。

 

四季の花づくり 寒さ前にしっかり根を張らせる

●早川 京子

 

寒さ前にしっかり根を張らせる秋まき草花の作業が最盛期になります。
秋の種まき、球根や苗物の植え付け――はいずれも、寒さが来る前に、根を十分に張らせることが、来春に良い花を咲かせる一つのポイントです。しっかり根を張ることで、厳寒期でも水をよく吸い上げ、冬を耐え抜くことができるのです。
秋まき草花は、春まき草花より、少し低い15~20度で発芽しますが、適期時期の期間が短いので、種子の準備などを周到に行い、まきどきを失わないようにしましょう。
秋植え球根は温帯原産の物で、秋の涼しさで根を出し、伸ばして、寒さに当たって、春に花を咲かせますが、十分な「体力」を得て越冬するためには、今月中旬から11月上旬に植え付けましょう。ヒヤシンスなど球根の水栽培は、水温が15度を下回るころから始めます。これは、水温が高いと雑菌が繁殖しやすいからです。
先月に種まきして育ててきた苗物は、もうかなり込み合ってきたでしょうから、10月上旬に、一度植え広げて、丈夫な苗に育て、まだ地温が得られる下旬には定植しましょう。
苗物で買ってきて植えることが多くなったハボタンですが、種子から育てているものは、10月になって涼しくなってくると、育ちは旺盛になります。株間が込み合ってきたら、下葉をかき取り、生育を調整してやりましょう。通風も良くなります。この先、寒さが感じられるころになると葉が色づき始めますので、鉢や定植場所に植え付けます。
秋は、菊花展が各地で催されます。菊作りを始めようという人は、ここで即売されている鉢花を求めて、苗作りのもとにしましょう。買い求めた鉢菊の美しさを楽しんだ後、花が終わったら草丈15cmほどに切り戻して、雨の掛からない場所で、水を切らさないように管理し、来年春先に苗作りに取り掛かります。

ベジフル歳時記・野菜のルーツ – 身近な野菜のルーツをご紹介します –

秋の味覚を「狩る」楽しさ

シニア野菜ソムリエ ●KAORU

 

秋の味覚を「狩る」楽しさ秋も深まりいよいよ紅葉の季節。各地から「紅葉狩り」の話題が届くころとなりました。「紅葉狩り」とは紅葉を愛(め)でることですが、なぜ「狩り」と表現するのでしょうか?
 そもそも狩りとは山野に入って獣や鳥を追い掛けて捕らえることで、大昔は「鹿狩り」や「鷹(たか)狩り」などがありました。薬となる鹿の若い角や草花などを採取するために山野に入ることは「薬狩り」と言っていたそうです。山野に入ってきのこを取る「きのこ狩り」は今も変わらず使われている言葉ですね。つまり「狩り」とは本来「何かを取りに山野に入ること」を表していたのです。
 さらに山野では季節ごとに移り変わる自然の景色も楽しむことができることから、獣や鳥を捕ることだけでなく自然の美しさを求めて山野に出向くことも「狩り」と言うようになりました。平安時代には春に咲く山桜を愛でることを「桜狩り」と呼び、秋に紅葉を愛でることを「紅葉狩り」と言っていたのはそのためです。和歌などからは山桜や紅葉の枝を手で折り取って眺めていた行為も読み取ることもでき、それが語源という説もあります。さらに今でも親しまれている「紅葉狩り」という言葉は、近くの公園などで紅葉を眺めるときには使わず、遠くの山野にわざわざ出掛けて紅葉を観賞することに、本来の意味が残っています。
 現在では「紅葉狩り」以外にも「タケノコ狩り」「果物狩り」など食べ物にも使われていますね。旬の食べ物を求めて離れた所に出掛けて収穫を楽しむという意味で、広く「味覚狩り」と言うことも。つまり私たちは古くから「狩り」をすることで自然の恵みを享受しているのです。
 実りの秋であるこの時期はブドウ、リンゴ、梨、柿などたくさんの果物で「狩り」を楽しむことができますね。自然の中で味わうことは格別のおいしさ。季節ならではのお出掛けはきっとすてきな思い出となることでしょう。

豆知識・簡単レシピ – 旬の食材の豆知識やレシピを紹介します –

新鮮食材で楽しくクッキング① ナスとツナのスパゲティ

料理研究家 ●波多野充子

 

ナスとツナのスパゲティ

■材料(2人分) 1食当たり約455kcal

スパゲティ ………………………… 160g
ナス(大) ……………………………… 1本
ツナ缶(ノンオイル) ………………… 1個
オオバ ………………………………… 4枚
トマトの水煮缶 ……………………… 1個
ドライトマト ……………………… 2~3片
ニンニク ……………………………… 1片
赤トウガラシ ………………………… 1本
EVオリーブ油 ………………… 大さじ1
塩 ……………………………………… 少々

■ 作り方

  1. ドライトマトは1cm幅に切る。ニンニクは縦半分に切り、芽を除き、粗みじん切り。赤トウガラシは種を除き輪切りにする。
  2. フライパンにトマトの水煮をつぶしながら入れ、その上に(1)と、EVオリーブ油を加え中火で煮る(煮立つまではかき混ぜない)。
  3. 煮立ってきたら、ナスを乱切りにして(2)に加える。このとき塩少々も加える。ナスから水分が出てきたら全体を混ぜ合わせ、弱火にする。
  4. ナスがしんなりしてきたらツナを加える(あまり煮詰め過ぎない方がトマトの酸味が残りおいしい)。
  5. トマトソースを作りながら、たっぷりの湯に1%の塩を入れ、スパゲティを指示通りにゆで上げる。
  6. (4)に水を切った(5)を加えてソースを絡める。水分が足りないようなら、スパゲティのゆで汁を加え、味を調えてから器に盛り付け、千切りにしたオオバを載せる。

油を多く使うナス料理ですが、油控えめでもおいしいトマトソースが完成。コクのもとはドライトマトです。トマトソースは煮詰めると次第に甘くなります。味見をしながら、甘さと酸味のちょうど良いバランスを見つけてください。

新鮮食材で楽しくクッキング② ニンジンとエノキタケのサラダ

ニンジンとエノキタケのサラダ

■材料(2人分) 1食当たり 約65kcal

ニンジン …………………………… 80g
エノキタケ ………………………… 80g
ドレッシング
粒マスタード ………………… 小さじ1
白ワインビネガー ………… 大さじ2
EVオリーブ油 ……………… 小さじ1
蜂蜜 …………………………… 小さじ1
塩 …………………………… 小さじ1/2

■ 作り方

  1. ニンジンは長めの太千切りにする。エノキタケは石突きを取り縦半分に切り、ほぐす。
  2. 鍋に湯を沸かし、一つまみの塩を加えエノキタケをゆで、水を切っておく。
  3. 次にニンジンを鍋に入れ、ふたをしてから火を止め、4~5分置いてから水を切る。
  4. ドレッシングの材料を混ぜた中にエノキタケとニンジンを加え、味をなじませてから盛り付ける。

ニンジンは年中出回っていますが、秋から冬が旬です。ニンジンは、カロテンが多くビタミン、ミネラルも豊富ですが、カロテンは吸収しにくいので油や脂肪と一緒に取り、吸収率をアップさせましょう。ニンジンとエノキタケのシャキシャキとした食感を楽しむため、ゆで過ぎにはご注意ください。

ベターホームのお料理教室

「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれるほど栄養豊富 - 柿-

柿柿には非常に多くの栄養が含まれています。そのうちの一つであるビタミンCには、免疫力を高め風邪を引きにくくする働きがあります。その含有量はミカンの2倍にもなり、柿1個で1日分の必要量に相当します。また、血圧を下げる働きのあるカリウムや、コレステロールを下げる働きのある食物繊維も豊富に含まれています。そして渋味のもととなるものが、タンニンという成分。タンニンには抗酸化作用、殺菌作用の他、アルコールを分解する作用などもあるので、二日酔いに効くともいわれます。まさに「医者が青くなる」ほど栄養たっぷりの果物です。
柿には、成熟すると渋味が抜ける甘柿と、成熟しても渋が抜けない渋柿があります。甘柿が成熟すると渋が抜けるのは、タンニンの性質によるもの。果実が成熟してくると、タンニンは水に溶けない形になります。そのため唾液に溶け出さず渋味を感じません。渋柿は成熟しても渋が抜けないので、湯に漬ける、へたにアルコールを付けて密閉、干し柿にするなどして渋を抜くと、甘くなりおいしく食べられます。
選ぶときは、へたがしっかりしていて、実に張りがありずっしりと重みのある物を。そのまま果物として食べることが多い柿ですが、白あえ、なます、サラダなど料理にもよく合います。柔らかいと仕上がりが水っぽくなるので、料理には堅めがお薦め。また、熟し過ぎてしまった柿は、冷凍するとシャーベットのようになり一味違った楽しみ方も。

RECIPE 柿の白あえ

柿の白あえ撮影:大井一範

 

■材料(1人分) 一人分約145kcal

柿 ……………………………… 小1個(150g)
木綿豆腐 …………………… 1/3丁(100g)
クルミ ……………………………………… 20g
塩 …………………………………………… 少々

■ 作り方(調理時間 10分)

  1. 豆腐はペーパータオルに包んで、電子レンジ(500W)で約1分加熱し、水気を取ります。
  2. クルミはオーブントースターで2~3分、焦がさないように焼きます。
  3. (2)をすり鉢で粗くすり、(1)を加えてすり混ぜます。塩を加えます。
  4. 柿を1.5cm角のさいの目に切り、(3)であえます。

出典:JA広報通信2014年9月号

 

平成26年8月号

平成26年10月号

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